エアコンのガス(冷媒)について

(HC系冷媒について)


(写真は上左がエアークーリング。上右はR−12用新商品「Gecool:ジークール」
 


上記は2005年5月から「ジークール2(仮称)」で販売する予定でしたが
缶のサイズが規格外の為取りやめになりました。
なお134aタイプのカーエアコン専用品口ですが
写真でも判るとおりロング缶(175g)入りで、サイズが大きくなっています。
通常の約2缶分に当たる量となります。
使用方法等はこちらのジークール2と全く同様品になり、
HCガス170g以外に同時に5gのオイル成分を入れております。
(上記製品は「シルマックス」で2007年7月に入荷しております)

2001年6月15日に成立したいわゆる(フロン回収破壊法)が業務用冷凍空調器では2002年4月1日から、
また自動車用エアコンではこの2002年10月1日より施行されています。

 モントリオール議定書締約内容からも規制スケジュールから特定フロン(CFC5種)は日本では既に全廃、
ハロン、その他のCFC、四塩化炭素、1.1.1・トリクロロエタンも既に全廃されています。
今使用されている古いカーエアコンに入っているR12(CFC)は既に生産はされていませんが
冷蔵庫などではHCHC(R−22)が2002年より「消費規制」がかかって来ており、
現在はHFC-134aが代替フロンとなっています。
しかし、京都議定書でその134aも2004年から削減開始となってきており、
「ノンフロン冷蔵庫」が販売されている通り、HC系(炭化水素=イソブタン、ブタン、プロパン、シクロプロパンなど)へ
移行するのは確実と思われます。(詳しくは環境省のHPでどうぞ。)
カタログで見た冷蔵庫はR−600a(イソブタン)でしたが、安全基準に適合していると記載されていました。
エネルギー効率的には現状のフロン冷媒と同程度、あるいはそれ以上になるはずですが、
可燃性克服の為の「特別仕様ガス」と言うこともありまして、効率低下も考えられます。
ただし、最高でも15%低下までのようです。

実際、漏れがあって、空気との混合比が可燃範囲であり、発火点が500度C以上ですから
そういう火種があってそれら条件が全部適合して初めて発火するので、
冷蔵庫のガスが全部抜けてもその部屋の大きさから考えれば、微々たる量ですから混合比はリーン(薄す)過ぎて
通常考えてしまうプロパンガス爆発のような火災は起こりえないと考えられます。
 まあ、自動車でもHCガス漏れよりガソリン漏れやオイル漏れなど他の発火原因の方が怖いと思います。
で、HC系は自動車のカーエアコン用ガスとしてもノンフロンガスとして既に海外では販売使用されていますので
今後、日本でもHC系の冷媒がノンフロンガスとして充填されるようになると思われます。

今回(2005年2月)のリサイクル法では新車時の状態で判断されるため
新車でのノンフロンガス登録が必要となります。
是非とも自動車メーカーに「ノンフロン冷媒」を新車に入れられるよう頑張って頂きたいものです。
 

エアコンのガスの種類と熱力学的特性・環境影響度
 
分類 冷媒名称 大気中の推定寿命(年) オゾン層破壊係数
(ODP)
地球温暖化係数
GWP=100年値
(20年値)
備考
自然冷媒 HC 商品名:エアークーリング※1
(R−290、600,600a他)
極めて短い
数週間〜数ヶ月
0(3以下)
HC系 R−290(プロパン) 短い 3(-)
RC270(シクロプロパン)
R−600a(イソブタン) 短い 3(-)
R−600(ブタン)
NH 14 <1(-)
化学冷媒 CFC R−11 50 1.0(これが基準) 4000(-) 特定フロン
1995年全廃
R−12 102 0.9 8500(7900) 同上
HCFC R−123 1.4 0.020 93(-) 指定フロン
2002年全廃
R−22 13.3 0.055 1700(-) 同上
HFC R−134a 14 1300(3300) 代替フロン
2004年削減開始
R−407
(HFC-32、125d、134a混合)
1610(-) 代替フロン
R410A
(HFC-32、125混合)
1890(-)
沸点
(度C)
発火点
(度C)
蒸気圧
(55度Cでのbar)
蒸気圧
(−25度Cでのbar)
圧力比
(55/-25)
エンタルピー差
(KJ/Kg)
冷媒流量
(Q=100W)
(1/h)
R600a
(イソブタン)
−11.7 460  7.8  0.59 13.2 269.6  988
R600
(ブタン)
− 0.5  5.6  0.36 15.6 306 1412
R290
(プロパン)
−42.1 460 19.1  2.0  9.55 290  346
RC270
(シクロプロパン)
−32.8 15  1.4 10.7
R12(CFC) −29.8 13.7  1.24 11.1 120.9  495
R134a(HFC) −26.2 14.8  1.06 13.9 153  540
エアークーリング※1
(イソブタン・ブタン・プロパン・他)
−30.68 550 参考値:
7.863(35度C)
5.073(25度C)

