炭化水素のかたち

石 油はどうして出来たかはこちらです

※有機化合物に名前をつけるときの基準は「IUPAC命名法」を参照ください

炭化水素の結合の仕方

@鎖状 A環状
 
結合エネルギー 
Kcal/mol 
(KJ/mol)
C―C
83.2Kcal/mol 
(347KJ/mol)

C=C 145.2Kcal/mol

C≡C 198.1Kcal/mol
※1カロリーは約4.2J。
この結合エネルギーに関してメールをいただきました。
O.I.さんありがとうございます。
結合エネルギーって結合解離エネルギーの平均値らしいんで
どのように平均を取るかによってバラバラらしいんです。

例えばC-H結合の結合エネルギーEは(Dは結合解離エネルギー)
メタンだけを考えたとすると

CH4→CH3+H  D1=435kJ/mol
CH3→CH2+H  D2=443kJ/mol
CH2→CH+H    D3=443kJ/mol
CH →C+H    D4=339kJ/mol
E=(D1+D2+D3+D4)/4=415kJ/mol

メチルから一つずつ水素が取れてくときの
結合解離エネルギーってことです。

4つの平均値となるのですが
当然のことながらまだまだ膨大な種類のC-H結合があるわけですし
これが正しいという答えはないみたいです。

実際いろいろな文献を見てみると
C=O結合ひとつとっても
確認しただけで714−808kJ/molの範囲で幅広くあって
どれをとったらいいのかはわからなかったです。

家にあった文献の数値かいときます
H-H 結合 E=415kJ/mol
C-H 結合 E=415 kJ/mol
O=O結合 E= 490 kJ/mol
N-H結合 E= 389 kJ/mol
C-C結合 E= 347 kJ/mol
O-H 結合 E=464 kJ/mol
C=C 結合 E=611kJ/mol
C=O結合 E= 749 kJ/mol

それほど大差ないと思われます。

アルカン炭化水素(Cn2n+2

アルカン=パラフィン系=飽和炭化水素

エンジンオイルとしてはパラフィン系原油から精製したオイルがベースオイルとして 最も適しているといわれています。(それでも、ナフテン系または芳香族系 分子は入ってます。) ベースオイルとしては下記の表を参照して ください。ただし、ベースオイルの善し悪しは”厳選する”技術にもよります。

 オイルとして、使えるすべての部分を使用するより、最も適した部分だけを 分離させ使用した方が品質の良いオイルが出来上がります。

 日本は原油を海外に依存していますので、様々な原油を使用していますが、
パラフィン系を高品質に分離させるより化学的に変化させ(HVI化させ)た方が いいオイルが出来上がるようです。
製品的に出回っているのはグループTの低品質オイルかグループVの高品質オイルとW・Xの合成オイルに分かれてしまい、
中間のグループUあるいはU+は少ないようです。

分子式 分子量 名称 凝固点℃
沸点℃
用途
CH4  16 メタン −182.6 −164
燃料ガス
26  30 エタン −172 −89
38  44 プロパン −190 −42
液化石油ガス
410  58 ブタン −135 −0.5
512  72 ペンタン −129 36
溶剤
614  86 ヘキサン −94 69
ガソリン
716 100 ヘプタン −90 98
818 114 オクタン −59 126
920 128 ノナン −54 151
1022 142 デカン −30 174
1124 156 ウンデカン −26 196
灯油
1226 170 ドデカン −10 216
1328 184 トリデカン −6 230
1430 198 テトラデカン 5.5 251
1532 212 ペンタデカン 10 268
軽油
1634 226 ヘキサデカン 18 280
1736 240 ヘプタデカン 22 303
軽油・重油など
1838 254 オクタデカン 28 317 重油
1940 268 ノナデカン 32 330
2042 282 エイコサン 36
潤滑油、ワセリン、蝋燭など
2552 352 ペンタコサン 53
3062 422 トリコンタン 66
4082 562 テトラコンタン 81
ワセリン、蝋燭など

異性体

・・・たとえばテトラデカンC1430は1858もの異性体があり、 そのうちの1つだけに”正”がつく。
それ以外はすべてイソがつきます。 それぞれが別の化合物の性質を持ってしまうので、別の名前や呼び方を変えて呼ぶこと も多い。

また、原油系鉱物オイルの内でエンジンオイルの性質としては パラフィン系が優れているのですが、
このパラフィン系を異性化させたり他の系を 水素化分解したりして、より高い粘度指数のオイルをつくっています。

