メンテナンス・メモ(その3)

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ヘッドライトが勝手に点灯

ユーザーからの修理依頼で、ヘッドライトが駐車中に勝手に点灯し、原因が分からなくまた勝手に消灯してしまったとの事。
勝手に点灯するのは左側のヘッドライトのみで、車幅灯、ハイビームなどは点灯していない模様。
車種はH4式セレナKBC23。
途中に、センサーがある場合は、誤作動ということもあるようで、調べるが
オートライトコントロールユニット(トンネルにはいるなど、暗くなると勝手にライトが点く装置)などは
ついていないタイプなので、片方だけ点灯するということで、ライトのリレーやアンプなどを探すが判らない。
配線図をメーカーから取り寄せたが、バッテリーからヒューズを通ってステアリングの切り替えスイッチがあるだけだった。
で、配線図をよく見てみると、左右独立して接点がついている。
ということは、普通に使われているライトの根本の故障としか考えられず、取り外して分解。
下記のように、配線は分離しているものの、プラスチック樹脂が炭化しているため、本当にそれが絶縁体になっているか
怪しい状況。
止まっているうちに勝手に導通するのも不思議な現象だが、これが原因か、あるいは結果でこうなったかが不明のため
とりあえず交換して様子を見ることにした。


で、1週間しても2週間しても点灯せず。一応これが原因だったようだ。
電気系のトラブルシューティングは厄介だ。
たとえしばらく良好でも、また別の箇所が調子が悪くなって、同じような症状を再発するかもしれないと思うと
本当は他の焦げ目があるパーツもしっかり交換するに限るが、
何処までを触るかが腕の見せ所かもしれないし、ユーザーとのコンセンサスもかなり重要となる。
信頼関係がないと高くなっても仕方ないかも・・・・。

おまけ:こういったワゴン車のバックドアのドアスイッチは
     バックドアのストライカー(鍵のかかるゲートの下にある部品)の内部にある自動車が多くなってきており、
     スイッチが押されて、アースされると半ドア警告灯とルームランプを点灯させる。このことは上記と同じように
     バッテリーを消費するし、点灯のままでは配線が焼け発火のおそれも出てくる。
     ちゃんと閉めたはずなのにルームランプが点灯したり、しやすくなってきた場合は、
     早めに各ドア部を調べたり、ストライカーなどの状態や位置を調整した方が良いでしょう。
     詳しくはメカニックさんへ。

エンジン(セルモーター)の掛かりが悪い    

バッテリーを交換してもエンジンの掛が悪い場合には、セルモーターに不具合があることが多いこともあります。
セルモーターの内部でスイッチ接触が悪い場合は、大抵の場合エンジンの始動がスムーズに出来ず、
しばらく動かした後に1発でエンジンが掛かるので、バッテリーの問題か、ダイナモ(オルタネータ)かという事も想定できるのですが
この傾向が段々強くなって頻繁に起こるようになるので
セルモーターを外すと原因がつかめます。
下記にリダクション式セルモータのスイッチとなる部分の写真がありますが、ここの磨耗もスイッチでの接触不良ということになります。

上記のスイッチになる部分が、押されて接触しなければならないのが
茶色い色でも判るとおり接触や導通時のスパーク等で削れてしまったため、
この箇所に段差が出来てしまいます。
磨耗している銅板のところの温度によって薄くなったこの部品がバイメタルの現象が起き、
銅板が接触したりしなかったり、或いは、磨耗粉のはさまる具合で
同様に電気が流れたり流れなかったりする訳です。

下記も同様のセルモーターです。
接触不良の初期段階で走行は12万キロ。
接点に薄くをつけています。


(上記は別のセルモーターの部品から取った物ですが同様になっています。)
おおむね、一旦セルが回り、エンジン各部の温度が上昇しますと
何事も無かったかのようにその後の始動がスムーズになるので
その際はこの部品を見れば状態は判断できます。

この部分(スタータキット2カ所=1500円まででしょう)を交換するだけで修理は終わるのですが、
通常は部品を調達する事が難しかったり(多分セルモーターメーカーの流通部品となります)
作業工賃を考えて、中古パーツを利用するのも一つの手でしょう。

また、よくある修理の一つに、ブラシの摩耗粉がたまりにたまって
セルモーター内で絶縁体となってしまいキーを回してもかからなかったりする事があります。
上記に加えてこの箇所も掃除しておいた方が良いでしょう。