何でも化学物質はそういった傾向があるのですが、134aの人体への影響は実際は有害と言うことが判っており、
吸い込みますと呼吸器系に知覚麻痺を引き起こすことが明らかになっていまして、気分が悪くなったりします。
また、酸と毒性物質となる可能性は既に指摘されておりますが、
HCFC、HFC類は分解するとトリフルオル酢酸となりますが、こういった物質の蓄積の影響はまだ明らかになっていないなど
有害性は否定できなくなっています。
まあ、エンジンオイル自体発癌物質ですから・・・。

コンプレッサーオイルとのなじみ性

HC(炭化水素)系の冷媒はそれ自体が通常のコンプレッサーオイルと同じHC系ですから
特に化学合成油でなくても良くなじみますので、ことさら問題とはなりません。
また、各種添加剤とも相性は悪くないと思われます。
全量交換の際、コンプレッサーオイルもわずかに抜けることになりますが
補充必要量としては20cc−30cc程度となります。

この場合、もっとも良い方法としては
添加剤としての「GRP−TO」を補充用オイルとして使用されますと
気密性保持や摺動摩擦熱の低減に有効と思え
コンプレッサーの音量低下にもなり、寿命を延長させるのでお勧めいたします。
小分けに関しては下記エアークーリング注文時にメールにてお問い合わせください。

充填方法

基本的な冷凍機としての技術は共通しているので、ことさら交換する部品もなく、ガスの交換だけで使用できます。
通常のR−12用のサービス缶のねじ系ですから、R−12の代替ノンフロンガスとして利用できるようになっています。
もちろん、ゴムに対する攻撃性は134aのようにはありませんから、
134aタイプのガスの代替用としても逆に有利となり、圧縮圧がR−12並あるいはそれ以下で可能になる分、
低圧で冷却性が向上することになり、コンプレッサーによる負荷が軽減されますので、
省燃費にもつながると思われます。

なお、充填量はR−12で重量比で係数は0.3となりますので
R−12が600g入っている場合は600g*0.3=180gで
HCガスの重量は軽く、1缶100gですから、2本ぐらいで良いことになります。

134aの場合は、もう少し多くなり、係数は0.4あたりの方が良いでしょう。
同様に134aが600g入っている場合は600g*0.4=240gとなり、2.5本程度です。

あまりに入れ過ぎますと逆に冷却効率を悪くします。
車種によってはこの係数にプラスマイナス50gの幅がある場合がありますので
基本的には高圧側と低圧側の圧力状態や冷えの状態で見られた方がいいかもしれません。
圧力としては元の高圧側で80%程度になるように思われます。

利用すると効果的な車両

例えば、R−12のエアコン機器に134aのガスを使用している場合、冷えが多少悪いと思われますので
HC系のガスを使用すると、R−12並に戻り効きが良くなる事が考えられます。
また、本来は、修理で行なわなければならない事なのですが、エアコンが多少発熱するようになっていますと
通常のガス量でも、発熱によってガス圧が上がるため安全装置が働いてエアコンのクラッチをOFFしてしまう現象が
起こる事があります。
そういった場合、ガス圧が低いHC系の冷媒はガス量も少なくて済みますので、通常の冷えを期待できると思われます。

なお、100%HC系に変換しますと、当然フロンではないので廃車時にフロン回収の必要はなく、「フロン回収券」を
購入する必要もないことになります。
(メーカーの方が環境省、通商産業に電話で確認したところ、
車の廃棄時に、フロンが入っていなけれフロン券は必要ないそうです。)

ただし、途中交換の際はフロン回収は必要で、大気へ放出させますと現行の法律では
「1年以下懲役又は50万円以下の罰金刑」となります。
ですから、基本的には回収できる業者で交換することになります。
この際にもフロン券が必要かどうかですが、
フロンを回収している業者が無償で引き取るかどうかは別として廃棄時でなければ、
フロン券は必要ありません。


私も2004年11月に電話して
リサイクル法になってもこの方針は引き継がれるだろう事を確認したのですが・・・。
(フロン券で処理される2005年1月末日までの事となってしまいました。)