 同系列の油では分子量の大きい油ほど粘度は増大し、同じ分子量の油では
イソパラフィン<直鎖パラフィン<単環芳香族<単環ナフテン
の順で粘度が増大します。

 また分子中の環数の多いものほど、粘度は高いし、分子中の二重結合、側鎖の位置や立体障害性などの
分子構造上の相違が粘度に少なからず関係しています。

 さらに、熱に対する安定性では
パラフィン系>ナフテン系>芳香族系
の順に熱分解は起こりにくいし、分子量が大きくなるほど、分解しやすいと言えます。

なお、デカンの異性体についてはこちらの HPで参照されると良いでしょう。

液 体・気体燃料の高発熱量資料はこちらで

イソオクタン

・・・ガソリンはC4〜C12ぐらいの炭化水素からいろいろ混合され出来ています。
1種類のガソリンに含まれる化合物はは50〜500種類にもなり、おまけに なども入ってます。 イソオクタンを100としてアンチノック性の基準としていますが、
オクタン価は100でもイソオクタン100% などというガソリンはあり得ません。
 
 
アンチノック剤

・・・ 燃料の性状から言うと@自発火温度が高いA燃焼速度が速いものほどノッキングが起こりにくいのですが、
エンジンの高性能化、省エネ化などのためガソリンに、さらに添加しています。 以前は4エチル鉛を使用していたのですが、
鉛が人体に影響を与えることと 触媒を劣化させることから現在は使用が禁止されています。
代わりにメチルターシャリ−ブチルエーテルなどの含酸素化合物がオクタン価向上剤として使用されています。

 ガソリンの組成をアンチノック性であらわすと下記のようになります。
アンチノック性 最小 普通 かなり大きい 最大

パラフィン系 ナフテン系 オレフィン系 ベンゼン系
ガソリンに含まれる成分の% 50〜60% 30〜50% 0.5〜2.0% 1〜4%

ガ ソリンについてはこちらで

アルキル置換基

メチル(メタンから) CH3 数字の接頭語(ギリシア語)2つ以上つくと(2=ジ)ジメチル (3=トリ)トリメチル 用例
エチル(エタンから) CH3CH2 1=モノ モノマー、モノクロなど
正プロピル(プロパンから) CH3CH2CH2 2=ジ グリチルリシン酸カリウム,ジエステル
イソプロピル 3=トリ トライアングル、トリオ
正ブチル(ブタンから) CH3CH2CH2CH2 4=テトラ テトラポット
第2ブチル 5=ペンタ ペンタゴン
第3ブチル 6=ヘキサ ヘキサゴン(六角棒)
正ペンチル(ペンタンから)(アミル) CH3CH2CH2CH2CH2 7=ヘプタ


8=オクタ オクトパス(たこ)


9=ノナ


10=デカン

いろいろな官能基

名称 一般式  官能基 備考
ハロゲン化アルキル(orアリールC65 R−X −X(X=ハロゲン) X=塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、アスタチン
アルコール R−OH −OH(ヒドロキシル) OHは共有結合、(Na−OHなど水酸イオンはイオン結合)
エーテル R−O−R' −O− RとR'は異なったアルキル(orアリル)をさす
アルデヒド または
ケトン
有機酸(脂肪酸) カルボキシル基 カルボン酸は蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
エステル
アミン R−NH2 −NH2
アミド アミド

※アルキルorアリールC65
アルカンからの置換基をアルキル基といい、メタンCH4からはメチル基CH3-となり、
ベンゼンからのアリール基はフェニール基65- となります。
通常””で表されます。”'”はRと別のタイプを示します。
その他、は塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、アスタチンのハロゲン族
なぜハロゲンを特にXにしているかというと、比較的不活性なアルカン類が ハロゲンとはよく反応するからです。
たとえばメタンと塩素を太陽光に当てると次の反応が 自然に起こります。

メタン  塩素  塩化メチル 塩化水素=塩酸
CH4+Cl2→CH3Cl+HCl

                   ジクロロメタン
CH3Cl+Cl2→CH2Cl2+HCl

                   クロロホルム
CH2Cl2+Cl2→CHCl3+HCl

             四塩化炭素
CHCl3+Cl2→CHCl4+HCl

       
クロロホルム、四塩化炭素などハロゲン系は環境問題にも深く関わっています。 一般的にはClが多いほどその毒性が強く、
神経、肝臓障害を起こします。

アリル基(allyl group)はCH2=CHCH2の原子団。アリルア ルコールはCH2=CHCH2OH
アリール基(aryl group)は芳香族炭化水素から水素原子1個を取り除いた形の官能基。
例:ベンゼン66−H=フェ ニル基65

