添加剤やオイルの保管期限


オイルや添加剤は使わないで長期に保管しておりますと、品質に変化が出てきます。
通常、メーカーからの保証期限は製造から1−2年といったところでしょうが、
この間で、品質変化が出ることはきわめてまれな現象です。

逆にだからこそ保証期間となっているのですが、
困ったことに、ほとんどの製品が生産年月日自体を無記載で流通させていることが多く、
あるいは、企業にしかわからない略号や生産ロット記号などで記載され
いつ作られた製品なのかは、いざ買う段になってじっくり見てもほぼわかりません。

製品の生産年月日がわからない事を理由に
古いロットのオイルや添加剤が販売されているのは
消費者にとってもあまりうれしくないことですが、
生産されてから数年経っていても品質が変わらず、安く買えるなら
(デパートやスーパーの閉店間際のおそうざいのように・・笑)
まあ、いいかなとも思ってしまいます。

ただ、逆にオイルなどで、缶のデザインや容器自体が2−3年前に変わった製品で
明らかにそれ以上に古い物だとわかる商品が店頭に並んでいたりしますと、
ちょっとやそっと安くても二の足を踏んでしまいます。

もし、不安な場合は最新の製品情報をHPなどで調べ、容器(ボトリング形状)がアルミ製なのか、
PP樹脂製なのか、スチール製なのか、
あるいは箱の色やデザインなど調べるといいかと思われます。
メーカーも製品の品質改善もあって2−3年でパッケージを変える事があり
そうでなくともデザイン等を変更することが商品の流通上都合が良いので行っているようです。

また、オイルなどの並行輸入品の場合などは、どこの国で使用されるかで、異なるブレンドがなされていることが
多くありますので、ラベルにて確認することと、
万一の際というか、当たり前のことなのですが
中身を保証してくれるようなお店かどうかなど、ある程度購入前に知る事も大事と思います。

オイルも添加剤でもそうなのですが、
並行輸入品を使用される場合の注意書きとして、保証対象の国から外れているかどうかは
購入前に何らかの方法で確認しておく必要があります。

使用する気候によっても仕様が異なっている場合が多く、製品の中身が実は別製品で
正規品とは異なっていることもよくあります。
トラブルの原因としてよく問い合わせもあります。

食品などでは特にそうなのですが
他国では良くても日本では認可されていない化学物質が製造・使用されていたりする事もあります。
オイルやオイル添加剤なども同じようにある国では使用許可されている成分でも、
別の国では添加してはならない成分だったりと言うことがよくあります。
ところが、薬なら厳しいのでしょうが、残念ながらこういった製品では規制がそこまでされていないのか
流通してしまうわけですね。
ガソリンなどの添加剤成分も国によって規制が違いますし、
オイル添加剤にも規制品目がありますので、注意が必要です。

逆にテフロン系の添加剤などは一部の海外では規制対象のような扱いなので、
パッケージにも「使用していません」と但し書きがあるのに
同じメーカーの製品でも日本向けにはPTFEを全面に出して販売していることもありました。
日本は規制対象外ですからその製品にはPTFEが入っているはずで、
たぶん中身は違うものと考えないといけないのでしょうね。

このあたりは微妙な問題を多く含んでいるようですので・・・。

安く流通される理由は

1.オイルなどの中身は大幅に改良されている事が多いので、現在の時点でグレード的に既に下級品になっている
  添加剤は特にこの差が大きい。(CPUなどでは当たり前になっていますね。)
2.商品の製造年月日が不明のため、もっと前の製造で5年以上のデッドストックの製品となっている可能性が高く
  既に中身の保証が無く、不具合があっても購入先の回答がもらえなかったり、
  販売店でさえもメーカーに返品出来ない商品だったりする事がある。
3.使用出来ても、耐久性などの面で相当劣化しているかもしれない。

などですが、
特に高価で高品質の製品は、せっかく購入するのですから上記の1.が気になりますね。

オイルなどでは劣化としてどのように変化しているかが
缶の上から見ただけではわからず、
封を開けて、直接見ることでしか知る方法がありません。
添加剤とは異なり、エンジンオイルの場合はボトルの密閉・保管状態が良ければ、
高品質の商品の場合は5年以上保管された製品でも現行品と遜色のない性能を発揮する事が
知られていますので、信用出来るお店なら
逆に安いオイルを使おうかと比較される場合は買いかもしれません。

