更新2015_09_04

APIサービス分類

ACEA(ヨーロッパ自動車工業会)規格対比

2005年2月現在、市販されているもので、ガソリンエンジン用にSE〜SMまで、
ディーゼルエンジン用に CC〜CI-4、ギアオイル用にGL- 3〜GL-6があります。

2001年7月にガソリンオイルは新 規格”SL/GF−3”が追加され、
2004年度には更に新しい規格の「SM/GF−4」が出ています。
SM−GF4の 詳細はこちら=まだ工事中)

また、2002年2月にはACEAの規格でA5、B5、E5
2002年9月にはディーゼルオイルの規格のCI−4それぞれ追加されています。

今後も1-2年の期間で規格が変わってくると思われますが、基本的には規格をクリアーする最低レベルの
持ち上がりとなっていそうですので、品質の良いオイルなら大丈夫で、
あまり神経質に新規格を追いかけることもなさそうです。

APIとACEAの方向性の大きな相違点はないのですが、
どちらかと言いますとAPIは「省燃費性」を重視し、
ACEAは「耐久性」を重視している傾向が窺えます。

ガソリン用

API分類 旧CCMC規格 清浄.分散性  酸化安定性  耐摩耗性  腐食防止性 防錆性
SE  G1  ●●●  ●●●  ●●  ●●●  ●● 
SF  G2.G3 ●●●  ●●●●  ●●  ●●●  ●● 
SG  G4.G5 ●●●●●  ●●●●●  ●●●  ●●●  ●● 
SH※1 G5  ●●●●●  ●●●●●  ●●●●● ●●●●  ●● 
SJ※2 新ACEA規格(A3)  ●●●●●●  ●●●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●
※1,SGに合格したものでCCMCのG5と同等の性能を持つもの。 現在CCMCはACEA-96or02に代わっています

 ※2,SHに比べ低蒸発性、低燐含有、高温下での酸化防止性能を持つ。

 現在SHのみの申請は出来なく、ディーゼル用規格との併記のみ

SG、SH/GF−1、SJ/GF−2、ACEA−A3規格の違い

評価項目 SG SH/GF−1 SJ/GF−2 ACEA A3 SJとSHの比較
認証システム 自己申告 EOLCS EOLCS
SAE粘度 旧SAE分類 SAE分類 SAE分類 SAE分類(GF−1、2は0W、5W、10W−Xのみ)
エンジン試験
錆の評価 同じ
軸受けメタルの摩耗 同じ
高温酸化、動弁摩耗、清浄性 ◎(高温酸化安定性) 同じ
高温清浄性評価 SJ(デポジット60r以下)
高温デポジットリングスティック
動弁系スカッフィング摩耗
ブラックスラッジ
低温低速でのスラッジ評価、動弁摩耗、清浄性 同じ
低温始動性 同じ
ディーゼル清浄性
燃費性能(ECU2.7%) ○<◎(省燃費約1%)
ラボ試験
高温高せん断粘度(TSB粘度) 2.9以上(Xw−30のみ) 3.5以上 A3は高い要求値
蒸発性能(ASTM法、NOACK) 25%以下 22%以下 13%以下 A3は高い要求値
フィリタビリティー性能
引火点、消泡性能、混和性
せん断安定性能 ◎(L-38,10時間) ◎(ボッシュ、インジェクター) SJとA3は試験法が違う
オイル中のリン分量(触媒に影響するため) ○(1.2%以下) ◎(1%以下)
オイル中の硫酸灰分量 ◎(1.5%以下)
オイルシール適合性
GF−1、GF−2規格はそれぞれ異なり、SH=GF−1、SJ=GF−2、というようになります。「エンジンオイル認証システム (EOLCS)」は 「API」と「AAMA」が共同でスタートさせた「ILSAC」と「API」規格を認証するための システムで、新基準が制定されると、旧規格のマーク(ドーナツマーク・スターバーストマーク)の表示が出来なくなります。 現在はGF−2ですからスターバーストマークのある新商品は「国際潤滑油規格化認証委員会(ILSAC)」の認証を受け、「SJ=GF−2」であ ることを表しています。 単に、SH、SJ認証されただけのオイルもあります。

