ガソリンについて

模型用エンジンの燃料はこちらのHP(COSMO RC)ここに詳しくあります。
このページの目次
  • 自動車用ガソリンの品質規格
  • 灯油と軽油の品質基準とJIS規格
  • 軽油成分・性状は排出ガスに影響を与えるか
  • オクタン価の種類
  • ガソリンの成分
  • ガソリン成分の構造とオクタン価
  • 蒸留性状の意味
  • 含まれる添加剤の意味
  • 燃料油添加剤の種類と用途
  • 燃料用添加剤の主な種類(成分名)
  • 水分除去剤(水抜き剤)について

  • 自動車用ガソリンの品質規格(JIS K2202など)
     
    オクタン価(リサーチ法) プレミアム・・・・・・・・96.0以上(1号)
    レギュラー・・・・・・・・89.0以上(2号)
    ※84〜94とある場合もある
    また1号・2号はこのオクタン価だけに出てくる。
    密度(15度C) 0.783g/cm3以下
    蒸留性状 10%留出温度・・・・・・・70度C以下
    50%留出温度・・・・・・・75〜110度C以下
    90%留出温度・・・・・・・180度C以下
    100%(終点)・・・・・・・・220度C以下
    残油量容量・・・・・・・・・2.0度C以下
    ※引火点
    ※着火点
    ※沸点
    引火点:−20度C〜−40度C
    着火点:約300度C
    沸点:30度C〜200度C
    蒸気圧(37.8度C) 44〜78kPa(0.45〜0.80kgf/cm3
    *寒冷地用のものの上限は93kPa(0.95kgf/cm3
    ※2001年から夏用ガソリンは78kPaから72kPa以下へ
    自主的に規制する予定。(蒸発エミッションを減らす為)
    無加鉛・・・アルキル鉛を添加しないこと
    メタノール 検出されない(0.5vol%以下)
    灯油 検出されない(4vol%以下)
    MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル) 7vol%以下
    ベンゼン 5vol%以下
    2000年からは1vol%以下に低減している。
    硫黄分(質量%) 0.01%(100ppm)以下
    将来的には硫黄分フリー(freeといっても5−10ppm)
    とする提案(規制は2008年に10ppm以下へ)がある。
    銅板腐食(50度C、3時間) 1以下
    実在ガム(未洗のもの) 5mg/100ml以下。
    ただし、5−20mg/100mlの範囲にあるものは、
    洗浄実在ガムが5mg/100ml以下であればよい
    酸化安定度 240min以上
    オレンジ色
    ※理論空燃比 14.5〜14.7
    ※参考資料の物性値より
    参考:灯油と軽油の品質基準とJIS規格
     
    軽油(JIS規格)
    硫黄分(質量%) 0.05%(500ppm)以下(JIS5種+品質確保法)
    ※2005年までに50ppm以下にし、将来の規制は2007年に10ppm以下の
    硫黄分フリー(freeといっても5−10ppm)となる。
    セタン価(指数) 45以上(JIS規格の2号・3号・特3号+品質確保法)
    50以上(JISの特1号・1号)
    ※一般的には45〜60ぐらい
    90%留出温度 360度C以下(JISの特1号・1号+品質確保法)
    350度C以下(JISの2号)
    330度C以下(JISの3号・特3号)
    10%残留炭素分(質量%) 0.10以下                 品質確保法は、なし
    引火点 50度C以上(JISの特1号・1号・2号)
    45度C以上(JISの3号・特3号)    品質確保法は、なし
    ※着火点は250度C〜260度C
    ※沸点は150度C〜350度C
    流動点    5度C以下(JISの特1号)
    −2.5度C以下(JISの1号)
    −7.5度C以下(JISの2号)      品質確保法は、なし
     −20度C以下(JISの3号)
     −30度C以下(JISの特3号)
    目図まり点  −−−−−(JISの特1号)
     −1度C以下(JISの1号)
     −5度C以下(JISの2号)       品質確保法は、なし
    −12度C以下(JISの3号)
    −19度C以下(JISの特3号)
    動粘度30度C(cSt) 2.7以上(JISの特1号)
    2.7以上(JISの1号)
    2.5以上(JISの2号)          品質確保法は、なし
    2.0以上(JISの3号)
    1.7以上(JISの特3号)
    ※理論空燃比 14.6
    灯油(JIS規格) 硫黄分(質量%) 0.008%(80ppm)以下
    (品質確保法+JIS1号=「家庭用灯油」も同様)
    (JIS2号は0.50%以下)
    95%留出温度 270度C以下(品質確保法+JIS1号も同様)
    (JIS2号は300度C以下)        品質確保法は、なし
    引火点 40度C以上
    煙点 23mm以上(11月〜4月は21mm以上)品質確保法は、なし
    銅板腐食(50度Cで3時間) 1以下                     品質確保法は、なし
    色(透明度=セーボルト色) +25以上
    ※参考資料の物性値より

