| LIO |
出たーっ!キッチュでポップなお姫様LIOの最新作だぁっ!とばかりに意気込んでCD買いに走ったら、何だか淫靡なジャケット。まあ、出演映画じゃ何度も脱いではいるけれど。30をとうに越えてるのに見事に身体のラインを保っていらっしゃいます。さすがスター!でもやっぱりレジには別のCDの下に重ねて持って行ってしまいました。ということで、みょーな気合いの入り方のアートワーク以上にずっしり聴きごたえのある内容です。
録音は1993年、なんでか3年間もねかされてたようです。なので、音はBjorkばりにスペイシー、という訳にはいきませんが、ほとんどコンセプトアルバムになっており、凝った、重厚なつくりになっています。いえいえ、ギターのリフがいっぱい絡まってる類のものではなくって、ユーロピアンなデカダンというか…あわわ余計プログレみたくきこえてしまう?難しいぞ、これは。
本アルバムに少し先立ちリリースされたベスト盤Peste of!のジャケットを担当したPierre et Gillesの世界を音に翻訳したらこうなろう、という雰囲気。エキゾチックな匂いと霧のたちこめる地中海沿岸の港町の猥雑な夜更け。FassbinderのQuerelleの世界。その薄暗く阿片の煙る地下空間の中で、Lioは当然、女王様として君臨しているのです。イントロ、1番、サビ、間奏…という既成のポップスの文法はここでは通用しません。女王様のお気の向くまま、或いは煤けた波にさらわれてどんどん沖の方に流されて行く。オチの無いロードムーヴィー。こんな具合にメロディーが気まぐれ。
ならば、ビートはといえば、多国籍軍街の屋台で混線してがなりたてるラジオってな感じでしょうか。思いっきりジャポネスクな音頭(まさかLioのアルバムで音頭を聴こうとは思わなんだ)をシノワズリーなヴォーカルスタイルで歌てはります。なんだこりゃ?えーらい問題作であることに違いないのですが、これは売りにくいだろうなー。
書けば書くほど、困ってきてしまうのでした。もちょっと、聴き込んで出直してきます。あっ、そうそう、原田知世ちゃんのGardenのオ・ト・ナ版かもしれない。ううむ。
気を取り直して、今回は、"祝・怒涛のリイッシュー"の方も合わせて紹介することに致します。 ●28 Avril 1996
記念すべきLIOのファーストアルバム。大大大傑作、一家に一枚!いきなり裏ジャケで下着姿で(まだ幼児体形だけど)「すでにこの時点から…」。ライナーとは別に中に入っている、5種類のお洋服の絵とか写真で着せ替え人形で遊べるようになっていて、女の子にも男の子にも嬉しい仕掛けとなっております。
内容の面でもポップでカラフルでプラスチックな曲が勢ぞろい。
彼女を一躍ティーンアイドルに押し上げたヒット曲Banana SplitだのStinky Toys(Elli & Jacnoがやってたパンク?バンド)のカバーだとか、どれをとっても名曲ばかり、ハズレ無し!使ってるシンセの音も、思わずニコニコしちゃうようなおバカ〜なテクノ(「バカテク」ぢゃあないよ)しています。気負いのないすっぴんの歌声がとても清々しいのです。こういう歌い方の出来る人って、簡単そうで実は意外と少ない気がします。
LIOっわぁーまだ、16だぁーから〜 ●4 Mai 1996
こぉれも、いかにも80年代してますが、ジャケットが秀逸です。真っ白なチュチュを身に纏った少女バレリーナのLioがスーツのおぢさん(脚しか写ってないけど誰もがそう思うはず)を拗ねた目つきで見上げてる。表題曲ではお転婆娘ぶりが爆発、かわいさ百倍。2曲目のMona Lisaは隠れた名曲!所謂ひとつのアイドル歌謡ですが。
後半は、あの頃みんな大好きだったSparksの変態Mael兄弟による英語ヴァージョンシリーズになっていて面白いのですが、いかんせん英語なものでちょっぴりおすましをきめこんでるんだか何だか、いまいち元気が足りない気がします。
にしても、ありがちな"英語っぽく"ヘンにかっこつけたりは、決してしない、素直に舌っ足らずなとこは可愛い!とっても好感もてます。どっかのスーパーモンキーナミエとは大違い。 ● 5 Mai 1996
