肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ85(その1)

どうしてタイヤは摩耗するか・・正常な摩耗と異常摩耗。

摩擦や摩耗についてを金属摺動部について書いてきていますが、
整備からいろいろ考えてゆきますと、どうしてもタイヤやエンジンマウント、ショックアブソーバーなど、
振動を制御している箇所の状態やその摩耗、損傷が気になってきます。
自動車の全体的なフィーリングの良否が、出力の問題と言うより、音質や振動などで大きく変わってくるからですが、
それらの評価はかなり難しい問題がありますので、
メンテナンス側から見たタイヤの摩耗を考えてみたいと思います。
もちろん、これらの資料はタイヤを製造販売される企業から詳しく提供されていますが、
客観的な資料として重宝しますが、主観的用途からは、迷うような資料でもあります。
なお、詳しくはリンク集にも掲載させて頂いていますかっとびのISDC物語りのHPに詳しく記載されています。

タイヤを使っていると、わかるのですが、
車検などの寿命から言えば、まだまだ使用できるタイヤの摩耗状況(溝がしっかりあり、山もそんなに偏摩耗がない)でも、
どうも、コーナリングなどで、しっくり来ないと言うことがあります。
箇条書きに書ければ良いのですが、それほど詳しくないので、おおざっぱに考えてゆく訳なのですが、
一つは、タイヤのゴムの硬さ、つまり、ゴム自体の柔軟性に依ることが多いことがあります。
新品タイヤはある程度、柔らかであることは周知の事実で、ゴム自体の柔軟剤(=いわゆる添加剤も含みます)が
劣化したり、消耗して、分子の繋がりかたが変化してきますと、柔軟性がなくなり、硬さが表面に現れる事になります。

スタッドレスタイヤは温度が低くてもその柔軟性を保ち、路面との摩擦を保持してくれますので滑りにくいわけですが、
温度が高くなりすぎる路面ではどうも具合が悪くなります。
もちろん、外からの力の向きによって、偏りを持たせた形状となっておりますので、
進行方向に対しては摩擦しやすいが、その方向が横になりますと滑りやすくなります。
この場合は、カーブに弱いタイヤとなります。

燃費を測定する場合、タイヤを替えると言うことだけでも同じ条件になりませんので困ったものです。
しかし、
スタッドレスタイヤと通常の夏タイヤとの燃費を調べてみますと
秋から初冬にかけて外気温が同じ乾燥路面ではほとんど変わらないと言うのが、メーカーさんの回答です。
スタッドレスタイヤは冷間時のゴムの柔軟性を持たせるために、天然ゴムを多く含みますので、
「ころがり抵抗」は、合成ゴムより良好で、燃費が悪くなる原因にはならないようです。
(ただ、制動距離が夏・冬タイヤで異なってきます(下記参照)。

*「ころがり抵抗」とトレッドゴム(タイヤ)の変形から生まれる路面を「グリップする力」は相反する関係で
  ころがり抵抗が小さいと、路面へのグリップ力が低下し燃費は上がるが加速は悪くなる。
    つまり、グリップ力が悪いと言うことはコーナリングもブレーキの効きも悪くなる。
  で、燃費向上率はころがり抵抗が例えば20%改善された場合、以前は約15%改善されると言われてましたが
  現在は他の改良も含めて製品的には約20%ぐらい、つまり20%の20%ですから0.2*0.2=0.04
  =4%が燃費向上することになります。
  現在の「エコタイヤ」の改善率がこのあたりとなっています。
   グリップとは下記に記載しました摩擦の総称ですから、そのうちの1つの「抵抗=いわゆる摩擦」が小さくなれば
  グリップ力の総和は小さくなります。
  ですから、他の要素で改善しなければ、タイヤの性能は向上しません。
  1つの摩擦力を減らして、コーナリングや始動時という特定のグリップ力を良くすることは可能で、
  ブロックパターンやゴムの成分、コンパウンドの配合など
  その他様々な技術で、相反する燃費との関係を改善しようとしています。
  
天然ゴムはウエット性能が悪く、水分が付きますと夏タイヤより滑りやすいということになり、
スリップ事故を起こしやすいタイヤとなってしまいます。
ですから、もし、通常路面で燃費が悪くなったとすると、
(燃料の入れた量の誤差を考えないとして)単純に摩擦が変わったからなどと言う原因だけではなく、
タイヤの空気圧、タイヤの重量、タイヤの外径の差などが大きく影響している可能性もあります。
なお一般的に、雨天には水たまりの水をはねのけて、路面に接地しなければなりませんから、
空気圧が低い状態より、かえって空気圧が高い方が水圧に負けないので
グリップが良くなりスリップしにくくなります。