    「軽油の緊急用代替え燃料」として「灯油」を使用することは可能なわけですが、
    軽油には税が課せられ、灯油には課せられないと言う理由から、「公道を走行する事は禁じられています」。
    (公道を走らない場合=暖房用、発電機用、農耕用などの場合はOK)
    しかるべき方法(申請+税の納付)で、公道を走ることは可能です。

    で、燃料として問題になるのは、「セタン価」と「硫黄含有量」「90%留出温度」になり、「硫黄含有量」「90%留出温度」は
    灯油でクリアーしています。「セタン価=45以上」についても添加剤でクリアーする事は可能と思われます。
    (特別の理由がなく、申請などしませんと、脱税の幇助になりえませんので、教えられません。ご了承を。)
    車検では「セタン価=45以上」を測定しませんが、厳密に言えば燃料としては「不可」となります。
    (燃料の抜き打ち検査があり、違反していることがわかれば、処罰されますよ。)

    ただ、問題としては、軽油は「インジェクター、燃料ポンプなどの燃料潤滑油」としても使用されていますので、
    粘度が灯油よりあります。そのまま灯油を使用しますと機器の潤滑に問題が生じることもあり、
    PL法の適用を受けられないでしょう。
    (硫黄分も潤滑剤の役割を果たしている=灯油の方が少ない)
    また、「セタン価」の関係からも「黒煙」を発生しやすく、出力も落ちます。
    カーボンの大量発生は環境にもエンジンにも良くありません。

    軽油成分・性状は排出ガスに影響を与えるかについても一般的傾向を下記に記しておきます。
    1.硫黄分の影響・・・PM(粒子状成分、いわゆる”スス”)中のサルフェート分が増加するが、NOx、CO、HCに
    関しては影響がない。ただし、硫黄分を抜く脱硫によって、燃料系の潤滑によい影響を与えている2−3環の
    芳香族成分・窒素成分も(=潤滑性に相乗効果を持つ成分)製造時に減少するため、その減少に
    代わる代替え用潤滑剤の必要性が求められる。特に高硫黄成分の軽油が焼き付き・摩耗に対して効果が高いので
    それに代わる側鎖のないジベンゾチオフェンや窒素分としてカルバゾール添加による「耐焼き付き性」の向上がみられる。
    これは添加による表面のカーボン発生がそれに寄与したと思われるデータであるが、ただし耐摩耗性の改善はなく、
    ピストンリングなどの腐食を引き起こさない潤滑性向上剤(耐焼き付き性・耐摩耗性に効果がある)の添加が望ましい。
    2.芳香族分の影響・・・芳香族成分が増加するとPMは増加する。単環の芳香族は影響が少ないが、
    特に2−3環芳香族の影響が顕著となります。NOxは僅かに増える傾向が見られるものの、
    CO、HCにはほぼ変化はない。
    なお、軽油の主成分はパラフィン系のペンタデカンC1532になるのですが、
    パラフィン系ばかりでなく、オレフィン系、芳香族系、シクロパラフィン系なども含まれている蒸留成分となっています。
    3.蒸留性状の影響・・・90%留出温度が高くなるとPMは増加する。低い温度で蒸発する方が少ない。
    4.セタン価の影響・・・セタン価が高いとCO、HCが減少する傾向があります。NOx、PMについては
    増加・減少の両ケースがともにあるようで因果関係は明確とは言えません。(灯油使用とはまた別)
    5.密度の影響・・・密度が高いと大体はNOx、PMは若干増加する方向がみられる。CO、HCは僅かに
    減少するか、ほぼ変化なしで、明確な因果関係は見られないとされます。

    オクタン価の種類
    ノッキングを起こさない最低限必要なオクタン価は各ガソリン自動車により異なりますが、
    圧縮比が高くなるほどその要求値は高くなります。
    国内ではリサーチオクタン価が採用され、プレミアムが98−100、レギュラーが90−91ぐらいのレベルで作られています。
    で、リサーチ法(RON) は低速時の耐ノック性を表し、自動車の運転の仕方で表しますと、
    坂道を登る際に一段高いギアでペダルをめいっぱい踏み込んだ場合などの、
    低速で負荷がかかった状態での耐ノック性を表す測定値と言うことができます。
    日本ではこういった運転状況が多いですから、レギューラーガソリンでノッキングが出だしますと、
    プレミアムハイオクガソリンを入れることで解消されることが多いと言えます。
    日本国内でオクタン価を表記する場合は、通常はJISの規格によってこのリサーチ法(RON)を指します。