 ILSAC規格はAPI+省燃費性能ということで、
「SJ」だけのオイルは「SJ+GF−2」と同じか、それ以下の省燃費性能になります。

 省燃費性評価エンジン試験での基準油「5w−30」(条件として:全合成油・摩擦調整剤なし・粘度指数向上剤なし) に対し
0w−20・5w−20・・・1.4%以上の省燃費性
0w−xx・5w−xx・・・1.1%以上の省燃費性
10w−xx・・・・・・・・0.5%以上の省燃費性
であればILSAC GF−2が認められます。

ディーゼル用

ガソリン車との比較とその問題点は下記の通りです。 ただし、1.は燃料イオウ分が0.05%までに規制されたため腐食摩耗は随分緩和され、 塩基価を維持する事に貢献しています。
2.については1.の対策(低硫黄燃料使用)でもほとんど変わりません。
またNOxについても減少しません。
「スス」はオイルの粘度を増加させ、摩耗やデポジット付着を進行させるため、オイルの耐久性に 深く関わるということで、今後とも研究課題となっています。
また、3.はベースオイルの高性能化と無灰酸化防止剤の使用で更によい製品が出回ることと 思われます。

おおよその目安:
API分類  腐食防止性 熱安定性  オイルの消費防止性 清浄分散性 酸化安定性
CC   ●●●  ●●●           ●●●
CD   ●●●  ●●●           ●●● ●●●
CE   ●●●  ●●● ●        ●●● ●●●
CF   ●●●    ●●● ●        ●●● ●●●
CF−4※1 ●●●   ●●●● ●●       ●●● ●●●●
CG−4※2 ●●●   ●●●● ●●       ●●●● ●●●●
CH−4 ●●●● ●●●● ●●● ●●●● ●●●●●
CI−4※3 ●●●● ●●●●● ●●● ●●●●● ●●●●●●

CH−4の改善点:1998年制定(CG−4に対して)

CI−4の改善点:2002年制定(CH−4に対して)


※1,日本車・欧州車用。高速、高出力4サイクルディーゼルエンジンに最適。
ピストンデポジット、オイル消費を抑え、酸化安定性、 ススの分散性、耐摩耗性に優れています。
日本の規格(JASO規格2000年)の「DH−1」と同等。
なお、グローバルDHD−1(自己認証2001年)規格はDH−1とCH−4とE5との共通性を図ったもの。

 ※2,1995年以降の米国車エンジン向け。NOxなどを低減させる低公害軽油(プレミアム、低イオウ軽油)に対応。高潤滑性 能があります。 米国4サイクル高速機関のバス・トラック向けですから、日本車には使用しないようメーカーも指示。
CFも併記されてあれば使用はOK。

※3EGR付きエンジンなどでの耐磨耗性などが含まれる。

ディーゼル専用オイルのDL-1/DH-2/C3規格の基準

オイル規格
使用車種など
硫酸灰分mass% リン分mass% 塩素ppm
使用する軽油
高温高せん断粘度
DH−1
通常の粘度グレードの省燃費エンジン ----
※2.0%以下
--
--
0.05%以上の
硫黄含有軽油
でも使用可能

