メンテナンス・メモ(その6)

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ターボチャージャーの良否判断

ターボ車で排気管からオイルの白煙が出る時の主な原因は

などが考えられます。
ターボ本体は新品は部品自体の値段が高いですし、ステムシールの交換も
部品は安くても交換するにはある程度工賃がかかります。
ですからそれ以外の可能性ではないかと
オイルの粘度を変えたり、フラッシングをしたり、添加剤を入れたりして
改善されるかを見て、作業にかかることが多くなります。

で、オイル上がりなどでは、高級な添加剤や修復剤系で効果が出ることがあるのは、
リングスティックの解消が理由ではないかと考えられます。
もちろん、油膜の厚さなどでも解消し易くなりますので、膜厚が増加するタイプの
コーティング剤で良くなることが起こっています。

バルブステムシールの場合は、軽い初期状態ならゴムを膨潤させるタイプの添加剤で
一時的に解消する事がありますが、膨潤剤ですから1回使用して効果がない場合は
諦めて、部品交換された方が経済的かもしれません。

で、ターボチャージャーのオイルシールからのオイル漏れの場合は(こちらに画像があります
対策として、オイルの流量と油圧を調整しているユニオンボルト
(ここではタービンへオイルを流すために穴が空けられているボルト)の
穴の大きさを小さくした物もあり、交換することで白煙を緩和することが出来る場合もあります。

なお、ターボのメカニカルシールは、隙間が開いていますので
例えばパーツクリーナーなどの粘度の低い液体などを入れますとゆっくり滲んで来ます。
またそこにわずかに圧力を掛けますと、流れるほど漏れてきます。
タービンが回ることで液体側と気体側で圧力がどのように変化しているかは知りませんが
(通常の軸受けシールでは軸が回転する事で液体は液体側に戻る構造と考えられます)
新品ではターボ本体のオイルのライン(穴)から、粘度のあるオイルを入れても
すぐに漏れることはありません。

白煙の出るターボでさえ、粘度5w-30のオイルを入れて漏れるかしばらく観察しましたが
漏れてくる兆候は全くなく、一昼夜置いた時点で僅かに滲む程度でした。
ですから、高温になって粘度が低くなっても
ライン内部の圧力がある程度かかりませんと漏れるいことがないような構造と考えられます。
つまり、取り外した状態での良否はオイルが漏れていた痕跡を見ることが
確かな証拠となるような気がします。

ターボのタービンはエキゾーストマニホールドに繋がる穴へ息を多少強く吹きかければ、軽く回り、
しばらくは空転していますので、確認可能です。エアガンなど圧縮空気ですと高速回転しますので
けがをしないよう注意が必要です。
漏れがひどく出る場合でも、通常はこのように回りますので、
オイルシール漏れ=白煙が出るかどうかの目安はこちらでは出来ません。
実際はパーツクリーナーをいれて、しばらくの間(10秒程度)なら漏れて来ないぐらいなのでしょう。
入れてすぐ流れ出すのでは、多分白煙は出ると思えます。

シートベルトの装着警告灯が点灯しない

メーターパネルの警告灯のうちで
エンジンキーをONにしますといくつかのランプが点灯、
あるいはその後に消灯します。
シートベルト装着警告灯は
シートベルトを装着していない場合に点灯して
(シートベルトを装着した人の「デザイン」の赤く点灯する警告灯)
シートベルトを付けると消える装置ですが、
点灯しない車が時々あります。

点灯しないと最近は車検に合格しないので
メーターパネル内の球切れだろうと
新品に交換しましたが、どういう訳か点きません。
他の点いている箇所にこの切れていると思われた球と交換して調べましたら
点灯しますので
切れていない事が分かりました。