環状のアルカン炭化水素(Cn2n)=シクロアルカン

シクロアルカン=シクロパラフィン=ナフテン炭化水素


天然の原油からはアルカンとシクロアルカンの飽和炭化水素が化学的に比較的不活性であるために多く含まれ
どちらかといえば燃料として使用されています。
それらのアルカンを触媒などで脱水素反応させて不飽和の二重結合を含むアルケン類に します。
二重結合の方が活発に反応し他の化合物を作りやすいからです。
エタン               500℃  エチレン         水素
CH3CH3(分子式C26)   →     CH2=CH2   +    H2
             Cr23
             酸化クロム

アルケン炭化水素(Cn2n

アルケン=オレフィン=不飽和炭化水素

シクロアルカンと同じ化学式になりますが、炭素の二重結合を持つ方がアルケンになり、 他の元素と化合しやすく
不飽和の二重結合が水素と化合すれば飽和炭化水素にかわったり、
酸素との化合物をつくったりします。
二重結合を代表するエチレンはアルケンのエテンですが、日本では「イレン」を付ける呼び名が 主に使われています。
名称 一般式  構造式
エテン=エチレン 24
プロペン=プロピレン 36
ブテン=ブチレン 48




※シスとトランスの違い

二重結合に対して同じ原子か同じ原子団が同じ側にくる場合・・・シス
                   対角線側にくる場合・・トランス
アルケンの炭化水素はアルカンのそれに比べて化学反応を起こしやすいので、もし、
石油精製のクラッキングでアルケンが生じた場合 除去しています。重合して樹脂状物質が出来て困るからです。

 しかし、ベースオイルとしては、オレフィン系の方が耐高温高せん断、耐蒸発性 が、優れているとして、
樹脂状のオレフィンとも呼べる ポリ・アルファ・オレフィン=PAO(パオとも言う)が化学合成オイルの代表的存在 としてあります(図式)。

 原油の分類にはパラフィン系、ナフテン系、芳香族系はあるが、オレフィン系 原油は存在しません。
そのため100%合成しなければならないのです。 よって、コスト高になります。

アルキン炭化水素(Cn2n-2

アルキン=アセチレン系炭化水素

アセチレン系というように、たぶんアセチレンだけが生活には関係すると思います。 不飽和の三重結合は付加反応や重合を受けやすく、
天然の原油には存在していません。 その代表のアセチレンは2気圧以上に加圧すると爆発を起こす危険性があり (C22→2C+H2)、
鉄鋼の溶接用に 用いられる場合、その炎は3000℃にもなります。近年は合成原料としてエチレン、
溶接には電気やプロパンなどが使われ、用途は落ちています。オイルとしても 使われていません。
酢酸の合成ではアセチレンの水和反応でアセトアルデヒドをつくる のに水銀が用いられ廃液中にメチル水銀が生じ、
水俣病を起こす理由から廃止されています。

三重結合の性質上幾何学的異性体はありません。構造異性体としては

−C≡C2CH3   と  CH3−C≡C−CH3
  1−ブチン             2−ブチン
などがあります。

アレーン、芳香族炭化水素(Cn2n-6

 ベンゼンに代表される芳香族は六角の角に1個の炭素がありそれに水素その他の 原子が付いています。
ベンゼン核はホルモンやビタミン、必須アミノ酸にもあり、 石油化学にとって重要な原料になっています。
 
 

化合物と異性体

 A、ベンゼンは六角に円がかかれた記号か、B、六角に二重結合の印が付いた記号でしめされます。

塗料にはラッカー塗料・アクリル塗料・ウレタン塗料・・・などと多くの種類があり、
それを溶かしたり薄めたりするいわゆる「シンナー」があります。
大まかに分けますと、それらのラッカー系シンナーはトルエンとキシレンの配合量で出来上がっているのですが、
トルエンの方が溶解性が強くでますので、トルエンの配合量が100%に近いラッカーシンナーが最も強いシンナーとなり
キシレンの配合量が100%に近いシンナーが(床塗料用シンナーなどあります)最も弱いタイプとなっています。
アクリルシンナーとかウレタンシンナーとか言われるタイプは、その中間にあり、塗料の材質で配合量などが
メーカーで決められることになります。
参考までに、自動車に付いたステッカーのノリを落とすにはラッカーシンナーで拭きますと、
下地の焼き付けアクリル(あるいはバンパーなどのウレタン)樹脂塗料などを溶かしてしまうので
避けた方がよく、キシレンのシンナーなら、ほとんど溶かすことはありません。
他にパーツクリーナーなども同じようにノリを落とせる溶剤が入っていますので(配合量など判りませんが)
そういう用途に使用出来ます。



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