上限値3.5まで
DL−1 乗用車、小型トラック
DPFや触媒などの装着車用
0.6%以下 0.10%以下 150 0.005%以下の低硫黄軽油
2.9以上
DH−2
中型/大型トラック
DPFや触媒などの装着車用
1.0%±0.1
0.12%以下
150
0.005%以下の低硫黄軽油 2.9〜3.5以上
15w-40は3.7以上
C3
通常の粘度グレードの省燃費エンジン 0.8%以下
0.07〜0.09%
--
---
3.5以上

www.jalos.or.jp/onfile/pdf/DH_J1406.pdfに 詳しい資料があります。

ACEAの規格内容

1996年1月、「CCMC」にヨーロッパフォードとオペルが加わりACEAとなりました。

 ACEA−A5、B5、E5について(工事中)
2002年2月に制定されたヨーロッパのオイル規格で当然ながら最低クリアーしなくてはならない基準値があり、
それによって「規格の格付け」がされています。アメリカのAPI規格のSLより、後になる規格ということもあって
SLより基準値が高い試験項目になっている面があります。
2002年の規格では現在のところガソリン用ではA1・A2・A3とA5の4種類
軽負荷ディーゼル用ではB1・B2・B3・B4とB5の5種類
高負荷ディーゼル用ではE2・E3・E4とE5の4種類となっています。

 規格は3種類で分類は下記の通りです。
なお規格の試験内容は試験年度によって追加項目や更に厳しい基準値が入ってくることがあります。
通常は記載されてないこともありますが
例えば「ACEA A1-02」とあれば2002年試験内容となり
「ACEA A3-96」であれば1996年度の試験内容と言うことになります。
当然「ACEA A3-02」もありますが、こちらはA5と比較しますと「省燃費性」が規格には入っていません。
なお試験内容は上記APIとほぼ似た内容に合わせているようです。

A5の特徴は、油温150度CでのHT/HS(High Temperature & High Shear  rate)で
フリクションが低く、かつ低粘度のタイプ(最低2.9mPa.s−最高3.5mPa.s)でテストに合格するタイプになり
長期間耐久性が要求されるばかりでなく、15w-40と比較して2.5%以上も省燃費設計となっています。
ですからこのタイプは100%合成油がほとんどと言えそうです。
 
ACEA分類  分類 内容
A規格=ガソリンエンジン油 A1 低粘度化・省燃費性を要求した設計

A2 一般車向けに設計され、オイル交換も今までどおりの耐久性

A3 新型エンジンに対応・ロングドレイン(耐久性がいい)化に設計

A4
将来のダイレクトインジェクション用規格

A5 2002年度規格、耐久性と省燃費性が加わる
B規格=
軽負荷乗用車用ディーゼルエンジン油
B1 低粘度化・省燃費性を要求した設計

B2 一般車向けに設計され、オイル交換も今までどおりの耐久性

B3 新型エンジンに対応・ロングドレイン(耐久性がいい)化に設計

B4 直噴ディーゼルエンジンに対応した設計

B5 2002年度規格、耐久性と省燃費性が加わる
C規格=
排ガス対策装置装着車用
ACEA2012のもの
C1
低摩擦、低粘度の低リン低灰型省燃費エンジン油 
(リン:0.05 mass%以下、硫黄0.2以下、硫酸灰分:0.5 mass%以下)

C2
低摩擦、低粘度の省燃費エンジン油 
(リン:0.09 mass%以下、硫黄0.3以下、硫酸灰分:0.8 mass%以下)

C3
通常の粘度グレードの省燃費エンジン油 
(リン:0.07〜0.09 mass%、硫黄0.3以下、硫酸灰分:0.8 mass%以下)

C4
通常の粘度グレードの低リン低灰型省燃費エンジン油 
(リン:0.09 mass%以下、硫黄:0.2以下、硫酸灰分:0.5 mass%以下)
E規格
高負荷自動車ディーゼルエンジン油
E2
E3
E4
E5
E6
E7
E9
大型トラック・バス用
E4 欧州排ガス規制(Euro1〜Euro5)対応ディーゼル車用エンジン油(DPF装着車などは除く)
E6 欧州排ガス規制(Euro1〜Euro5)対応ディーゼル車用エンジン油(DPF装着車などを含む)
E7 欧州排ガス規制(Euro1〜Euro5)対応ディーゼル車用シリンダ摩耗対策エンジン油(DPF装着車などを除く)
E9 欧州排ガス規制(Euro1〜Euro5)対応ディーゼル車用シリンダ摩耗対策エンジン油(DPF装着車などを含む)