リサイクル法になって、この話が勝手に変わってしまいました。

リサイクル法でのフロン処理料金は最初の登録状態で加算されており
1.エアコンが故障してエアコン自体が取り外されていて無い状態でも、
2.冷媒ガスが入っていてもいなくても、
  一律に加算するとの一方的法律になり、
3.如何なる理由があっても払い戻しはしない。
  かつ
4.途中で取付けた場合は、確認して料金を加算する。

と説明を受けました。(2004/12/22、環境省のY氏対応)

陸運局の検査官も(現在は書類確認をする係員と検査官は別になっていますが)
車検では書類の確認作業だけしか関知しないので、
理解は出来るが
エアコンが付いていれば例え新車時エアコン装着の登録で無くても
フロン処理等金額を前払いしていなければ車検を通せないと言うことでした。

HCガス利用のメリットが1つ減らされたわけで、
せっかくこの目的でも購入された方には申し訳ない限りです。
ただ、HCガスメーカー側も前回のフロン券では、
半年あまり説得・交渉の後、
フロン券購入不要の承諾を得られたという経緯があり、
今後とも前向きに交渉を続けてゆきたいと考えています。

ガス漏れに対して

HCガスは、フロン系や代替フロン系よりも分子構造が大きいので、
自然にシールから漏れるような現象に対しても漏れ量が少ないと考えられます。
また、規定以上に入れ過ぎなければ、シールにかかる圧力も低くて済みます。
このことから、低圧で冷却され、エアコンのON−OFFが早くなる事も予想され
高圧で漏れるようなシールに対しても、分子構造と圧力から漏れ量が減る可能性が考えられます。
そのようなエアコンでシールの交換が困難なタイプの冷却部位には
漏れ止め剤のように配管の閉塞を危惧せずとも試せるという意味で良いかもしれません。

「漏れても134aのガス充填は安いので・・・」では、環境に良くありませんので
そういうエアコンこそ、こちらを充填されるほうが良いでしょうね。

テスト項目

コンプレッサーの回転数で効きが変わるため
回しているエンジンの回転数を決めてそれぞれの噴出し口温度を測定する事をします。
おおむねアイドリングの800rpm、1500rpm、2000rpmで
約10−20分間様子を見ることとします。
冷えがよく分かるように別々の日を選びますが、晴天の真夏日を選ぶ予定です。
 

使用者のインプレ(旧製品エアークーリング)
 
車名
(型式)
年式・
排気量
交換前
のガス
エアク-リング
使用量g(本)
実施
年月日
高圧・低圧kgf/cm2
(アイドリング時)
噴出し口温度
(吸い込み口温度)
冷え具合・
使用した感想
117クーペ
(PA96)
S54
2000
R−12 300g(3本) H15
5/17
7.5
1.8
12.5度C
(19.7度C)
良い・現状冷えも良好です。継続して様子を見て結果
良好であれば、他人にもすすめたいと考えています。
ローレル
(HC33)
H4
2000
R−12 200g(2本) H15
5/17
11.0
2.0
11.0度C
(27度C)
良い・元の高圧は14.0ほどあったので、3.0下がった
調整温度は目盛りが低めの方が良い。
真夏の炎天下でのテストデーターはこちら
新商品「Gecool:ジークール」のデータ
シャレード
(G11)
S59
1000
R−12 200g(2本) H15
5/20
9.0
2.5
未測定 良い・元が高圧7.0、低圧0.5でガス抜けだったため
抜けが少なくなればうれしい。回すとよく効く。

体感度からの感想としましては、
良好な状態のエアコンの効きから比較しますと、若干弱い気がします。
発熱しやすい状態の調子が悪いエアコンの場合は、
逆にHC自体が低圧で効くの、冷えが良くなるかもしれません。

急速に冷却しにくいため、真夏の炎天下駐車での始動時の急速な冷房には
冷えが悪く感じてしまうかもしれません。
(どちらにせよ最初は窓を開けて走ったほうが早く冷えますよね)

オートエアコンでの空調温度設定の数値も多少低めに設定されたほうが良いかと思えます。
春の肌寒い日にはなぜか温風が出たこともありますので、
元の冷媒との温度や圧力との関係と異なった調整をしてしまうのかもしれません。
しかし他のR−134aのガスを使用しているエアコンでも
調整を最低温度にしておき、しばらくして25度あたりに急に変えますと
オートエアコンの場合には「温風」が出ることがありますから、
このあたりは経験的に変えてゆく必要がありそうです。
 