通常使用する際、スタッドレスは構造上、接地面積が大事ですから、引っかき面を多く取れるように
夏タイヤよりは空気圧を少なくしていることが多いですし、空気圧は接地面との広さに関わってきて、
こちらは摩擦と関係してきます。
また、雪や氷を引っかく為のトレッド溝を深くしたタイヤですから同じサイズの夏タイヤより、直径も大きく作っていますので、
多少なりともタイヤそのものの重量が増えてしまうと思われます。
ですが、接地面でゴムが潰れるように「しなう」為、実際の走行距離としてはほとんど変わらないか
スタッドレスの方が多く走行したようになってしまうこともあるようです。(この場合は燃費が良くなる要因となるでしょう。)
スタッドレスタイヤの方が5-6mm程度の直径の差で大きいようでも、ほぼ同じタイヤとみなして良いそうです。

当然、雨の日にスタッドレスを履いていますと、路面とのわずかなスリップも加わり、
実際の距離より多いメーター表示がされることになります。
で、タクシーなどで、同じ距離を走ってもいつもよりワンメーター多いという問題が、
スタッドレスタイヤが原因であったと言うことを聞いたことがあります。
 

もちろん硬いタイヤは摩耗量も少ないという面があり、耐久性(寿命)としては、良いかもしれないのですが、
「止まる」「走る」「曲がる」といった、摩擦を必要とした場面では、
性能的に落ちるという相反する要求を満たせなくなる可能性を含んでいます。
で、最近のタイヤは磨耗量を少なく抑え、ころがり抵抗を低く抑えた上で、
グリップ性能も向上させようとした製品が多くなってきました。
(なお、タイヤの役割は上記以外に、車体や荷物を「支える」ことと、路面の凹凸などからの
衝撃を「やわらげる」という機能があります。)

タイヤが路面とどのように摩擦してゆくかが、問題になるのですが、
これには、タイヤのトレッドパターン(いわゆる溝の形状)と
トレッドゴム(天然・合成ゴムやカーボンブラック等の薬品配合)の役割が重要となります。
ゴムの摩擦機構としては、
1.凝着摩擦力・・・接触面でのゴムの分子間引力による
2.ヒステリシス摩擦力・・・凸凹面でのゴムの変形によるエネルギーロス
の2つの要素で構成され(注1)、タイヤのスリップ率は下記の式で定義されています。
制動時;s=(V−v)/v(V>v)
駆動時;s=(v−V)/V(v>V)
s:スリップ率
V:車速
v:タイヤの周速度
で、一般的にスリップ率10−30%で最大の制動力と駆動力が出ます。

注1:摩耗を詳しく分けますと下記のようになります。
1.粘着又は凝着摩擦による摩耗(アドヒージョン)
 一般的な制動・駆動・コーナリングの横力を支えて、ゴムの表面が磨耗します。
路面とゴムの粘着摩擦力により、走行による離脱と粘着の繰り返しが行われ、
ゴムにエネルギーロスが発生してゴムの表面が破壊磨耗してゆきます。

2.変形損失摩擦による摩耗(ヒステリシスロス)
 タイヤが1.のように制動・駆動・コーナリングの横力受けていない状態で、自由転動している状態で、
摩擦力が小さく微少で細かな表面磨耗になります。
路面の凹凸でゴムが変形を繰り返し、圧縮・回復されてエネルギーロスが発生し、ゴム表面で微少な
劣化を発生してゆき、ついにゴム表面が破壊磨耗に至ります。

3.掘り起こし摩擦による引っ掻き磨耗
 ハードな走行で急発進・急制動・急なコーナリングを行ったり、粗い路面を走行する際に生じる引っ掻き磨耗を
指します。消しゴムの磨耗はこのランクに相当します。
路面を引っ掻くことによる激しい磨耗でゴムにせん断力がかかり、ゴムの表層から中層に破壊磨耗が生じます。
ゴムの摩擦面がウロコ状に粗く磨耗しますので判ります。

4.衝撃摩擦による磨耗
  路面の粗さ、スピードの速さ、荷重の重さが、それぞれ大きくなるほど、衝撃力は大きくなります。
路面の骨材(コンクリート・アスファルト・金属板など)によって引き起こされた衝撃エネルギーによって
非常に強いせん断力がかかり、ゴムの強度を越えた場合にゴムが破壊磨耗を起こします。

5.切傷による磨耗
 突起など鋭利な路面の骨材でゴムが切れる磨耗形態。
骨材の鋭利な角度とその骨材が飛び出している高さに影響を受けます。

ただ、路面はいつも乾いているわけではありませんし、雨天など水を踏んで回転するため
1.排水するための領域(スクイーズ領域)
2.ゴムと路面が直接接触する領域(接触領域)
3.上記1.と2.の中間の領域(遷移領域)
というように3つのタイヤの領域をモデル化してそれぞれの割合を測定して、タイヤのゴム質やパターンなどを
作っていくことになります。