「バッテリー上がりかな」と最初は思うわけですが
症状的には上記スイッチ故障と同じように、接触不良ですから
何度かキーを回せば、かかりますから、こういった症状の場合は
こういったようにセルを見てみると良いかも知れません。
(といっても、それが大変なのですが・・・)
摩耗した黒い粉末を取り除くだけで、なおることが多いですよ。

こういう現象かどうかを知るのに昔は機器を叩いてみていましたよね。
テレビなどでも叩くと写るとか・・・。
セルも同じで、この絶縁体が叩いた衝撃で落ちたり、ずれたり、あるいは接触部分が変わることで
導通したりして、エンジンがかかる事が起こるわけですね。
で、致命的な故障状態でない場合は
機器(この場合セルの胴体部)を叩くと結構な確率でエンジンはかかるので、緊急時はやってみてください。
(といっても、どこにセルがあるかが普通は分かりませんので、症状が出たら、前もって調べておいてください)
いろんな現象には共通項が多いですから見落とさないことが肝心です。
最近のセルモーターは丈夫で長持ちしますので
モーター部のコイルなどの部品が壊れることは滅多無くなりました。
周辺が故障に多いので
器用な方は一度挑戦してみてください。

タイミングベルトの打音

決まった車種でよく起こる現象なので、特にコメントは無いのですが、
テンショナーの押さえる力で張っているタイミングベルトが経年により伸びて、振幅の幅が増えて
カバーの金属か樹脂に当ります。

最初から張力を大きくしますとベルトが予想以上に傷みますから通常は無理には張らず、
テンショナーのバネなどの力で押さえられる程度ですから
打音が出た時点で、張りを調整するか、交換時期が間近にきていれば思い切って交換してしまった方が
良いでしょう。

写真では分かりにくいのですが
左側のベルトが僅かにたわんでいます。
写真用にカバーは逆さにしてベルトの前で手前に置きましたが、
端の部分が当って、僅かに削れているのが分かります。

ちょっと画像が大きいのでこちらにあります。

スピードメーターワイヤー切れ

H9式G303のパイザーで5万km時に交換したスピードメーターのワイヤーが再び切れた。
というか、切れていたのを確認したのは、修理にかかってから外して見たことで分ったのだが
1年以内でしかも8000kmも走行しないうちになので
原因がメーター側にあるのか、あるいはワイヤー側なのか、はたまた取り付けの不良なのかと考えてみた。

たかだか3000円前後の部品なのでと言うことよりも
通常は廃車まで1回あるかどうかの修理なので、原因がどこにあるかを知りたくなった。
下記はパーツ全体でワイヤーは抜いて左下に切れたワイヤーを置いている。

 

ワイヤー自体はミッションにあるギアによって回転して、スピードメーターへ回転を伝え、
取り付け部にはいわば発電機があり、それの回転数によって発生する電気によりスピードが表示されることになる。
切れると、スピードメーターの針はバネ仕掛けで元に戻るので、ストッパーが付いている位置=0kmを指す。
発電機自体にも回すのに抵抗があるわけで、このあたり、どこで切れるかは、経験上決まっていないように思える。
錆びていればその箇所に余分な(応)力がかかるわけでよく切れるし、外側の筒が異常にゆがんでいたりすれば
同じくその位置で切れていることが多い。

外部から力が加わっている場合は、摺動による摩擦が生じる割合が多くなり、発熱するので
もし、その箇所にグリースなど塗ってあれば焦げたりして酸化し、黒くなる。
この場合も同様グリースはこの使用距離では考えられないほど変色していた。


同様に筒側の樹脂も変色が見られる。

たぶん、部品メーカーにクレームを言っても受け付けてくれないだろうが
このカシメ部分の変色から考えて、筒の取り回しによるゆがみとカシメ部の内部筒とワイヤーのクリアランスが
異常に狭くなって切断に至ったのではないかと考えられる。

ちょうどカシメ部分が黒ずんでいるのが見えるが、ワイヤーが切れたのだから当たり前かも。
下段の写真は新品なので、メーター側もストレートになっています。
取り付ける際はパネル内部の狭さで多少曲がってしまうので
こういった根元に負担(外力)を掛けないような取り回しも必要と思われる。

メ ンテナンス・メモ(その1)
メ ンテナンス・メモ(その2)
メ ンテナンス・メモ(その2-1)
メ ンテナンス・メモ(その3)
メ ンテナンス・メモ(その4)


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