前作では美少女キラー Jay Alanski(フランスの後藤次利かなぁ)の手中におりましたが、ここにきてニューミュージック界の王子様 "ボンジュールおめめさん" Alain Chamfort にバトンタッチ。
白いサンドレスがよく似合う、相変らずジャケ写の勝利です。3曲目の Zip-a-doo-wah がピカイチの出来です。 Banana Split に次ぐ最高傑作!1曲目の La reine des pommes はモロ歌謡曲ですが、曲・詞共になかなか的確に Lio を捉えていて何を隠そう私のお気に入りです。 Chamfort 先生、さすがに良いメロディをお書きになります。
後半はかなり地味ですが、そろそろLioも「ニュアンスで勝負」できるお年頃になってきたということだったのでしょうね。てなわけで、味わい深い歌が多いっす。こどもぢゃあないの。 ● 5 Mai 1996
ここいら辺から映画の仕事に脚をつっこみはじめ、どんどんケバいねーちゃん化してゆくのを、もう誰も止められないー!だってもうすでにこの段階で、真紅のコルセットに黒のガーターベルトですもの(アルバムジャケットの話:Lioの顔はどこにも見あたらず、そのおしりのみがオブジェのごとく写っている)。そういえばみんなったら、これ本人じゃなかったら怒る!って鼻息荒かったなー。でも、元気はヒジョーに良いです。今が一番楽しい盛り!という感じ。 Cindi Lauper のハイスクールはどうたらこうたら、の世界です。なんと言ってもロサンジェルス録音。おまけにブラジル録音の曲まである。
部分的に John Cale がプロデュースしていたりして。そんなストリングスのいっぱい入ったバラードなんかではもう声がおとなになっていて、ちょっと淋しい気分になった記憶が…。
シングルヒットした1曲目 Les brunes ne comptent pas pour des prunes [ブルネットをばかにしないでよね] (ってなところかな?にしてもえらい長いタイトル)の向こう見ずで、ちょいとはすっぱな歌が小憎らしくてかぁわいーい!です。 ● 5 Mai 1996
先行シングル“SEULES LES FILLES PLEURENT”は、このアルバムをプロデュースしたM.エステバンとY.レイカーの大傑作。
今イチ認知度の低いアルバムですが、2人が手掛けた素晴らしい曲の数々は、まさに新しいリオへ、大成功といった感じです。J.アランスキも前作までの超キャッチー路線からは少し外れた、大人っぽいメロディを提供しています。ちなみに、私の大好きなシャンフォー先生の名はここでもすっかり見当たりません(涙)。余談ですが、初回プレス分フランス盤LPには、“A la Cigale”でのリオのコンサート・チケット先行予約用紙が封入されていたのです!私はこれで、チケットの申込みをしてる自分を想像して楽しんでました・・・(悲しすぎる・・・)。
● par Mlle Motoe IKUTA
伝説に残る美麗中ジャケ!'91発表の6枚目はなんと、あの!エティエンヌ・ダオのプロデュース。今まで、ダオの2ndアルバムにゲスト参加したり、ジャッキーとのシングル「CACHE CACHE DANS L'ESPACE」(TETEOU?のB面の曲)の詞をダオが手掛けたり・・・と仲良しぶりを発揮していた2人ですが、本格的な仕事はこれが初めて。
GOTAがリミックスした名曲“イパネマの娘”がクラブでヘヴィー・プレイされ、ジャケの美しさも手伝って、アヴァンギャルドなお姉さん達の話題となったのですが、アルバム全編に込められたリオ&ダオの底力へは、残念ながら完全にはついて来られなかった様です。リオのチャーミングなラップもちょっぴり聴けて、大満足の1枚。(相変わらずプッシーですな☆)
● par Mlle Tomoe IKUTA
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