    もう一つの、モーター法(MON)は、高速時の耐ノック性を表す数値で、
    よくチューニングで言われるような、高回転、高出力時での耐ノック性を表す測定値となります。
    一般的に同じ燃料を測定するとRONのほうがMONより数値は高めになりますので、下記ガソリンの成分の表内に
    併記しておきました。

    測定規格によりオクタン価も変わるため、各国でガソリン規格の採用が異なっています。
    リサーチ法とモーター法の違いはエンジンの回転数(600・900)と吸入空気温度の差(125F=51.7C、100F=38C1)となります。
    なお表にも記していますようにモーター法のみ吸気混合気の温度設定が149Cとなっています。
     
    リサーチオクタン価
    (RON)
    基準となるCFRエンジンの600rpmで吸入空気51.7度Cで測定。
    通常のエンジンでは3000rpmまでの中低速域でのアンチノック性を表す。
    日本、ドイツ、フランス、
    イギリス、スェーデンなど
    モーターオクタン価
    (MON)
    基準となるCFRエンジンの900rpmで吸入空気温度38度Cで測定。
    なお混合気温度は149度C。
    通常のエンジンでは3000rpm以上の高速域でのアンチノック性を表す。
    ドイツ、イギリス、
    スェーデンなど
    アンチノックインデックス
    (AL)
    (RON+MON)/2 アメリカ、カナダなど
    センシティビティー RON−MON
    走行オクタン価 市販車を使い、実走行で回転数や点火時期と関連させたオクタン価
    1「PETROTECH」第24巻第2号〜9号(2001年)にあるOctel社資料による。
    なお、JIS規格k2280−1986年を読みますと、回転数の差は同じですが
    吸入空気温度は大気圧によって異なり93.32kPaで32.2度Cになり、最高気圧104.5kPaで59.4度Cと表になっている。
    また同じJISのモーター法では吸入空気の温度38度C(プラスマイナス2.8度C)で、混合気温度149度C(プラスマイナス1.1度C)と
    記されていた。なおJIS規格k2280試験方法は図や説明など22ページにも及ぶので詳細は省略。

    またガソリンの基材の違いによっても、温度によるオクタン価の変動があります。
    温度によるそれぞれの成分オクタン価の傾向はRONで
    温度上昇と比例して下がる傾向(あるいはほとんど変化しない)があります。

      直留ガソリン・・・・・・使用温度範囲(30−80):30度C=オクタン価70前後80度C=オクタン価50前後
      イソガソリン・・・・・・・使用温度範囲(30−50):30度C=オクタン価90前後50度C=オクタン価90前後
      軟質分解ガソリン・・・使用温度範囲(30−90):30度C=オクタン価95前後90度C=オクタン価80前後
      分解ガソリン・・・・・・使用温度範囲(30−165):30度C=オクタン価93前後165度C=オクタン価80前後
      アルキレートガソリン・使用温度範囲(35−200):70度C=オクタン価90前後90度C=オクタン価100前後
                                     120度C=オクタン価100前後130度C=オクタン価90前後
      MTBE・・・・・・・・・・・使用温度範囲(55):55度C=オクタン価117前後
      改質ガソリン・・・・・・・使用温度範囲(30−185):30度C=オクタン価93前後80度C=オクタン価53前後
                                      125度C=オクタン価110前後
    で、多少の数値が異なるのですが別の資料では、
      軽質直留ガソリン・・・・・・使用温度範囲(30−80):オクタン価(RON)65−70
      接触改質ガソリン・・・・・・使用温度範囲(30−160):オクタン価(RON)96−100
      接触分解ガソリン・・・・・・使用温度範囲(30−180):オクタン価(RON)90−93
      アルキレート・・・・・・・・・・使用温度範囲(50−150):オクタン価(RON)94−96
      異性化ガソリン・・・・・・・・使用温度範囲(30−90):オクタン価(RON)80−90
      MTBE・・・・・・・・・・・・・・使用温度範囲(55):オクタン価(RON)117−118
      純ブタン・・・・・・・・・・・・・オクタン価94−97
    上記成分を様々な割合に配合することで、温度によって異なるオクタン価を現すガソリンが出来ます。
    また、メーカーによって同じ名前で呼ばれるガソリンでも性状が異なることがわかります。
    自動車用ガソリンの当初は「軽質ナフサ」そのものでオクタン価が低く上記軽質直留ガソリンでみると同じように
    オクタン価は60前後であったが、添加剤(4エチル鉛)により高いものにコントロールできるようになった。
    戦前は軍関係のみでその後、オクタン価向上剤として鉛を含む添加剤と言うことで規制され、替わりに
    オクタン価の高い分解ガソリンが混ぜられてくると言った経緯があり、その安定性の悪さに酸化防止剤が加えられたり・・・
    と言うように、オクタン価向上(や、エンジン性能向上)に絡んで、
    燃料添加剤の需要や性能要求が出て来たようにも感じてしまいます。

