Castafiore Bazooka


Au cabaret des illusions perdues

(1996)

まず、CDの入ってる紙製の箱が目を引きます。開けてみると箱と蓋が蛇腹に折畳んであるブックレットで繋がっていて、危うく引き千切るとこでした。小さい紙切れに「初回3000セットの箱はメンバーの手作りです」とのこと。大事にさせて戴きます。

女性6人組のコーラスグループです。といってもTSFだのとは訳が違います。バンドというよりどっちかってゆうと演劇に近い。それも劇団四季とかでは間違ってもなく、テント系の。いきなり「見ておいでー、寄っておいでー、髭女だよー」だもん。気分はレジデンツのフリークショー。
歌のバックはアコーデオンがメインで昔の場末のキャバレー(あ〜らターさん、じゃなくて、阿片吸ってるような)だとか見せ物小屋のノスタルジックな匂いがプンプンします。お察しの通り、世界は暗いんだけど、そこに息づく女性達は一筋縄ではいかない元気に満ち溢れています。弾けてはいるんだけど、そのハジケかたは、"世の中に納得のいかない者たちが主流を離れ自分の信じるがままに行動して行くことで、ある主張を体現している"、そんな感じ。
リーダーのElizabeth WIENERなんて、昔ソロで歌ってた頃はただのブッ翔んだ80ズ姐ちゃんだったけど、今ではすっかりドスがきいちゃって。

曲間で6人のお喋りが入っていて、これがまた可笑しい。『この拍手、いい加減別のにしないとただの効果音だってバレるよー、ねーねー、どーしよー』てな具合で和気あいあい。ですが、時には寄ってたかって来られてしまい、「何でもゆうこときくから、お許し下さい〜」なんて気持になる瞬間もある。
どうでもいいけど、女の子の友達同志で、ん十年後に4人で家一軒借りて気ままな暮らしを送ろうという計画があったんだけど、このCD、どうもこの「ババアの館」のイメージがつきまとうのでありました。ちなみに、バブルはじけて21世紀の日本で老人だけで家を借りられるとは到底思えないので、この計画は立ち消えたものです。

このCDは、ゆったり寝転がってヘッドホンで目をつぶり聴くことを強くお勧めします。
それでは、『失われた幻影酒場』で、お待ちしています。 ●28 Mai 1996


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