メーカーや車種によっては、制御の仕方も異なるので
この先の故障箇所が分かりにくいのですが
点検の順番として
次に見るのはシートベルトの受け側になります。

シート下のカプラを短絡させ、点灯するかを調べてみると
ちゃんと点きましたので、バックルのスイッチの不良と判断しました。
バックルのネジを見ますと星形の溝に中心が突き出ているタイプでしたので
このタイプのネジは「いじり止め付きトルクスレンチ」が必要になります。
まあ偶然にも仕事柄持っていたので
簡単に外しまして、中を見ました。

バックルの中央にある茶色の基盤の上の白いプラスチックの枠が奥まで降りており、
まるでバックルにシートベルトが装着されているかのような状態でしたので
(降りると消灯するスイッチため、)写真のように上へ引き上げました。
そして、今度は点灯するかどうかを確認しました。

結果的には点灯しませんので、一応スイッチの故障となります。
が、接触不良かもと基盤を少し押さえたら点灯しました。
どうも完全に故障しているわけでなく
このスイッチの接触不良とその白い部分の戻りの不良と思われます。

押したら点くのですから、逆にそうなるようにちょっと加工し
(こういった事は自分でやって、試行錯誤してくださいね。)
何回かああでもないと繰り返し点灯消灯のテストし
やっと修理は完了しました。

もちろん、バックルへシートベルトを装着すれば消灯し、
外せば点灯するように何度も確認しました。
こういったチェックは忘れないでください。

なおバックルの故障を直せない
あるいはバックルが故障でない場合は
もう少し手間がかかりますので
その際は整備工場に出された方が良いかもしれません。
 

走行時のエンジン不調

エンジン不調と言えば、キャブレター車では、キャブレター周りや
プラグ、プラグコード、イグニッションコイル、ピストン圧縮比、燃料ポンプ、
(オート)チョークの作動、等々と、
各パーツをそれぞれ点検する必要がありました。

役割は同じですが、インジェクター車になってきますと
キャブ車でのそれぞれの機械的なパーツでの制御が
電子部品に入れかわるようになり、構成部品の精度も上がってきましたので
現在走っているようなインジェクター車になってからは、段々点検箇所が減ってきています。
ただキャブレターに代わって空燃比を決める事になったエアフロメーターなどの電子部品に
故障が多いのも特徴的でした。

また、ダイレクトイグニッション付きでプラグコードとイグニッションコイルが
プラグの真上に付くようなエンジンになってからは、
プラグ交換やそのダイレクトイグニッションコイルの不良以外には
ほとんどエンジン調整などはしなくなってきましたが、
逆に制御系不良でいきなりエンジン不調になるような故障が起きやすくなっています。

基本的には「センサー」といわれる電子部品や基盤中心の箇所の不調と
それに加えてもう少しモーターやサーモスタットや電磁石を使う機械的な要素を含む複合的な
部品の不調に分かれます。

複合的な部品で故障になる場合は、
作動箇所の固着やパーツの変形・破損などが原因と見られるケースが多く感じられます。
この場合は、改良されてゆきますので
中身が対策部品になっている場合も多く見られます。
また断線、電子パーツ自体の故障であるケースもまだ多くあるようです。

下記は始動時にアイドルアップの回転数が少なく、走行時にガス欠を起こしたかのように減速してしまう症状で
入庫したスズキワゴンRのアイドルスロットコントロールバルブ=ISCバルブの写真です。


点検項目順序としまして
●プラグの良否判断=イリジウムプラグ、でも未交換のため隙間が多く交換しました。
出来ればより耐久性のあるタイプのイリジウムプラグへ交換した方が良いと思います。
●ダイレクトイグニッションの良否=良好(別の車両の物と入れ替え点検しました)
●圧縮比の確認=各シリンダー10.5以上11.5以下=問題なし(バルブ、シム、リングの状態判断)
と行いましたが、ほとんど変化がないため
●スロットルボデイ部の良否=怪しそうな気配。
これで問題なければ完了となります。直らない場合は下記点検=交換になります。
●燃料コントローラー(ECU=CPU側)
と言う順序で見ることにしました。