    ガソリンの成分
    原油を蒸留していくと、原油は沸点が低い順に分留されます。


    (上記図はエンジンテクノロジーVol.03 No02.March2001p.96より)
    常圧蒸留装置では、

    蒸留ガス
    軽質ナフサ
    重質ナフサ
    灯油
    軽油
    重油
    と言う順で、分留されますが、灯油と軽油が分留後、脱硫装置で硫黄分を取り除けば、
    一応、それぞれの商品となるのに対して、
    蒸留だけで使用できるガソリン成分にあたる「軽質ナフサ」(直留ガソリン)をそのまま使用しても
    エンジンはノッキングを起こし止まってしまいます。
    直留ガソリンのオクタン価は68−70ぐらいだからです。
    (とはいうものの、沸点だけでの蒸留分類では様々な炭化水素が混じっていますので
    更に精製・改質・分離する事によって、必要とする炭化水素をある程度特定して製品化されるのですが)
    現在の商品としてのガソリンは、基材として数種類の製法の異なるガソリン成分をブレンドして作られています。
    ブレンド如何によって、エンジンにとって最適なガソリンがあるわけですから、
    メーカーの違いによるガソリンの品質の違いも考えられます。
    排気ガスによる環境破壊を考えますと、硫黄分、ベンゼン、添加剤の成分などにも
    注目してゆく必要性を感じます。

    この中で、ガソリンの硫黄分・その他に注目しますと、
    硫黄分が多いと公害を引き起こすこと、触媒コンバータを劣化させ、COやNOxあるいは未燃焼炭化水素を増加させる事につながる
    ことがあげられています。
    しかし実情は硫黄分を取り除くのにコストがかかるため、結構含まれており、
    日本でも基準値では100ppmとされています。
    実際にはもう少し少ない含有量のガソリンが市販されているようですが、ゼロにはほど遠い観があります。
    アメリカでは120ppmで2006年までに30ppm、
    ヨーロッパ連合では2005年までに50ppmとなりますから、それらに追随することでしょう。
    現在10ppm以下の市販ガソリンもドイツあたりでは販売されているようです。
    通常ガソリン中の硫黄分の90%程度が流体接触分解器によってつくられるナフサ・ストリームからで、
    そのほとんどはチオフェンという化合物に含まれていますから、
    こういった生成過程の機構で削減されてゆく傾向にあるようです。
    分解されてできた製品はオレフィン分が多く貯蔵期間中に空気中の酸素によって酸化し、
    スラッジを生成し、品質が悪くなってしまいます。
    また、燃料には銅は含まれていないのですが、パイプラインや油槽所の材質の一部や
    自動車の燃料ポンプに銅材質が使用されており、その銅が燃料中に混入して酸化を促進し、ガム物質を作ってしまいます。

    なお、航空機用ガソリンはオクタン価100以上もあり、ノッキングに対しては効果的にされているのですが、
    添加剤が異なっていたり、四エチル鉛を使用しているなどの場合もありますので、注意が必要です。

    また、下記のように専門の方からご教授頂きました。ありがとうございます。
    「現在の燃料方法は、過去の直流分留によるものと違い、分解法と呼ばれる新しい製法が加わっております。
    特にFCCと呼ばれる接触分解法が多く使われています。このことに対し燃料規格は変更されることなく、過去の
    燃料規格がそのまま使用されています。ガソリンも軽油も製造ロットごとの品質のバラツキではなく、
    燃料タンクから各シリンダーに供給される燃料の燃え方まで ばらつきを起こす燃料が供給されています。」
     
