Diabologum


#3

(11/1996)

ジャケット及びボーナストラック違いで3種類、+アナログ盤で、それぞれ限定1000枚、なんつー、とんでもないリリース。そんな商売、一体どこで憶えたん?いやいや、先行シングルの曲が曲順もそのまんまで入ってたりするから、ついつい意地悪な言い方になっちまいました。でもね、ライブでも、MC無しでCDの曲順でやったりするから、もう「シャイでお茶目なバンドやしぃー」っつぅフォローもできなくなってしまうぞぅ。ファンなくすぞぅ。てなわけで、ほんっとに賛否両論、物議をよんでる彼らの、3枚目のフルアルバム。

フレンチでは珍しい、久々に、「大音量で聴くべし」な作品です。アルバムタイトルがそうであるように、何ともまぁぶっきらぼうな演奏及び曲のオンパレード。サビとか間奏とかいう概念はどっかへ失せていて、真夏に雪が降って途方に暮れてる話とかをえんえん話して(歌ですらない)たり。Jean EUSTACHEの映画の長回し独白シーンを延々、そのまんま流して、それに伴奏つけてたり。これがあのお気楽宅録集団かと、耳を疑うよなノイジーギターもんで、なんだか硬派になったり。かと思えば他人様のサンプリングネタの、道徳観念くつがえすよなナメたパクリ方。最後のダメ押し、Blank Generationのカバー?曲のblankさなんて、もう、うすら寒くて悪漢、いや圧巻。小手先上手な思春期を経て、苦悩の青年期(何それ)へ突入したことを窺わせます。思えば太郎もといMichel(もういいって)も早24才。

全然スタイルもシーンも違うけど、フリッパーズを終えて最初に出たオザケン君のミニアルバムと通じるものを感じます。特に詞の世界の、混沌とした情報量の多さに。
言いたいことは山ほどあるけど、それをストレートに口にする程もうお子様じゃないし、かといって、ヒネちゃった割にまだ整理がついてなくてSDF居場所が確定してないので、ただもう、チューインガム噛みながら道を歩いてくしかないかぁ、な膝栗毛状態。開き直った、若しくは定住を決心した時が楽しみでもあり、不安でもある。ま、Diabologumに限って、紅白出たりするような事にはならんとは思いますが・・・。

「ロックは死んだ。まだくたばってないんだったら、さっさと息の根を止めなきゃ。」(・・・でもさ、否定するだけなら小学生でもできるけど、ちゃんと破壊して、無くした跡に、きっちり新しいものを創造、してるんだから・・・それが正しいものなのかどうかはまだ判断できないにしても。頼もしいヤツらかも。)

悪意すら感じるこの「かわいくなさ」、爽快なほどです。雪の日のドライブでかけた日にゃあもう、車内温度零下まちがいなし。凍死寸前チルド室、ケーキや野菜がラップ無しでもフレッシュに保存できます。性格悪くなってでも毎日聴け! ● 5 Decembre 1996


À découvrir absolument

(6/1996)

秋に発売予定のアルバムからの第一弾シングル(アイドルみたい)は、「何をおいても見ないと(聴かないと?)だめ」なんてまた、妙に半分本気なタイトル。

内容は、一言でいえば、なんだかグジャグジャです。サンプリングだのコラージュだの多用しているのはいいんだけど、今回は素材がおもくそバッティングしあってるものをワザと重ねてるような、どことなく悪意のこもった作品。特に演説ネタが多いの。ヴォーカルも、もはや歌とは限らない状態で、野放し。「MTRを手に入れた喜び」に身を任せ、いってまうのが大得意な彼らの真髄発揮…と思えば、してやったり、なのですが、前作でファンになった少年少女にはちとキツイでしょう。ここはいっちょ、無理して聴き続け耳を馴らして、来たるべきフレンチ・ノイジーポップの大ブレークに備えておくんなまし。 ● 7 Aout 1996


Le goût du jour

(1994)

2枚目のフルアルバムは、意外や意外。もともと「あの子、大雑把に見えるけど、結構ちまちましたとこ、気がつくんだよ」的なバンドではあったけど、やんちゃ路線を気取ってとことん行くもんだとばかり思っていたもんで。まさかこっちのポップ面で来るとはね。さすが、やる気になればこんなにもテンダーな曲が作れる訳です。

録音もまともになって、音のクオリティで不安感を与えるということは無くなり、所謂3分間ポップスにのっとった曲形式とあいまって、ひじょーにキャッチー。先行シングルにもなっている1曲目「芸術は、町なかにあるのだ」(のだ、は余計)なんてほんとにポップです。あと、いかにも、な外人(英語圏)のねーちゃんにちらっと歌ってもらったりしてもしています。とことん意外な一枚。
● 7 Aout 1996


nuages nuages

Peter Parker et/and Dogbowl (1994)

Lithiumの通販ドーナツ盤頒布会でリリースした2枚組アナログシングル。なんて書いただけで涎垂らしてるそこのアナタ、君のような人にだけ、おススメします。

Diabologumのギター小僧ピーター・パーカー(本名太郎じゃなくてMichel、って、しつこい)君と新ヨークはシミーディスクが誇る変態キュート?なノイジーポップアーティストDogbowlの、夢(この世で合計37人くらいしか見なかったと思われる)の競演!!英語とフランス語と交互で歌い、楽器を曲毎に持ち替え、共通項であるヘナヘナ・ワールドを展開します。なんか、前置きばっかだなー。でも、それだけのものなんですわ、これ。
テレビで改編時期につなぎで出てくる「大家族奮闘記」モノみたいなもんで、幸せな出来事の記憶としてホノボノとする以外には、「んで、だから何だっつーのっ!?」とチャチャを入れたくなるような代物です。でも、結構ほろっときちゃったりして。
● 28 Novembre 1996


C'était un lundi après-midi semblable aux autres

(1993)

根性ないけどひらめきは無尽蔵にある、やんちゃ坊主集団ディアボロガムはフランス南部きっての音楽都市トゥールーズのノイジーポップバンド。元Lucievacarme。

思いつきをそのまんまMTRで重ねただけって感じで、可成りとっちらかってるんだけど、不思議に独自の世界が確立されております。基本的にはギターバンドで、それにあっちこっちから採ってきた音を、どっちがメインなんだかわかんないくらい、コラージュしまくる。そのブレンド方法に法則性はない様子で、つまり楽器も道端のざわざわも、同等な音として扱われて曲を構成してます。デビッド・リンチのワイルド・アット・ハート(仏題:セーラーとルラ)から、どうゆうつもりだか、延々1シーン分会話が使われてたりして、大丈夫かいな、とこっちが心配してどうする。

独り宅録系にはない、"その場の盛り上がりの勢い"が爽快。みんな友達多そうだしね。
あと、ギターのピーター・パーカー(当然芸名、本名は太郎、じゃなかった、Michel)君はPeter Parker Experienceで活動もしてます。
● 7 Aout 1996


分類項目表 アルファベット表 french pops homepage


ふりだしに戻る


e-mail :
lisat@***.or.jp
Copyright 1996 Tany