進行方向に向かって1.3.2という領域順となりますので、接触している面はどちらかといいますとタイヤの後ろ側
ということが雰囲気的に判りますと、摩耗の仕方がどのような状態か判りやすくなります。
ウエットでなくとも駆動時はタイヤの後方あたりが摩耗しやすく、制動時は逆に前方あたりが摩耗しやすくなり
これが、カーブ時には、右回り、左回りで、削れる面が移動しているわけです。
接触領域が広ければ、狭いよりは摩擦するわけで、強制的にこの状態にするのには、
空気圧を抜いてやれば良いことになります。
この場合、ハンドルが重くなったり、燃費が悪くなったりカーブで腰くだけを感じたりします。
雨天などでカーブが切れにくく、滑った感じがするとかの場合は、どちらかというと、トレッドの溝の残量が
不足している事が多いようです。

なお、タイヤの溝が1.6mm以下になりますと、40km/hで走行している場合は、アスファルト路面ではさほど
制動距離が変わらないのですが、60km/hで走行した場合の制動距離は通常22mぐらいで止まるのですが
この場合は2−5m程度長くなり、80m/hともなりますと、10m以上止まらなくなってきます。
約2.0mmあたりが、制動距離が延びてしまう残溝ラインと言えそうです。
当然、濡れた路面では、上記制動距離が増えることは言うまでもありません。
タイヤ販売店としましては3.2mm以下を目安として、早期交換をお勧めしているそうです。
(まだ使えるのに、良く交換を勧められるわけですね)
スリップ率と関連して別の観点から摩耗量についてみてみますと、摩耗量は
1.接地面にかかる水平接線方向の外力が大きいほど増え、(下記F)
2.接地面の滑りの量が大きいほど増大し、(下記S)
3.タイヤの種類によっても差が出る(下記γガンマ、ρロー:密度などを表す時に使用されます)
という関係がありますが、当たり前の表現をすれば、タイヤにとって山岳地のワインディングを攻めた方が
高速道路でのんびり走らせるのと比較して何倍も磨耗しやすいということになります。
こういった関係はシャーラマッハ(Schallamach)の理論式で下記のように表されています。
 A=γρF2/C=γρSF
A:摩耗量
γ:トレッドゴムの磨耗度(タイヤの構造や種類で決まる定数)
ρ:タイヤの反発弾性(タイヤの構造や種類で決まる定数)
F:タイヤの接地面に作用する外力(接地力)
C:タイヤの剛性(縦または横)
S:タイヤの接地面におけるスリップ率

ABSと夏用・冬用タイヤの停止距離関係

夏タイヤでも冬タイヤでも、アスファルト路面で乾燥している場合はABSが付いていない自動車では
同じ距離で止まってくれる事が判ります。
しかし、ウエットな路面ではスタッドレスタイヤはかなり止まりにくく、
この差が大きいと、ブレーキの効き自体が異なるということですから
走行中、雨が降り出したりしますと急なブレーキングで意図しているように止まらなくなってしまいます。
(アイスバーンなど以外のウエット路面では夏用以上にスタッドレスが止まらない)

ABS装着者でも傾向は同じだが、その差が小さく、距離もABS無しと比較すれば短い。
これは最大制動力係数とロック制動力係数(スリップ比が1=タイヤのロック状態の時に制動距離を
輪荷重で除した値)の関係が重要となり、
その自動車の制動をかけるスピードによって最大制動力係数も変わってくるので
タイヤの特性を評価することはむずかしいが、
静止摩擦係数や極低速すべり時のゴムの特性が重要だと言うことが判ってきており、
ゴム(トレッドコンパウンド)の研究改良によるところが大きくなっている。
(ABS付きで改良が進むと、ABS専用タイヤが出てくるかも知れませんね。)


トライボロジストVol.47/No.4/2002より引用

タイヤの構造などについて

タイヤの説明上、各部の名称を知っていた方が便利ですので、下記にコピーしました。
<文献:講談社「タイヤの科学」御堀直嗣著ブルーバックスB930>

二輪のタイヤ(フロントとリアが異なる)

アルミホイールの品質表示:
「JWL」(日本軽合金ホイール)マークや「VIA」(自動車軽合金製ホイール試験協議会)
のマークが刻印されていますが、「JWL」マークは国土交通省(運輸省)の品質基準に合格している事を示すマーク
となり、車検に関係するのは「JWL」の刻印が入っている事が必要になります。「VIA」だけすと車検には通りません。
なお乗用車用は「JWL」で、バン・トラック用は「JWL−T」ですが、
積載量500Kg以下のバン・トラックは乗用車用の「JWL」のアルミホイールでもOKです。