    アルキレートガソリン LPガスなどからブチレン・イソブタンを原料にしてアルキレーション装置で作られているイソパラフィン系のガソリン基材。リサーチ法オクタン価100のイソオクタンを主成分。 プロペラ機用航空燃料はアルキレート+オクタン価向上剤で出来ています。RON96、MON94。 蒸留範囲
    (度C)
    35-200
    直留ガソリン 軽質ナフサ成分。ほとんど飽和炭化水素分。 RON70、MON68。 30-80
    イソガソリン 軽質ナフサを脱硫して、オクタン価の高い蒸留分を成分とする。 すべて飽和炭化水素成分。RON90、RON88。 30-50
    改質ガソリン 軽質・重質ナフサを脱硫し、パラフィン系の炭化水素を接触改質装置で芳香族を主としたものに変換したもの、
    当然、脱ベンゼン装置によってベンゼンを削除されているが
    芳香族系炭化水素成分は68−75%含まれる。
    RON103と高いが沸点も高いため冷間時の始動性は悪い。MONは92。 30-185
    分解ガソリン 重油・重質軽油の脱硫したものを、分解装置で沸点の低いオレフィン系炭化水素にしている。(オレフィン成分は酸化するとガム状物質になりやすい。→酸化防止剤を参照)
    オクタン価の高い軽質分を成分とした
    「軽質分解ガソリン」もある。
    硫黄分含有量はSOxになるため、触媒の浄化機能に影響する。
    脱硫化が品質のポイントにもなる。
    RON93−95、MON81−80。
    30-165
    (30-90:
    軟質)

    MTBE
    メタノールを原料にブタンを反応させるMTBE装置で作られているエーテルの1種。芳香族成分やメタノールと共に、ゴム、シールの
    損傷に影響がある。
    プレミアムガソリンにほとんど含まれる基材。ETBEはこちらを
    環境省のHP、こちらにpdfで解説があります
    沸点が低く始動性がよく、RONも117ある高オクタン基材。MONは101。
    分子中に酸素を含むため排気中のCOを低減する一方、空燃比の関係でNOxを増加させることもある。
    55
    ブタン 主にガソリンの蒸気圧調整に使用される。 RON94、MON90 -0.5
    その他:添加剤など 清浄剤・酸化防止剤・金属不活性剤・防錆剤など −−− −−

    ガソリン成分の構造とオクタン価
     
    炭化水素の種類
    構造
    オクタン価
    ブタン
    CH−CH−CH−CH
    (オクタン価94)
    n(ノルマル)−パラフィン(直鎖)
    CH−CH−CH−CH−CH
    n−ペンタン(オクタン価62)
    i(イソ)−パラフィン(側鎖)
    イソオクタン(オクタン価100)
    =2,2,4-トリメチルペンタン
    オレフィン系
    CH=CH−CH−CH−CH
    n−ペンタン(オクタン価91)
    ナフテン系
    シクロヘキサン(オクタン価83)
    芳香族系
    トルエン(オクタン価120)
    もちろんガソリン成分はこういった主成分に、その他の成分が含まれて約200〜300種類もの炭化水素の集まりとなっています。
    上記などオクタン価で表しますと、
    @同じ系列(パラフィン系・オレフィン系など)の低分子量のものが高分子量のものよりオクタン価が高い
    例:パラフィン系;C4(オクタン価=93.6)>C5(オクタン価=61.9)>C6(オクタン価=24.8)
    A同じ炭素数の場合は、ベンゼン(芳香族)系>ナフテン系>オレフィン系>パラフィン系となる
    Bイソ化合物ほどオクタン価は高くなる
    例:C−C3−C−C(オクタン価=91.8)>C−C2−C−C−C(オクタン価=73.4)>C−C−C−C−C−C(オクタン価=24.8)
    通常イソオクタンの配合量はレギュラーで85%、プレミアムで95%とされる。
    (つまりそれ以外は他の成分ということになります。)
    蒸留性状の意味
     
     
    アンチノック性 オクタン価が高いものほどノッキングしにくい オクタン価に関係
    運転しやすさ 夏の高温時のベーパロックなどの現象は、ガソリンの低温時での
    気化しやすさと、最下段の蒸気圧とに関係してきます。
    10%留出温度に関係
    混合気が濃くなった時の応答性
    (追い越し加速時・登坂での加速・コーナーでの立ち上がりの良さ)や、
    エンジン始動時の暖気性にも影響します。
    50%留出温度に関係
    不完全燃焼を避け、エンジンオイルを汚さないための基準 90%留出温度に関係
    冬などの寒い日に、エンジンがかかりにくいかどうかなど、始動性に関係。原因はバッテリー電圧不足・エンジンオイルの粘度・蒸気圧不足(揮発性が悪くなるため)などがあげられます。この調整は主にガソリンへのブタン(蒸留温度−0.5度C)の増減によっている。 蒸気圧に関係