ギアに使うオイル

ギアオイルのサービス分類 油種 適油 使用箇所
GL-3 イオウ、塩素、リンの化合物または鉛、亜鉛の化合物のような極圧剤を加えた鉱物、合成油 少し極圧がかかる程度のギア トランスミッション、ステアリングギア、FF車のフロントデフ
GL-4 同上 ハイポイドギアやきわめて過酷な条件下の他のギアに用います。高速低トルク、低速高トルクに耐えます。 ディファレンスギア、トランスミッション、ステアリングギア
GL-5 同上 GL-4より過酷な条件下のハイポイドギアに用います。高速、高速低トルク、低速高トルク、高速衝撃荷重に耐えます。 ディファレンスギア、LSD
GL-6 同上 特にオフセットの大きいハイポイドギアに用います。高速高荷重に耐えます。 大型車両のデフ

※,ギアオイルもマルチタイプが主流で75W−90、80W−90、85W−90、 75W−140、80W−140、などがあります。ほとんどがGL-5になって ます。 使う場所を考えて選べばいいのですが、どちらかというと粘度のみで決めていいと 思います。 ミッションは柔らかめ、デフは固めが使用されてます。ただ、LSDは指定されたものがありますので、注意。
 

ベースオイルの分類

添加剤の入っていない、ベースとなる基油の分類はアメリカ石油協会のエンジン油の基油分類に
記されているように下記のようになり(注:「グループU+」は入っていない)、
グループTからグループVまでがいわゆる「鉱物油」と言われる石油系基油になります。
特にグループVはVHVIと呼ばれ、合成油であるグループW(PAO)とほとんど変わらない粘度指数性能を持ちます。
UとVの違いは芳香族化合物と硫黄や窒素を含む極性化合物の含有と飽和炭素の平均構造の差だけで考えられます。
省燃費ガソリンエンジン油の規格のGF−3規格では蒸発性(NOACK)が
今までのGF−2の22%から15%へ引き下げられた事で
粘度指数は5w−30で115以上の粘度指数が必要になり
粘度指数115前後の水素化分解基油のグループU+と言うような基油が使用されている傾向にあります。
なお、合成油は潤滑油全体の1%程度の世界需要、製造能力しかなく、コストが高いということで
高級オイルに絞られて使用される傾向があります。

なお0w−20のオイルはグループVかPAOでなければ製造が出来ません。
VHVIを含め元々高い粘度指数を持つ天然ガスの液化プロセスで生じる合成ワックス(〜180)を原料とするGTL基油
(これはグループVに入れられるのだが熱安定性ではエステルにやや及ばずですが、
PAOよりも高い145ぐらいの粘度指数を持つ)のように
事実上ほぼ合成油と見なして良いように考えられます。
なおGTL基油は製品としては0w−30などは「基油単独では」難しと思いますが
添加剤が入りますので可能となるでしょう。
 

自動車用エンジンの基油分類
分類 硫黄分、wt%
飽和分、wt% 粘度指数(VI)
グループT >0.03 (よりも多い) 或いは、加えて <90 (よりも少ない) 80〜120
グループU ≦0.03 (以下) 更に ≧90 (以上) 80〜120
(参考:グループU+) ≦0.03 (以下) 更に ≧90 (以上) (参考値115前後)
グループV ≦0.03 (以下) 更に ≧90 (以上) ≧120(以上)
グループW(=ポリアルファオレフィン・PAO) (参考値120以上)
グループX(上記以外の基油=エステルなど)



(参考文献:トライボロジーハンドブック/社:日本トライボロジー学会編/養賢堂/2001)
 
 
 


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