タイヤの品質表示と製造日表示

このあたりの「205−50−HR−16−95−V」等という、品質表示はタイヤメーカーのHPに詳しく記載されているので
そちらで見ていただくとしまして、(ちなみにダンロップは「SRIgroup」
ここでは、そのタイヤがいつ製造されたのかをどのように読むかを記載したいと思います。

タイヤの文字の中で、大きく表示されてはいませんが
例えば:(XYZ4401):などと他の箇所と異なっている部分があるはずです。
通常はタイヤの片側のサイド部のリム側近くにあり、あまり目立ちませんが、1cm*6cmぐらいで
溝になって刻印されています。
ただし、片一方ですから、方向性があるタイヤ(多くは左側のタイヤで裏になってしまっています)や
組み替え時に、裏側にしてはめかえた場合は、外側からは見えないことになります。
最初のアルファベット(場合によって数字も含まれる)は製造された工場など、
メーカーサイドの略号ですから、まあこれは知らなくてもいいことになりますが、
その後(下3桁或いは下4桁だけ)が西暦表示と1週間の数字表示となっているわけです。
数字の表示は1999年までが3桁で例えば「X139」とあればXという工場で13週目、西暦1999年に製造されたタイヤ
となり、下1桁目は西暦の下1桁ということになります。
2000年からはこの西暦表示が下2桁で表されるようになり、上記「4401」ですと
2001年44週目の製造となります。
「Z2210200」とあれば2000年2週目と言うことでいいと思います。

この記載によって、何年の何週目にどこの工場で製造されたタイヤかがわかります。
流通状況によって4本とも微妙に週が違っている場合もあったり、全く同じだったりしますが、
同じ銘柄でしたら、多少の製造日の違いはそれほど神経質にならなくてもいいと思います。
この表示はある程度、国際間でも決まっているようで、どの銘柄のタイヤにもほぼ共通するので便利です。

タイヤのゴムの保管耐久性はもちろん保管状態によって大きく変わりますが、
おおよそ、適正に保管されたタイヤの場合は、未使用で10年と言われておりますが、
これはちょっと現実的な保管とは思えません。
例えば、タイヤを使用せず3年間保管した後、どれくらい劣化しないで使用できるかを見てみますと
通常のタイヤ装着状態での使用耐久性ですと約5年と言ったところですから
まあ、2-3年は使用できると考えて良いと思えます。
このあたりはメーカーさんの資料が無いので経験的にしか判断できないのが残念ですが、
タイヤが日進月歩(実はいっぺんに出すとこまめにモデルチェンジが出来ないので)進化してますので
一旦製造されますと、ゴム自体の性能劣化もありますが、タイヤ自体の性能差も出てきますから
保管期間に関わらず製造後約5年間あたりが一つの目安となるのではないかと思えます。
もちろん、タイヤにひび割れや硬化、変形が無ければ無理に交換することもないでしょうね。

2006年時点でのタイヤ卸業者の話ですが
「製造から3年以上経過して保管しているタイヤは
穴をあけて廃棄処分する」ということです。
確かに、その時点から4年乗れば、保管3年+使用期間4年で、
交換する頃には7年前のタイヤということになり
ヒビ割れなど安全性の面からそれ以上使用されるのは薦められないということでしょう。
また、販売出来ないように穴をあけるのは破棄した製品を再利用されない為と思われます。
これを考えますと、「タイヤも賞味期限付き」という事で
製造年月日の確認は重要となってきました。
荷重指数はそのタイヤが支えられる重さの限界を示しており、
例えば「205−50−HR−16−95−V」等と表示されているうちの「95」に当たります。
95=690kgですが、これが4本あれば2760Kgの重さ=車両総重量の自動車を
「V」=平坦な舗装路で最高速度240Km出すことが可能となります。
加重指数は加重と比例していないので一覧表で調べないと判りませんが
66=300kg、76=400kg、84=500kg、90=600kg
96=710kg、100=800kg、104=900kgなどとなっています。
バンやトラックなどで乗用車用タイヤをはく場合、この指数が重要になってきます。
加重指数に適合していればもちろん車検に通ります。
また速度記号は
Q=160km、S=180Km、H=210Km、V=240Km、Z=240Km以上となっています。

空気圧が減る理由と対策(工事中)

上記タイアの組み付け構造から、空気が漏れやすい箇所がわかります。
空気が漏れる箇所は箇条書きしますと、チューブレスタイやの場合下記のようになります。
1.リム・バルブとホイールの取り付け部から

組み付け時の異物の挟み込みで起こることもあります。
通常はリム穴部のホイール側の腐食やバルブゴムの劣化(硬化)などによって
密閉不良が起きることで漏れが発生します。