    含まれる添加剤の意味

    ほとんどの添加剤はエンジンオイル用添加剤と同様な原理で、燃料用に改良されているものを使用している場合もあります。
    清浄剤
    ・ガソリン用
    ・軽油用
    吸気バルブのデポジットを極力少なく保つ。汚れがひどくなるとガソリンの一部を吸ったり吐き出したりする
    スポンジのような働きをするため、空燃比がばらついたりし、滑らかな加速が得られなくなったりします。
    NOx・COの増加にもつながります。デポジット付着は短距離走行でつきやすく、高速走行ではつきにくい。
    すでにひどく付いてしまったデポジットはガソリンの清浄剤では添加量も少なすぎ、清浄化も困難なので
    市販のガソリン添加剤に頼ったほうが効果的。ただし新車からの継続使用には効果的。
    酸化防止剤 基本的にはガソリンのみに使用される。JIS規格のK2287で基準値が設けられている。
    ガソリンの酸化はガム状物質を生成し、キャブレター各部やインジェクターノズル、フューエルフィルターなどを詰まらせたりする。更に摺動部へ悪い影響を与えます。酸化安定性を悪くするオレフィンやジオレフィン(ジエン)を含む分解ガソリンなどの安定性確保によく、分解ガソリンに対し30-60vol ppmが一般添加量。
    ライトガソリンよりヘビーガソリンに多く必要とされる。
    金属不活性剤 燃料中にはないが、燃料が直接触れる銅などの金属によって促進されるガソリンへの酸化・劣化を防止するために含まれます。酸化によって生成するパーオキサイドと反応し、二価の銅イオン(Cu++)と酸化反応の連鎖員であるフリーラジカルを生成する。これがガム物質や沈殿物の原因となる酸化、重合を促進させ、また銅イオンは酸化防止剤と反応し、酸化防止効果を低下させたり、メルカプタンと反応してメルカプト銅を生成しこれによりガム質が増加する。と言うように、銅は結構「悪役」と扱われる。で、この銅と反応して安定した酸化促進効果のないキレート化合物つくれば良いことになる。
    現在、自動車では銅材質に変わり亜鉛メッキが使用されるようになってきており、金属府活性剤が必要となる銅含有量0.01mg/L以下であるから、現実的な用途としては酸化防止剤との併用による相乗効果と言えそうである。
    防錆剤 基本はオイル・LLCなどの防錆剤と同じ。ガソリン中の水分による燃料タンクやパイプの腐食を防止するため。ガソリンメーカーによって随分その効果に差があるといわれる。
    (こういうものが入っているのに水抜き剤などを販売しているスタンドのガソリンはどうなのかな?笑。)
    消泡剤 ヨーロッパのセルフ化したSSやプレミアム軽油用に用いられている。給油口からの吹き返し防止用。
    オイルの消泡剤と同じ原理。日本では?
    潤滑性向上剤 主に軽油に使用されることが多い添加剤と言えます。燃料中の硫黄分削減に絡んで、僅かながら潤滑に関わった微量成分も取り除かれてしまいます。そのために起こる燃料ポンプ等の潤滑悪化を補う目的からも、燃料に入れられるようになってきつつありますが、ただ、基本的には潤滑性向上剤は界面活性剤ですから燃料やオイルとの適合性が重要になってきます。
    セタン価向上剤
    (軽油用)
    燃料の微粒化、蒸発、空気との混合、燃料の熱分解(遊離基の生成)、その遊離基の指数関数的増加による前炎反応および酸化などの化学的な過程と言う「着火遅れ期間」を経て、自己着火が始まる為、化学的着火遅れ期間をコントロール(短く)することで良好な燃焼に重要とされる。
    機構としてはセタン価向上剤は200度C前後で熱分解して遊離基を生成し、燃料自身の熱分解による遊離基の生成とその遊離基の指数関数的増加を先導する為、燃料の自己着火性が向上することになる。
    1980年代、欧米での分解系軽油の混合で使用が一般化されるようになったが、日本では徐々にで、本格的に使用されていない。今後大気汚染物質を減らす目的で検討されるようになってきている。
    アンチノック剤・
    オクタン価向上剤
    =ガソリン用)
    環境問題と安全性の面から、アルキル鉛は現在使用されていない。そのため代替となるアンチノック剤や
    オクタン価の高い分解・改質ガソリンの割合を多くしたり、無鉛のMMT(メチルシクロペンタディエニールマンガントリカルボニル)などが使用されたりするが、基本的には含酸素化合物のMTBEが通常使用される。その他、ETBE(エチルターシャリブチルエーテル)やメタノール、エタノールなど。
    上記MMTも有機金属で、有機金属がアンチノック性が高いことから(有鉛ガソリンもその1つだが)
    鉄の有機金属化合物のフェロセンなどもアンチノック性が高いが、これらは環境問題に関わる化学物質とされ、
    使用には注意が必要。
    無鉛ハイオクに一般的に添加されているが、添加濃度でオクタン価は3ー9程度変わると言われる。
    ただ、MTBEについてもはヨーロッパやアメリカでも使用低減や禁止がされる傾向にある。
    代替品としてはETBEやエタノールがあげられるがまだ検討課題は多い。
    なお加鉛効果は直留ガソリン(パラフィニック)に効果があり、
    改質・分解ガソリンのように、芳香族やオレフィンが多くなると効果は小さくなる。
    エタノール・メタノールなどでは添加量と蒸気圧への影響があり下記図(構造式はMTBE)のとおりとなる。
    オクタン価向上剤は、炭化水素の酸化の過程において何らかの機構でラジカル濃度の増加を抑えることにより「自己着火」の抑制を行い、ノッキングを防いでいる。
    MTBEなども反応過程中のラジカルが比較的安定なHOO・となるためと、連鎖分岐反応がほとんどないため、ラジカルが増加していない事がその役割と思われる。
    低温流動性向上剤 日本では1980年代から軽油・A重油に使用されている。平均分子量1800-4000のエチレンと酢酸ビニルの共重合体(EVA)が主流で、EVA含有量は20%から最大40%。これを高沸点芳香族剤を溶剤として60%濃度程度に希釈され商品化されている。軽油やA重油は20%ほどのパラフィンを含み、低温になると燃料自身の溶解力が低下し、溶けにくいパラフィンが曇点を境に燃料から分離し始める。分離したパラフィンは集まって結晶化を始め、パラフィンが直鎖の構造上、横方向に成長し最大500mμの強固なひし形板状になり、この結晶が1%以上になると燃料はフィルターを詰め、自身もゲル化し流動性がなくなる。
    EVAは重い(炭素Cが25個以上の)パラフィンとエチレンの幹がはじめに共結晶しパラフィンが横方向に成長し広がろうとする側面に共結晶の原理で張り付く。ビニルの側鎖がさらなる結晶化しようとするのを立体阻害する。その為、横に行き場のなくなったパラフィンは縦に重なりながら結晶し、針状となる。さらに、この共重合体は結晶の側面に吸着し結晶同士の重なりを防ぎ、ゲル化を防ぐことにより流動点も降下させるという原理。
    着色剤 「ガソリン」と言うことがわかるように色が着けられています。
    制定はJIS K2202−1952年で最初は赤色。毒物の含まれる加鉛ガソリンは
    赤・青・緑・茶・紫色などあったが、着色の色は変遷を経て、1986年改定で加鉛ガソリンが廃止で無鉛ガソリンは現在のオレンジ系色となる。着色には金属を含まない油溶性のアゾ系の染料を用いることが多い。