実際に走行し時間がたちますと、ゆっくりと効いてきますので、多少長い時間運転する向きには、
空調的にマイルドで良い感じがします。
ガンガンと効くエアコンが嫌な方にはかなり朗報かもしれません。
(エキスパンションバルブなどを変えると効きは同じように調整できるはずですが・・・)

また、コンプレッション自体が下がりますので、エンジンの出力の損失が少なくなり、
同じエンジンでエアコンONでの実走行測定しましたところ、最高速度は10km/hほど向上したそうです。
エンジン自体が軽くなったように感じるかもしれません。
燃費にも多少の貢献はあると思われますが、その分走りやすくなるので・・・。

販売価格

旧製品「エアークーリング(Air-Cooling)」と
新商品名「Gecool:ジークール」の販売は1本単位でしております。
 

現在は両方とも販売しておりますがエアークーリングは廃盤予定です。
なおこの商品は今後はHC12aとなり、新商品名「Gecool:ジークール」へ変わります。
在庫状況はメールでお問い合わせください。
なお、両方とも100g缶は値段は同く1851円/1本(消費税8%含む)です。


エアークーリングと比較データはこちらにあります。
(ジークールの業務用データはこちらのHC12aの特性にあります)
もちろん混合は可能です。

1851円/1本(消費税8%含む)/1本で、1ケースは30本入りです。
(量が多い場合は値段をお問い合わせください。)
在庫をご確認下さい。
(左がエアークーリング。右は新商品「Gecool:ジークール」

シルマックスは170g+5gで値段は容量が増えて2571円/1本(消費税8%含む)です。
134a専用口となっています。

通販もしておりますが、この商品のみでのご注文の場合は送料と代引き手数料は必要となります。

通常の全量入れ替え時は最低2本=ガス200gからになります。

エアコンオイル添加用に「GRP−TO」が必要な場合は
30cc分を1440円(消費税8%含む)にて一緒にお届けすることが可能です。
 

なおエアコンへの「GRP−TO」添加量はコンプレッサーオイルの総量の5%で効果があり、
国産の通常のコンプレッサーオイルは100ml−200ml前後ですので
10ml−20ml程度で十分効果が出ます。=これでも多いくらいです。
元のコンプレッサーオイル量が400g以上ある場合などでも25ccあれば十分となります。
こちらも入れすぎないようにご注意ください。
(余ったら、パワステオイルのリザーブタンクへ添加するなど、他にご利用ください)

※現在のエアコンのオイル量は僅かです。
市販のコンプレッサーオイルの補充でオイル量が多くなり過ぎ、
エアコンのトラブルが発生して、「どうしたらいいの?」と
対処方法が多く寄せられています。
現在効きが多少悪くても、問題なく効いているようでしたら、
安易にコンプレッサーオイルは入れないほうが無難です。

「GRP−TO」を添加される場合も基本的には
10ml−15ml程度でじゅうぶんです。
それ以上入れる場合は
コンプレッサーオイルを抜く事をお勧めします。
 

※オイル量などが元もと多く入りすぎている場合など
  そのままGRP−TOを添加し、逆に冷えが悪くなってしまった場合は
  1−2日使用してGRP−TOをじゅうぶん管内に行き渡らせてから、
  エアコンのオイルチェッカーを使用して
  余分なオイルを抜いてください。
  


詳しくは掲示板へ(ご注文などの方法)にあります。

電装店・部品商・整備工場様向けには
下記のような業務用(ガス10kg入り)ボンベも販売しております。
※申し訳ございません。ボンベは完売いたしました。
 

自動車用としてなら100g缶100本分です。
充填量から見ますと
軽自動車なら約50台分
ワゴン車、普通車は800gから1000g使用しますので30台から35台分相当量になります。
観光バスなどで通常10kgも使用するエンジンの場合はHCガスは3kgで十分ですので
ボンベ1本で3台分の量になります。
なお、使用後は134aなどの回収用としてお使い頂けます。


 


なお、この業務用ガスHc12aと「Gecoolジークールのデータは下記に公開しております。

蒸気圧と温度に関する重量等価表
安全データシート(1)
安全データシート(2)
安全データシート(3)
安全データシート(4)


こちらでのテスト車のデータも掲載しています

工事中
 

参考資料:※1ゼン・オウル(株)提供資料集「R−Air Cooling「Gecool」カタログ資料、環境省他資料、
         お問合せtel.066−379−0580


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