症状としては、タイヤに亀裂もなく、釘なども刺さっていないのに
パンクしているかのように空気が抜ける場合になります。
また、タイヤの交換時にバルブを交換しない場合によく発生します。

走行中の振動などによって、硬化したバルブ自体に亀裂が発生し
いわば、リム部に大きな穴が開いたような状態になって、空気が抜け、パンクしてしまいますので
(高速走行中など、抜けると本当に怖いですよ)
空気が早めに減るタイヤがあるなら、特にこの部分も点検する事が大事です。
複合的な原因として、ホイールバランスの不良にも影響を受けます。
ですから、
遠出される際や高速走行する前、あるいはタイヤ交換の際には
一通りのチェックを必ずされる事をお勧めします。
(空気圧、タイヤの溝・傷・亀裂、そしてバルブやバランスなど)

バルブ回りの漏れ点検方法としては、
石けん水などをバルブ回りにかけて、バルブを動かせば、漏れる状態なら
すぐ泡が出ますので、漏れを発見できます。
(細い釘などのパンクの際も、薄めた液体洗剤などをタイヤにかけると泡が発生しますのですぐ判りますよ)
製品不具合の報告もこちらにあります。

また、ゴムの品質で大きく耐久性が変わりますので
走行距離が伸びずに、タイヤ交換も少ない自動車の場合でも
4年以上タイヤ交換しておらず、バルブを倒すように動かして、このゴム部分がかなり固いようでしたら
思い切って交換されると良いでしょう。
タイヤ交換の際は、必ず一緒に交換されることをお勧めします。
1個100円から300円程度です。

上段のゴムタイプが一般的で、アルミホイールなどでは金属製筒にゴムパッキンが付いています。
上段は必ずバルブ全体の交換になり、下段はゴムパッキンだけの交換で対応。

2.リム・バルブのバルブコアから
これは上記写真のバルブキャップを外すと中にねじ込んでいるパーツとなり、いわゆる「ムシゴム」
と言われるものがある部分です。
このバルブコアー(VALVE CORE)は、自転車のタイヤも、エアコンでも、気体の充填用に使用されています。
エアコンの場合は、このバルブコアからの漏れが、ガス不足の原因になることも多く、
中のゴムの材質や形状は使用用途で変わります。
下記に各種バルブコアの写真を載せます。
参考までにエアコン用は高圧・低圧共用でR−12用は下図を見て判るとおりタイヤのタイプとほぼ同じ形状をしています。

3.ホイールのリムとタイヤのビード部の当たり面から
タイヤのビードのゴムが金属のリムに当たって、空気圧がかかることで圧着され、空気の漏れを止めています。
ですから、このどちらの部分にも傷が入ったり、物が挟まったりしますと、空気が漏れやすくなります。
また、漏れを止めるのはリム部のゴムとバルブ穴の関係と全く同じですから
内圧が低いと荷重がかかるタイヤの変形で、リム部に隙間が発生しますので
ある最小の空気圧以下で、一気にパンク状態になります。

通常はこの箇所からの漏れはリムとゴムの接触面の状態が良ければありませんので
ゴムの劣化による亀裂、異物の噛み込み、リムの腐食(錆)
組み付け時の作業不良(ビードに傷を付けたまま組み込んだなど)

上記は、リムからゆっくりと空気漏れしてパンク状態になっていたアルミホイール。
石けん水をつけて場所を特定したが、タイヤを外すとこのメッキホイールは数カ所に錆が出ており
メッキが剥がれて、錆で凹凸状態となっていた。
錆びた箇所のメッキを剥がし、研磨し、塗装を施して組み付けた。

4.インナーライナーから(タイヤのゴムを透過する空気と言うこと、釘を踏んだ場合などの亀裂からも含む)
5.ホイール自体の亀裂・ピンホールから
6.その他
 スペアタイヤは空気を入れることを忘れがちですが、万一の際は空気を入れる事さえ出来ない状況にありますので
 必ずこの空気圧を見るように(補給しておく)習慣付けられると良いです。その際、工具等も確認しておきましょう。

*窒素ガスを充填する効果を過大に広告するケースが多いようですが、まあこれはオイルグレードの違いが判る方が
試されると良いかと思います。

空気圧の単位

仕事柄、空気圧を測ることが多いのですが、
(空気圧はタイヤが冷えた状態で測定するのがもちろん正解ですが・・・)
機器によって3種類の圧力単位が表記されており、併記されていることもあります。
もちろん正確な測定値を期待して使用するのですが、
機器によって、「誤差」がありますので困った事が起こることがあります。

