Thomas FERSEN


《 Le jour du poisson 》

(1997)

またもやとんでもない大傑作!とりあえず、買って聴いてください。後悔はさせません!!言い切ってます!

またもやタイトルが「000のxxx」ってパターン。今回は(あなたがサンマを釣ってきたから・・・)魚の日。

そしてまたもや、目が魅きつけられてしまうのは超美麗ジャケ写(やっぱりモンディーノ)!!リリースは初夏だったのですが、今、仲秋の名月も拝んで朝夕冷え込んできた、お寺の垣根の萩がきれいなこの季節にピッタリ!トマも結構美形に写ってるし。よく考えればこの衣装、生臭くてもう二度と使えない、勿体ない・・・なんですが、お魚が間違ってもネクタイではなく、ポケットチーフで良かった、と安堵したのは私だけでは無いはず。

で、肝心の中味です。さらに凝ったアレンジ、深みを増した色彩、幅の広がった音楽性。詞の世界に於いても、前作がパリを舞台にする心象風景が中心だったのが、本作ではそういった場面設定がとっぱらわれ、あくまで自分らしい空想と表現の羽根をはばたかせている。ここからが人生勝負、いまのところ絶好調!

ロック系のミュージシャンが歳とると、どーゆー訳かどいつもこいつも「ルーツ」とか渋い声で呟きたがる。でもって、大抵「ブルーズ」なんつって、それが円熟したオトナの音楽なのかぁ、と若いもんがわかった気になって感心したりする。これは英米の人々だったら、まぁ、そうなんだと思う。なんか、あんまり恰好いい感じの例は少ないにしても。
でもこれがアングロサクソン以外の人だと、なんか勘違いしてんじゃないの?とつっこみ入れたくなるんですわ。例えば、日本人だったら、いくら20年以上ロックしか聴いて来なかったとしても、リクエストされたら、好きでもないのに「演歌っぽい」フレーズがいくらでも弾ける(口ずさめる)筈。
で、前置きが長くなりましたが、トマもしてるんです、「ルーツ帰り」を。でもそれが、1枚目であんなにズージャしてたのにも拘わらず、ですよ、東欧方面なんですわ、行き先が。参加ミュージシャンの面々もそっち方面の方々で、そうそうたるラインナップ。本物です。「どう?若いの。俺って渋いっしょ」というひけらかしは無く、ただひたすら自由度が増す水を見つけ出して、喜んで泳ぎまくっている、トマの姿。どうしたって好感もっちゃいます。いい歳のとりかたしてると思う。
もう、何処までもついて行っちゃうわ。
●20 Septembre 1997


Les ronds de carotte

(4/1995)

『フランス版Tom Waits』と、どっかの外資系レコード屋でプライスカードに書いてあった、Thomas FERSENの2枚目。確かに声のしゃ枯れ具合は似てますが、こちらは若くて、アル中でもない(Mr.Waitsが実際どうなのかは知らないけど、そんなイメージが。)、ちょっとシャイな好青年です。
バックのバンドは、1枚目のメンバーとは若干異なりますが、アコピ、アコギ、アコベ、ドラムにサックスまたはフルートで、ライブではギタリストがヴァイオリンを弾いたりもして、非常に息のあった演奏を聞かせてくれます。いい仲間に恵まれているな、という感じ。ジャズっぽい曲が得意みたいですが、この2枚目ではこの面が後ろにさがり、「旧き良きパリ」の香り漂う曲の数々、よりポップな仕上がりになっています。フランス人にしかつくれないような唄とメロディーを丁寧に大事に歌っている、という印象を受けました。フレンチポップの優等生ですね。
私のお気に入りの一曲はtr.5のDans les transports。パリの市バス、メトロ、ケーブルカーとそこに日常的に繰り広げられる人間模様、彼女との約束の時間にすごーく遅れている主人公の気持ちがワルツにゆられて流れてゆきます。
ちなみに、アルバムタイトルの"ronds de carotte"(人参の輪?)は、使い勝手の悪い、いっつも財布の中で邪魔もの扱いされる小銭のこと。フランスの10サンチームや20サンチームは、だいだい色だから。このお茶目な比喩は、Thomasがおばあちゃんに教わったそうです、というこころ暖まるエピゾード付き。
ジャケットとヴィデオクリップ(シングルカットされたLouiseの)は天下のJean-Baptiste MONDINO先生の手によるもので、おっしゃれー。
嫌味のない『フランスらしさ』を感じさせてくれる、数少ないアーティストの一人です。おススメ!


Le bal des oiseaux

(?/1993)

デビューアルバム。日本発売もされているENZO ENZOに代表されるヌーベル・シャンソン・フランセーズの注目の若手新人ということで、アルバムタイトル曲[鳥の舞踏会]が大ヒットしました。全体的に、かなり渋めのジャジーなアレンジです。個人的には次作の方が好き。
●16 fevrier 1996


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