SM/GF−4規格

2004年には店頭に並ぶと思われました新規格のSM/GF−4は、
どうやら2004年11月からとなり、製品としては12月かあるいは2005年はじめ、あるいは在庫の問題もからみ
2005年4月頃には各社の製品がすべて並ぶと考えられます。

2月頃に規格の骨格が定まったかと思われたのですが
どうも延び延びになってしまい
規格の基準となるテスト項目の数値の設定や、リン含有量の低減値、GF−4の耐久性に関して
合意がなされました。
規格自体が異なる機構によるため
GF−4は7月にSMは11月となるのですが、ディーゼルでもCI・CHと新規格として
今後店頭に置かれる日も間近と思われます。

正式なテスト項目などの比較データはまだ手元にはありませんが、入り次第下記へ追記してゆきたいと思います。

SM/GF−4規格

GF−5についてはJALOSのページか
規格詳細はこちらの(株)潤滑通信社のHPが良いでしょう。

2001年7月1日に新規格のSL/GF−3が導入されましたが、
今回のSM/GF−4との大きな違いは環境問題からの観点が大きく取り扱われています。

GF−4の規格はAPI規格のSMに合格し、省燃費試験に合格したオイルですが
オイルの粘度は従来通りの0w−XX、5w−XX、10w−XXとなる。
 

  • 更なる省燃費性
  • 触媒被毒の軽減
  • 高温酸化安定性に対する要求=耐摩耗性の向上と交換期間の延長

  • ○新しい酸化安定性試験が導入(Seq.IIIG)
     高温酸化安定性の向上と耐摩耗性の向上が計られ、
     GF−3(Seq.IIIF)の約2倍の酸化安定性となる。

    ○触媒適合性や硫黄含有量の上限値が規定された
     リンで0.06%から0.08%。
     硫黄分では0.5%の上限値が設定される。

    ○高温デポジット抑制性能が向上

    ○GF−3より2−3%の省燃費性の向上
      (燃費率としては0.2−0.3%更に良くなる)

    新旧エンジン試験の比較

    評価項目 1989年〜1994年 〜1997年 2001年6月30日 2001年7月1日から 2004年11月30日から 2010年秋頃からの予定
    APIグレード SG SH SJ SL SM SN
    ILSACグレード GF−1 GF−2 GF−3 GFー4 GFー5
    認証方法 自己認証 EOLCS
    エンジン試験
    防錆性 Seq.IID Ball Rust Test
    (ラボ試験)
    高温清浄性 Seq.III Seq.IIIF Seq.IIIG(性能向上)
    高温酸化安定性 Seq.IIIE Seq.IIIF(無鉛化) Seq.IIIG(性能向上)
    高温動弁摩耗 Seq.IIIE 1Seq.IIIF、Seq.VE
    あるいはP≧0.08wt%
    Seq.IIIG(性能向上)
    触媒被毒防止性
    (P=リン)
    ≦0.12%P ≦0.10%P ≦0.10%P 0.06−0.08%P
    同上(S=硫黄) ≦0.5%S
    (中)低温動弁摩耗 Seq.VE Seq.VIA
    (KA24Eエンジン)
    ←やや向上
    (中)低温清浄性 Seq.VIE Seq.VG
    軸受腐蝕 CRC L−38 Seq.VIIF
    Ball Rust Test
    Seq.VIII← Seq.VIII
    高温清浄性 Cat.1H2 TEOST 2TEOST MHT−4
    (ラボ試験)
    TEOST MHT−4
    高温デポジット性能向上
    TEOST MHT−4
    TEOST 33
    省燃費性(ILSACのみ) Seq.VI Seq.VI Seq.VIA Seq.VIB Seq.VIB※3
    初期燃費と持続性燃費
    の向上率は2−3%
    Sequence VID
    ポイント 自己申告が
    登録制になる
    ILSAC規格の導入
    高温での安定性の向上
    オイル蒸発損失の改善
    高温泡立ち防止性
    省燃費性向上
    触媒被毒対策
    高温での安定性の向上
    オイル蒸発損失の改善
    省燃費性向上
    触媒被毒対策強化
    高温酸化安定性の向上
    省燃費性の大幅な向上
    触媒被毒対策強化
    省燃費性能とその持続性の向上
    エンジン保護性能の向上
    触媒被毒対策強化
    1IIIF試験機はカムの材質上、摩耗が起こりづらいため、IIIFによる摩耗評価は実質上、形式的な評価になる。
     次世代試験のIIIGが完成するまでは、”VE試験”もしくは”オイル中のP含有量(摩耗防止剤のZDTP由来分として)を
     0.08wt%以上”とすることで摩耗評価と代替する。
    2Thermo−Oxidation Engine Oil Test、Middle and High Temperature
    3ころがり動弁系エンジンでの試験のため、日本でまだ多く使用されている「すべり動弁系エンジン」との相関性が薄い。
      なお、すべり動弁系エンジン試験はM111(欧州自工会規定の試験)でのFM剤が省燃費との相関性を持っている。