ある空気圧計で2.5の数値に入れた空気が、別の空気圧を見る機器で2.2あたりを指し示した場合、
「どこか漏れているのかな?」と言うことになるからです。
この場合は先の2.5が「bar」(バール)で表示されており、次の2.2は「*100kPa」(キロパスカル)でした。
単位系の間の問題だろうと思っていたのですが、調べてみると
1barは100kPa=105Paに相当しますので、この関係は単位の換算での誤差ではなく
完全に「機器の計測表示の間違い」となるわけです。
(両方とも新品ですが・・・一体どちらが正しいかわからずショックです。)

ただ、1barを1気圧(atm)=760mHg=0.1013MPa=1.033atとしているのだろうと
考えれば2.5/1.033=2.42で、これをPaに換算すると2.42*0.098=0.237MPaとなり
まあ大体似てくるのですが、表示のbarに対して無理があります。
なお標準大気圧は1気圧(atm)=760mHg=0.1013MPa=1.033atに相当し、
工学気圧のatでは1at=1kgf/cm2=0.098MPa。これの関係も紛らわしいですね。
「そして、もう一つの単位kgf(キログラムジュウ、「f」は重力加速度9.80665m/s2)という重力単位があり、
この間の関係は下記のようになります。」
と書いたのですが、これが誤りであることをご指摘いただけました。
「S」さんありがとうございます。
で、話はこれで終わらず、
また更にこのことに関して「けい」さんから間違いの御指摘を頂きました。
この辺りになってきますと私自身が正確な判断をできず、
また皆さんのご意見をお待ちいたしております。
「まず、kgfキログラムジュウとは読みません。「キログラムエフ」もしくは「キログラムフォース」でしょう。 
これをワタシが学校で教わったときは、kgfはちからの単位、kgwは質量の単位で、
このkgwを「キログラムジュウ」もしくは「キログラムウェイス」と読むということでした。
また「f」は重力加速度を意味するものでもなく、これはちからの単位だよという宣言文のようなものと解釈すべきと思われます。
つまり質量1kg(または1kgw)の物体に地球の表面で働くちからが1kgfだというわけです。
純粋にちからの単位ですから、1kgfのちからは月の上ではいくつになるか?そう1kgfのままです。
月へ行って変わるのは、1kgwの質量にかかる重力が変わるだけです。
1kgwの分銅にかかる重力は、地表では1kgfですが月の上では0.16kgfかそこらになる訳です。

このような重力単位系系は異なるディメンション(元)の秤量に似た単位kgf、kgwを使うので、混乱を招き易いこともあり、
質量単位系を含むSI単位系への移行が計量法により実施されました。
過去形で書くのは1999年の9月30日が移行猶予期限だったからです。この後日本国内は取引証明には非SI単位は使用できなくなります。
(法律ですから当然罰則がありまして、5万円以下の罰金刑だったかな。:-)

真空度の表示も圧力空気の表示も大気圧もみんなPaと組立単位でやりますから、mmHgやkgf/cm2は使えないのですからね。
1rad/sで回るロボットアームが、半回転して向きを変えるのに何秒かかるかすぐ言える人にお目にかかりたいもんです。
小中高学校ではついぞ重力単位系を習ったことがなかったのですが、
(質量単位系:ちからはニュートンてことですね) 大学で機械科の連中と話したらkgfとか訳分からんこというのでショックでした。 
もちろん機会学会も十年以上前に質量単位系に移行しましたので、kgfなどと書いた論文は一切通らない訳です。
本田宗一郎氏も会長時代質量単位系が理解できず、河島社長をいらいらさせたとか、聞きますし21世紀もまだまだ重力単位系を使う人は使うんでしょうね。」
 

で、門外漢の私はこのご指摘を正しいか正しくないか判断できず、
正確なものと思っていましたら、このページを読まれた「けい」さんから下記のように
最初の記述が正しいような内容をいただきました。
こちらは下記のようにいただいております。
 
「力の単位である、kgw(kilogram weight)とkg重(kgwの日本語訳)とkgf(kilogram force)は同じものです!
従って、kgfをキログラムジュウと呼んでも良いと思います。

そもそも、重さ(=重力)は力の一種で、重力加速度9.80665m/s^2の地点における
質量1kgの重さが1kgw(=1kgf)と定義されています。

 1kgw = 1kg * 9.80665m/s^2

kgwはニュアンス的に重さの単位という印象が強いので、一般的な力の
単位にはkgfの方が好ましいとする考え方もありますが、kgfと表記しても
重さが基準となっていることには代わりはないので、力の単位としてkgwと
kgfを使い分ける必要はないと思います。

kgwおよびkgfは、その定義に重力加速度という定数を必要とするので、
単位として好ましくありません。しかも、重力加速度は、場所や時間帯に
よって変化するので、定数としてふさわしくありません。9.80665m/s^2と
いう値は、便宜的に決められたものです。