    燃料油添加剤の種類と用途
     
    LPG ガソリン ジェット 灯油 軽油 A重油 C重油 添加量(ppm) 日本での使用状況
    アンチノック剤 500-600 1983年以降完全無鉛化、プレミアムに
    MTBEが配合。
    SSやユーザー段階でも使用
    酸化防止剤 50-60 灯油、軽油はほとんど未使用
    金属不活性剤 5-6 灯油、軽油はほとんど未使用
    清浄剤 500-600 軽油はプレミアムなどで使用
    また、SSやユーザー段階でボトルで使用
    防錆剤(腐食防止剤) 50-60 軽油はほとんど未使用
    着色剤 5-6 オレンジ色(JIS)
    着臭剤・芳香剤 50-60
    帯電防止剤 50-60
    低温流動性向上剤 100〜500-600 冬季用(約4000-5000t/yr)
    セタン価向上剤 500-600 軽油はプレミアムなどで使用
    また、SSやユーザー段階のボトルで使用
    潤滑性向上剤 軽油は低硫黄化(500ppm)以降使用
    また、ユーザー段階で使用
    識別剤 1 クマリン(法規制)ディーゼル車の脱税防止用
    消泡剤 50-60 プレミアム軽油
    氷結防止剤 1000
    水抜き剤 ユーザー段階で使用
    煤煙防止剤 ユーザー段階で使用
    助燃剤 ユーザー段階で使用
    スラッジ分散剤 ユーザー段階で使用