なお、スロットルボデイの新品とECUを新品に交換しますと修理代金総額が12万円〜13万円ほどになりますので
程度の良さそうな中古を使用しました。

入庫時に走行状態を聞いて判断しましたら、
どうも、いわゆる「エアフロメーター」の故障のような雰囲気でしたが、
判断が正確かどうか分かりませんし、
一応調べる順序は安い部品や消耗部品からが鉄則ですので、この順序を取っています。
で、
スロットルボディ側は軽く掃除し、この下段に付いている同じような役割を持っているISCバルブの交換を
中心として考え、ボディごとの交換にしました。

※なおキャブクリーナーやエンジンコンディショナは画像を見て分かるように
樹脂パーツを使用している場合が多いので
(スプリングのある先端バルブ部はゴム製ですしそのバルブを固定している右下の破損部品も樹脂製)
そういったパーツを溶かしてしまったり、変形させないように、(逆に故障の原因となりますので)
出来るだけ使用しない方が良いと思います。
普通はパーツクリーナでさっと落とすくらいで良いと思います。

交換後はアイドルアップも正常に上がり、
燃料切れのような症状もなくなりましたので、この箇所の故障と思われます。

なお、このISCバルブ部は水温によるコイル式バイメタルとモータ付きバルブでの制御になっています。
こちらに大きめの画像があります

走行時のエンジン不調その2

上記でも説明がありますが、エンジン制御系のセンサー類としては下記のようなセンサーがあり、
故障しますと、エンジンのチェックランプが点灯したり、いわゆるエンストなどエンジンの不調が起きます。

  •  エアフローメーター
  •  バキュームセンサー
  •  O2センサー
  •  A/F(空燃比,Air-fuel ratio)センサー
  •  スロットルポジションセンサー
  •  クランクポジションセンサー
  •  カムポジションセンサー
  •  エンジン制御用温度センサー
  •  アクセルポジションセンサー
  •  ノックセンサー
  • エンジンが止まってしまうような不具合が発生する場合は
    保証期間中ならもちろん無償交換と思われますが
    時々「リコール」になっているセンサーもありますので保証が切れていても無償の場合も多くありますので
    国土交通省のりコール欄で調べてみてください。

    画像はスズキのワゴンR系のエンジンにあるセンサーのサービスキャンペーン品で
    壊れ易いカムポジションセンサーになります。
    無料で交換してもらえる場合が多いです。


    センサ−の基盤部

    もう一つ同じようなセンサーが付いている事があります。
    この車の場合は全く同じ部品の「クランクポジションセンサー」で
    エンジンの回転位置(角度)や回転数を測定しています。
    まあ、回転数が分からないと他の計器にとって困ることはありますが
    走行中にエンジンを止めるような事にならないようです。
    熱によって故障しますので始動時はエンジンが掛かっても
    エンジンチェックランプが点灯し、
    ここが故障しておりますと十分走行し熱くなったエンジンでは一旦止めた場合に
    エンジンが掛からなくなる事もあります。
    ほとんどの場合は冷えますと復帰して掛かります。
    回転しているカムの位置をもとに最適な燃料の噴射時期や、噴射時間を計測するものなので
    ここの故障は、燃料を良いタイミングで噴射出来ないという故障で
    噴射時期を間違えればエンジンとしてはガス欠と同じ状態となり、
    結果的にエンストにつながる事になります。
    通常はエンジンの始動後、高温の熱によりセンサーが作動しなくなる不具合で
    冷間時は正常に作動し、高温時にチェックランプ点灯、その後エンジン不調となる症状となります。
    大抵の場合は、こちらも、このセンサーが冷えますと=エンジンが冷えますと
    何もなかったかのように、エンジンが掛かり、普通に走行出来ます。