SI単位系では、力の単位としてkgwおよびkgfの代わりにN(newton)を用います。

 1N = 1kg * 1m/s^2

そして圧力の単位としてPa(pascal)を用いる訳です。

 1Pa = 1N / 1m^2 (=0.10972kgf/m^2)」


1kgf/cm2=9.80665*104Pa=0.098MPa
ですからこの2つの系では計測値が2.5kgf/cm2とでた場合は
パスカル単位で2.5*0.098MPa=0.245MPaですから、少ないように数値がでますし、
逆にパスカル単位の機器で0.25MPa入れてしまうと0.25/0.098=2.55kgf/cm2となり
タイヤの空気圧指示がkgf/cm2で「2.5」となっていますと0.05kgf/cm2入れすぎとなります。

上記の測定値の誤差をメーカーへ出す前に、計器を調べてみますと
片方のbar表示の空気圧計の測定していない時の指針が指す位置がどうも「0」でない事に気がつきました。
測定していないのに0.2−0.25ぐらいを指しているのです。
それでもまだ誤差分(0.2−0.25)を加えても0.05ぐらい差がので、メーカーの正確な機器で調べてもらうことになりました。

メーカーのASAHI製マスターゲージでは、上記2つの表示は
KPa表示の空気圧計が正確という判定が出まして、
bar表示の空気圧計は撤収。代替商品に替わってめでたしめでたしとなるはずなのですが、
代替商品(KPa表示)の方が2.5*100KPaと表示された場合、今度は1目盛分低く指しますので、
マスターゲージでは、2.6*100KPaとなりまして、0.1*100KPa多く入ってしまうことになります。
この機器も空気圧を測定していない時”0”をわずかに超えてはいたのですが、
逆にもう1目盛分多めに指していたら、まあ大体正確な数値となったのでしょう。
メーカーさんからは、「1目盛の誤差は、まあOKということで・・・」とされてしまいました。
せっかく新品と取り替えてくれたのですから、この機器がついているタイヤチェンジャーでは空気を入れる際に、
補正を行なって入れるようにすることとなりました。
この機器のように0点を表示するように調整ねじがついていない場合は仕方ありません。
実際、新品に交換した場合、半年もすれば自然に「5目盛(0.5*100KPa)」もタイヤの空気は減ることがよくありますので、
1ヶ月に1回ほどは空気の点検をする方がもっと大切なのでしょうね。と、納得してしまいました。
このように異なる測定機器どうしの誤差や測定の仕方による誤差の方が、
単位系の間での指針の数値の差(この場合、Paとkgf/cm2)より遙かに大きい場合もあります。
このこともあってか、
タイヤの組み立て時のビードシーティング圧は「300kPa(3.0kgf/cm2)を越えて空気を注入してはならない」と
書かれていますが、この場合は単位系の誤差などは気にしていません。
(実際は乗用車あたりでは150kPaもあれば良いので、この数値はピンとこないのですが・・・。)
通常はこの2つの単位系は「イコール」とされるようですね。
同じ機器を使用する場合ははっきりするのですが
別の機器を使用される場合は、測定方法がきちんと出来ているかや、誤差がどれくらいあるかを
知っておいた方が実際の比較には良いのかもしれません。
ただし、0.1ぐらいの誤差は空気圧を測定する際に空気自体が「漏れ」たりしますので、余程空気圧を微妙に調整しなければ
ならない競技以外は(もちろん、合っているにこしたことはありませんが)それほど神経質にならなくて良いのかもしれません。

タイヤのローテーション

タイヤは装着されている位置やFF・FRなど駆動方法によっても磨耗の仕方が異なります。
フロントタイヤはショルダー部の磨耗が起こりやすく、リアタイヤはセンター部の磨耗が起こりやすいと言われ、
ローテーションは約5000kmを目安に、行うのが一般的となります。
(本来は「減りを見て」判断しますから、走行距離はあくまでも目安ですよ。)

特にFF車はフロントタイヤが駆動輪+操舵輪となりますので
リアタイヤ(引っ張られて回っているだけですから)の2倍から3倍も磨耗しやすい事になります。
後輪にもアライメントが設定されている自動車ではリアタイヤもアライメントの不良による偏摩耗などが
増えてきました。