    燃料用添加剤の主な種類
    堆積物改良剤 トリクレジルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、ポリブテン、ポリプロピレン
    アンチノック剤 4アルキル鉛系(TEL=四エチル鉛、TML=四メチル鉛、それらの混合物)、MMT、含酸素化合物系(MTBE、ETBE、メタノール、エタノール)
    酸化防止剤 2,6−ジ-t−ブチル−4−メチルフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、その他
    金属不活性化剤 N,N−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、N,N−ジサリチリデン−2−シクロヘキサンジアミン
    清浄剤 リン酸アマイド、モノカルボン酸のアミン塩、イミダゾリンとアルキレンオキサイドの縮合物、アミノ直鎖アルカン類、
    アルキルアミノリン酸塩
    腐食抑制剤 アルキルホスフェートアミン塩、脂肪族アミン、脂肪酸エステル
    氷結防止剤 オレイン酸アマイド混合物、アルキルアミノホスフェート、脂肪族アミン塩
    流動性改良剤 ハロゲン化ポリアルキレン、ポリアルキレンアセテート、ポリアルキレンオキサイドポリアミン、脂肪酸のアルミニウム石けん
    セタン価向上剤 硝酸アミン、硝酸アルキレン、2,2−ジニトロプロパン
    煤煙防止剤 過塩基価バリウムスルホネート、有機マンガン化合物
    スラッジ分散剤 アルキルアクリレートとアミノアクリレートの共重合物、アルカリ土類スルホネート
    潤滑性向上剤 アルキルアミン類、脂肪酸類、脂肪族アミド類、脂肪族エステル類
    <参考資料:「オートケミカル」日本オートケミカル工業会(幸書房)、その他>

    水分除去剤(水抜き剤)について

    ガソリン・軽油などに水分除去剤(あるいは清浄剤)を勧められることがありますが、可否は別として、これらに含まれる成分が
    どのようなものか気になります。
    基本的な成分は
    1.水分溶解性成分
    2.防錆剤
    3.分散剤・界面活性剤
    になり、それぞれを下記にあげます。
    1.水分溶解性成分
    水分除去剤はアルコール系溶剤が使用され、イソプロピルアルコールやメタノールが使用されています。
    水分の進入は、スタンドまでの搬入経路やスタンドでの混入、保管中の大気中の水蒸気の結露によるもの、
    雨天給油時に車体についた水分が入ったり、雨の飛沫が入ったり、さらには洗車などの手入れ中に入ることがあり、
    完全にシャットアウト出来ません。
    常温で100ppm程度含まれる場合は、2層に分離し、遊離状態でガソリンに含まれますが、水分は普通約0.1%程度
    ガソリンタンクにあると言われていますので、遊離状態になり、長期的にはタンクや燃料系統のパイプの腐食を促進し、
    燃料フィルターを詰まらせたりと、エンジン不調の原因になることがあります。
    2層状態に溶媒(この場合アルコール系)を加えることによって、少量の水分の場合はガソリンは単一層になります。
    またそれ以上の水分があっても、水分が余分に溶解しますので遊離水を強制的にガソリンに溶け込ますことが出来ます。
    水分を含んだままで燃焼室に運ばれるため、水分除去が出来たことになります。
    2.防錆剤
    錆の発生が水分によって起こりやすくなることはご存じでしょうが、同時に錆の発生は界面活性剤の分解を起こし、
    スラッジ、ガム質の発生を促す結果ともなるようです。
    つまり、錆が発生しなければ、界面活性剤の効果も維持されることになり、
    防錆剤が働くことで、2次的にスラッジ、ガム質の発生も押さえられることになります。
    スラッジ等はフィルターの目詰まりになりますので、出来るだけ除去する方が良いことになります。
    防錆剤は金属表面に防錆皮膜を作るように入れられています。
    防錆剤入りのガソリンも市場に現れてはいますが、
    燃料添加剤として防錆剤が含まれている方が一般的な傾向と思われます。
    3.分散剤・界面活性剤
    分散剤はガム質、スラッジ等をガソリン中に溶解して、ガソリンと共に燃焼させ、燃えた後の再付着防止を目的としています。
    防錆剤に分散剤機能を持たせた製品もあります。
    界面活性剤は分子中に親水基と新油基を持ち、この場合はガソリンと水分の境界面に吸着して、それぞれが層を持つ為に
    必要な力(界面張力)を著しく低下させることによって、ガソリン層に水分層を取り込んで溶解させる働きがあります。
    この時には水分を含んでも乳白色にならず澄んで透明にする効果もあります。
    なお、界面活性剤は、
    水溶液中の解離イオンの性質によって、陽イオン(カチオン)、陰イオン(アニオン)、非イオン、両性界面活性剤に分類され、
    溶媒によって、防錆性、清浄性、分散性、乳化性その他(油性・水分離性・泡立ち性)に関与します。
     

    工事中



    参考資料:「PETROTECH」第24巻第2号〜9号(2001年)、「ENGIN TECHNOLOGY」Vol3.No.2、2001、
    出光興産資料、ナプロ資料、その他

    注:資料内容が古い場合があります。


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