で、保管での不具合かなと思われる現象
外見から見ただけでわかりやすいのは「にごる」ような状態が一番多く、
そういった状態のオイルを、一旦別の透明な容器などに入れて見てみると1日置きますと
缶の底に生成した沈殿物がたまることで、「何か具合が悪い現象が起こったな」と気が付くわけです。
ただし、PTFE配合とか、二硫化モリブデン配合など
「固体潤滑剤」が入っている添加剤などとかでは、当然「沈殿物」が発生するわけですから、
その沈殿物が良い物か悪い物か見分けがつかないのですから
「具合がよい・悪い」自体の判断が普通の方は出来ません。
PTFE添加剤の沈殿例(新品から常時沈殿しています)

「有機系添加剤」になりますと通常は透明ですし、
オイルに入っている添加剤も適量ならわずかに着色されることはあっても濁ることはまずありません。
ですから、この製品で沈殿物が出来る場合は要注意かも知れません。
通常、経年変化して白っぽくなる場合
清浄分散剤系のカルシウムやマグネシウム系の添加剤が溶けているのが
何らかの理由で溶けられなくなり飽和して固体化する事が多く知られ、
缶やボトルの底に沈殿物が付着したりします。

反応によって石けんが油を取り囲むようにミセル化して白濁化(あるいは薄茶系統色)するような
はちみつが固まった状態に似た様相(ゲル化)を示すこともあります。
底に沈殿した成分がボトルを横にすると移動

そこまでひどくなく、色の変化もなく透明で、
単にどろっとした寒天質のようにぶよぶよしている場合もありますが
この場合は、良く振って混ざるのであれば問題なく、
まあ、使用期限範囲内と見て差し支えありません。
ゲル化といえばそういう事なのでしょうが、熱がかかればすぐに液状化し
オイルと同じような状態になります。
使用中に再びゲル化する事もありませんので特に神経質になることもないでしょう。
こういった白い沈殿物が出やすいのは、安い商品ではなくその逆で
大抵は添加剤をふんだんに使用している塩素系添加剤や
添加剤が溶けにくい100%合成油のPAO系の製品に多いとも言えます。
後にも出てきますが新製品でも時々起きています。
特にギアオイルなどは長期保管で100%PAO系の製品に多く出やすくなっており、
(PAOの配合率が高くなるほど添加剤が溶けにくい)
反対に芳香族系の多い鉱物油や部分合成油、エステル配合油などでは
添加剤の溶解率が高い(溶けやすい)わけで、飽和沈殿はしにくい傾向が知られています。
このため、溶解率を高くする目的でエステルをわざわざ入れることもあります。

ほとんどの場合は空気中の水分を取り込んで起こることが多いのですが
反応性が高い成分の添加剤が入っていますと
添加剤内部で自然発生的に反応が進行しますので
飽和沈殿が更に発生しやすくなるようです。

で、この白い沈殿物は、水分と関係している場合は
油温が上がるとある程度はもう一度溶けて薄くなってゆくことも多く、
あまり気にしないで良いといえば良いたぐいの劣化なのですが
購入から1年以内の保証期間なら(あくまでも業者によりますが)
問い合わせられれば交換してくれるのが普通だと思われます。

製造側もそれくらいのサービスはして当たり前と私も思っていますので
気が付いたら全部使わずにとりあえず問い合わせましょう。
通常は初期ロットで起これば、対策されますのでそれ以降で発生しないのが普通。
不具合なら「回収」されるはずですし、
どうもない場合でも、以降のロットではそういった現象が起こらないように
変更されるはずです。
ですからここでも消費者に分かるような「製造年月日」が大切のなるわけです。
 