    オイルプレッシャースイッチからのオイル漏れ

    ガレージの床にオイルの跡が付いているので、見てくれと言うことで、
    ユーザーさんのガレージを見に行き、
    オイル跡が浮いている真上を見たら
    ちょうどオイルパンの位置となっていました。

    その場でオイルパンあたりを覗き込んだところ、
    オイルパン周辺にオイルが付着して黒くなっていましたので
    良くあるオイルパンのネジのゆるみか、
    あるいはオイルエレメント交換で垂れたオイルなのだろうと思えました。

    エンジンを掛けてしばらく見ていても落ちてくるようなオイル滲みでもないので
    「今度オイル交換の時にでも、確認し、増し締めしましょう。
    それでも止まらないようでしたら
    シール漏れ止め剤を入れましょうか、・・・」などと
    今後の相談をして
    とりあえずその場での処置はしないで、後日となりました。

    その後、ユーザーさんもなかなか時間を取って来社できず、
    時間も経ってしまうのですが、
    まあ、それほどひどい状態でもないので
    そのまま半年以上経ってしまいました。

    年式の経ったエンジン一般にあるように、
    経年劣化の為のオイル滲みと判断していたわけですが、
    少しずつ漏れが多くなってきたようで、
    車を預かって、修理することになりました。

    アンダーカバーを外しますと、エンジンブロックからではなく、
    また、タペットカバーから垂れている痕跡もなく、
    確かにオイルパン回りだけがオイルで汚れているので
    まずは、増し締め・・・。

    でもしっかり締まっています。
    それで、パーツクリーナーで洗い流し、オイルの滲みを観察しました。
    ・・・・いくら経っても滲んできません。

    で、もしやと思い、エンジンの奥の方のシリンダーブロックを見ますと、
    ブロックのあたりにもオイルの汚れが付いています。
    で、その真上にオイルプレッシャースイッチがあり、僅かにオイル滲みが付いています。
    両方か、それともスイッチだけか見るために
    パーツクリーナーで綺麗に洗い流し、エンジンを掛けて観察しますと
    ブロックの継ぎ目からは滲みは無し。
    で、プレッシャースイッチは僅かに滲みが出てきたので、
    ゴムのコネクターカバーを外しますと、オイルが「たらり」。
    うまい具合に、ほとりと垂れたオイルがオイルパンの上部のつばの真上落ちるか
    風圧でシリンダーブロックの継ぎ目あたりに落ちるので
    長い時間掛けてオイルパン回りから漏れたような滲み跡となっていたのでした。

    使用パーツは
    オイルプレッシャスイッチ=約1500円
    (交換は専用ロングソケット使用)
    パーツクリーナー、650mlを1.5本
    漏れ止め用シール10cm、ウエス2枚
    診断+アンダーカバーとプレッシャスイッチ脱着工賃=2500円
    合計約5000円くらいの作業です。

    ネジの中央は穴が空いており、エンジンを掛け、
    オイルの圧力がここに掛かるとメーターパネルのオイルランプが消える。
    オイル量を測定しているスイッチではないので、「点灯しなければオイルが規定量入っている」と考えてはいけない。
    オイルの圧力でスイッチがON−OFFするだけで、オイルのスラッジがここに溜まって、
    目詰まりしても、OFFになるので、オイルランプが点灯する。

    ネジのゆるみで、オイルがにじんで来る事もあるが
    (ここからの漏れ防止のため、このスイッチではシール剤を塗っている=先の図)
    ほとんどのオイル漏れは、内部のシールの劣化で起き
    プラスチックとコネクタ、または外周の金属との境目から漏れてくる。
    右写真はカシメを削って分解した内部の構造。

    工事中
     
     
     
     
     
     
     
     
     



    メンテナンス・メモ(その1)
    メンテナンス・メモ(その2)
    メンテナンス・メモ(その2-1)
    メンテナンス・メモ(その3)
    メンテナンス・メモ(その4)
    メンテナンス・メモ(その5)
    メンテナンス・メモ(その7)

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