    GF−3とGF−4の比較(Seq.VIB)
     
    GF−3 GF−4
    Visグレード Phase I
    新油の燃費
    Phase II
    使用油の燃費
    Phase I+II Phase I
    新油の燃費
    Phase II
    使用油の燃費
    0or5W−20 2.0%※4 1.7% - 2.3% 2.0%
    0or5W−30 1.6% 1.3% 3.0% 1.8% 1.5%
    10w−30 0.9% 0.6% 1.6% 1.1% 0.8%
    4最低線の向上値ですから、Phase I+IIの数値が増えています。

      <資料 BP:API SM ILSAC GF−4の開発背景より>

    新旧ベンチ試験の比較

     
    規格 API SJ SL SM
    ILSAC GF−2 −−− −−− GF−3 −−− −−− GF−4
    粘度 0w−XX
    5w−XX
    10w−XX
    0w−20
    5w−20、30
    10w−30
    その他の
    SAE粘度
    グレード
    0w−XX
    5w−XX
    10w−XX
    0w−20
    5w−20、30
    10w−30
    その他の
    SAE粘度
    グレード
    0or5W
    −20
    0or5W
    −30
    10w−30
    ベンチ
    試験
    防錆性 Seq.IID Ball Rust 
    Test
    蒸発性
    (下記どちらか一方)
     ・NOACK法(%) 22以下 20以下 15以下 15以下
     ・ガスクロ法(%)※1 17以下 15以下 10以下
    防腐食性能 Seq.VIII
    ろ過性
    泡立ち性
     ・Seq.I&II&III
     ・High Temp Foarming 200/50以下 100/0以下
    触媒被毒(P含有量%) 0.1以下 −−− 0.1以下 −−− 0.08-0.06
    触媒被毒(S含有量%) 規制無し 0.5
    均質性と混和性
    せん断安定性 CRC L−38 Seq.VIII
    高温清浄性(デポジット) TEOST TEOST 
    MHT−4
    TEOST 
    MHT−4※2
    低温ゲル化 −−− −−−
    粘度特性 SAE J300 SAE J300
    引火点(度C)
    (どちらか一方)
    200以上
    (COC)
    185以上
    (PMCC)
    −−− 200以上
    (COC)
    185以上
    (PMCC)
    −−−
    1SJではASTM D2887かD5480で測定、SLではASTM D6417で測定

    今までのSL/GF−3と比較しますと、
    SM/GF−4グレードはオイルの酸化安定性という意味合いではかなり基準値が上がっています。
    リン低減とイオウ分の基準が出来た事も評価に値するかもしれません。
    燃費向上率においても、
    比較では2%−3%の改善がなされたわけですが
    基準オイルからの改善率は0.2%−0.3%程度で、
    こちらはそれほど大きく改善出来ないことがわかります。
    また残念ながら
    試験方法も大幅に変化しておりません。

    何が変わってきたかといいますと
    今まで以上に「低質のベースオイルや低質な添加剤が使用できなくなった」
    という意味合いが強く出ています。
    ユーザー側として考えるときは、
    その結果として、品質的に安心感が強まりますので
    「0W−XX」の低粘度オイルを指定している車種のユーザーにも
    そういった低粘度オイルが使用されてくるようになり、
    反面オイル代が高くなるという事と、
    「どの銘柄のオイルもあまり差が無くなってしまった」という事にもなります。

    今までオイルにこだわりを持つ人には
    通常の100%合成油でもすんなりクリアーできてしまうレベルですので
    そういったオイルを使用されている方にはあまり恩恵は少ない規格変更とも言えそうです。
    また、そういうメーカーは
    規格無しの「無印良品」の製品を販売するかもしれません。

    工事中
     

    2温度は280度Cで24時間加熱試験し、デポジットの量は2割以上削減。
     


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