オイルなどで保管状態が悪くて起こる場合は、湿気の多い箇所に保管した場合や
水分が混入した場合にあるようです。
開封して2年以内までぐらいなら、余程沈殿物が多く発生していない限り
(ペール缶で缶の底が白く見える程度まで、4Lや1L缶なら底にうっすら程度まで)
上澄みはもちろん使用しても問題は無いでしょう。
単に添加剤成分が飽和しただけであれば、この場合も攪拌してオイルに熱をかけますと
澄んでくる場合もありますので、この場合は全く問題ないとわかりますが
それでも元に戻らないオイルや添加剤は使用する上で添加剤同様ちょっと気持ち良くありません。
冷暗所に保管するとして
エンジンオイルでは生産直後に開封した場合で5年間ぐらいまでが使用限度と思われますので
個人でまとめて買われるような場合、
生産されてからユーザーが購入するまでの保管期間として1年から2年ぐらいは
通常に販売されている商品と想定出来ますでしょうから、
2年間目に使用するオイルの量で最後になる分量を購入されることをお勧めします。
また、高級な添加剤でも5年も10年も経つと、添加剤を溶かしていたオイル側も
すっかりだめになってしまって、水飴状にどろりと垂れてくるような場合や
全く分離してしまっているような製品もあり、
中には色の変化も甚だしく
これはさすがに使う気にはなりません。
実際にも使用は避けた方がよいでしょう。

特にギアオイルやポリマー系の添加剤や塩素系添加剤が多いようです。
即効的に効果・反応性がある添加剤の場合や
「エンジンが冷えているとき」に入れるよう書いているなど
反応する油温が低く、それを注意書きに入れている添加剤などは
化学的に安定していない事も考えられますから
長期保管には気を使う必要がある理由の一つと言えます。

安売りオイルや安売り添加剤が出てくるのは、
品質の期限切れ間近の製品を処分する為が理由としてあげられるのですが
新品でも自動車のマイナー、モデルチェンジと同じように
(特に新しい効果的な添加剤が開発されて、新商品に使用される場合などに多いですが)
製品の切り替え時期なのかもしれません。
場合によってはその旧製品が廃盤扱いになることもあります。

このため
今まで高く売られていた製品が急激に安く販売されだしたら注意が必要です。
特価セールのために売られているならともかく
新旧入れ替わってからではメーカーの保証対応が異なるかもしれませんし、
あまりにも古い商品は対象外となる可能性が高いと言えます。

ですから購入先の信用とか、対応がどういう評価かも、わかる範囲で調べておくと
万一の際に生きてくると思われます。信用出来るお店を何処で判断するかは
これも難しいのですが・・・。
話変わって、経年劣化で沈殿などが起こる場合とは異なり、
どういった添加剤を何パーセント以上ベースオイルに入れた時に
飽和状態=沈殿が起こるかなどは
当然ですがメーカーではある程度ラボテストしております。

商品的には有機化合物ですから「生もの」となりますので、
生産後は速やかに賞味(使用)されてこそ意味があるのです。
けれど、実際はなかなか、流通はうまく行かず、
長期保管されてから市場に出回る商品が多いのも事実ですから
(大抵はほとんど性能的には問題ないのですが)
自動車に似て初期ロットに不具合が見つかることもよくあります。
エンジンオイルには様々な添加剤が時代と共に使用されてきましたが、
市販エンジンオイルより先に開発されている「添加剤」はもっと変遷が激しいのも事実です。

アメリカで派手な広告内容で消費者から訴えられ敗訴した添加剤を日本で販売したとしても
日本ではまず提訴自体されないので、ぬくぬくと販売が続いていたという商品もあるようですし
某国でメーカーが店頭調査したら、販売されている自社銘柄オイルの中身が90%も偽物であったという
笑えないデータもあるようです。
品質が使用するまで見えないことからくる弊害的な事柄かも。
新製品の中でも
オイルのボトルの方ではなく、そういった製品の添加剤の場合は、
添加剤含有量がかなり「濃縮」となっていますので、
ちょっとした変化でも飽和白濁状態を起こすことが時々あるようです。

製品が新しいのに内容物に変化が出る場合は
1.保管する環境が劣悪(直射日光=紫外線が当る場所、寒暖の差が大きい、湿気多いなど)
2.塩素・硫黄系など活性度が高い成分を含む
3.ポリマーの配合や溶媒の溶融度が低いオイルを使用している
4.添加剤の配合分量が多すぎる
などの商品に多いようです。
たいていの場合は、
余程ひどく変化していなければ1−2年では問題ないことがほとんどで
上記3や4の事項で改善されるか、
配合する添加剤自体を改良するかで次のロットから変化が起きにくくしています。

また、外気にさらされていますと透明度が無くなってきたり、光が当ったりしますと紫外線などよって、
褐色化したり、同じように沈殿物が出たりしますので、大抵のボトルは遮光タイプとなっていることが
普通です。
 
 

工事中


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