通常のタイヤの摩耗の度合いは
道路の路側方向つまり左側が減りやすいといわれています。
これは路面がかまぼこ形であるため起こる現象のようです。
次に、回転方向に対して内側になる、つまり右に回る、右カーブする場合は右側が荷重が掛かりますので
消しゴムを強く押しているような状況になり、早く摩耗することになります。
左回りですと左が早く摩耗しやすくなります。
これは通常の発進でタイヤが摩耗するより、ブレーキを掛けて止まる時の方が摩耗しやすい事を
覚えておられますと、同じ現象になるという事が分かります。
(急加速はまた別になりますが、摩耗が早くなります)
要するに荷重のかかり方から考え、それが多いか少ないかを見れば
摩耗度も理解しやすいわけで、
摩耗はかかる荷重に比例して大きくなる現象といえそうです。
事故車両などできちんとアライメントの修正してない場合もこういった傾向があります。
アライメントなど調整機構がない場合は、リンクするパーツをごっそり交換する必要が生じることがあります。
リアタイヤでは滅多におきない磨耗の症状がでるのでわかりますが、
リアタイアで前輪よりショルダー部の磨耗が目立つような、まず間違いなく修正が必要と判断出来ます。
多角形磨耗、偏心磨耗がおきている場合は、ホイール側(ベアリングを含む)に原因が考えられます。
上記の事を考え、下記の異常摩耗を見てゆきますと
駆動方法(FF・FR)とタイヤの方向性によって図のように交換されますが
あくまでも通常走行の例としてされまして、レースや特殊な走行の場合は別の位置交換がされるようです。
摩擦と磨耗の関係になりますが、長期耐久性より摩擦力が大事だからです。

新品タイヤを2本追加する場合は、操舵輪に新品をはめることが一般的となります。
では、スペアーなどで応急タイヤでなく普通のタイヤが入っている場合、この1本だけを何処にはめるかと言いますと、
他のタイヤの状況で変わります。
もし、もう1本のフロントタイヤがあまり磨耗していないならフロントに使用し、
結構へっているなら、リアにつけた方が良いことになります。(ただし同じ銘柄の場合)
で、道路が左側に傾斜していますので、出来れば左側がいいということになりますよね。
通常、真っ直ぐ走っていても自然に左へ流れますので、左側の径が大きい方が同じ回転数なら進む距離が多くなり
右へハンドルを切っている状態と同様にするからです。
で、注意したいのは、同じタイヤサイズの表示(185−70−SR−14などと書いてある分)が同じであっても、
直径が違う場合があると言うことです。メーカーやタイヤの銘柄で大体5ミリ前後も異なることもありますので
駆動軸に取り付けますと、直径が長くなる方は早く進むため、多少なら上記のように好都合でも
あまりにも差が多いと反対側へ押すので違和感を感じますし、タイヤにも良くない事が理解出来ます。
どうしてもと言う場合は、駆動軸でない方へ取り付けると良いでしょう。

このあたりのタイヤを何処につけるかという判断は経験のあるショップの人か整備士に聞くのも一つの手です。
上記表はあくまでも基本的なローテーションですので、
フロント側が減った場合リアと交換するほどリアも十分な溝がないなら
フロント側だけを新品にするだけでもいいですし、
タイヤのなじみの関係からリアの溝があっても、移動させない、
また反対方向へ回転するようなクロスローテーションなどもってのほかというご意見もあります。
磨耗に対しての処置を第一に考えるか、走りの条件をそうするのかで、変わってきて当然となります。

また、違う銘柄のタイヤを履く場合は、操舵軸=フロントのタイヤを出来るだけ同じ銘柄にするのが一般的となります。
で、絶対にそうしないといけないかと言いますと「出来れば」ということで、
これは、タイヤメーカーの違いやタイヤの種類の違いでタイヤの直径が違ってくることにもよります。
実際に取り付けて、問題なければ良いと言うことも言えるのでそう気にしなくてもよいのかもしれませんが
大きさがミリ単位で異なるわけですから、操舵軸の左右に違う径のタイヤではあまり良いとは思えません。
ですが、同じ銘柄のタイヤですり減っているタイヤを操舵軸にするより、左右違う銘柄でもしっかりした溝があるタイヤを
前輪につけた方が、個人的な感覚では良いように思えます。
(このあたりメーカーの資料がありませんので・・・)

トーインの一番簡単なチェックは、運転席側のフロントタイヤとリアタイアを一直線上に真っ直ぐになるよう
ハンドルを真っ直ぐにきり、反対の助手席側のフロントタイヤとリアタイヤが同じように真っ直ぐかどうかを見ることで
おおよそ、わかります。
前のフェンダーラインからリアのフェンダーラインまでを真っ直ぐな線と想定して、前後のタイヤと平行になっていれば
まあ、真っ直ぐとして良いのではないかと思います。
トーインの狂いが僅かでしたら、左右の差はほとんど目視ではわからないと思います。
あまりにも内側・外側へタイヤが向いていましたら、タイヤの片べり状態を確認し、調整された方がいいでしょう。

工事中
参考資料:(社)日本自動車タイヤ協会「乗用車用タイヤの異常摩耗について」
ダンロップ、ブリジストン発行の資料集、
講談社「タイヤの科学」御堀直嗣著ブルーバックスB930、その他より
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