ラテンアメリカ周遊旅 7
予定外のホンジュラス
最初の予定よりベリーズ滞在を短くしたため、少し日程に余裕ができた。そして思いつきでホンジュラスに行くことにしたのだった。急に決めたため、予習不足だったが、小さい飛行機で共に旅をした一人が、ホンジュラスの首都、テグシガルパの住人だった。
「セントロ(町の中心部)は、治安があまりよくないから、気をつけた方がいいよ。昼間はいいけど、夜7時を過ぎたら、一人歩きはやめた方がいいね」
うーん、7時とはまた、早いなあ。その早い区切りが、不安を与える。

二つ目の国の入国もまた、バリバリ肩に力が入っていた。空港からタクシーに乗って、予約したプラド・ホテルに行く。セントロは、道が細いのに、車があふれていて、かなりひどい渋滞を引き起こしていた。ホテルの前は、駐車スペースもなく、後続車がプープーと警笛を鳴らす中、運転手さんが、慌てる様子もなく、スーツケースを下ろしてくれた。どうやら、そんな闘いは日常茶飯事のことのようだった。
プラド・ホテルに一歩足を踏み入れた私は、やたら嬉しくなった。このホテルの第一印象がこれほどいいのは何故なんだろう。ベリーズとは正反対に、フロント・スタッフの笑顔がとてもいい。町の老舗ホテルのロビーは、常連客が多数いて、活気に満ち満ちていた。何人ものお客を、数人のスタッフが手際よく、けど、笑顔いっぱいのホスピタリティーでさばいている様子がとてもいい。それを見ているだけで、なんだかとっても幸せな気分になれた。
そしてその笑顔は、東洋のオバサンにも同じトーンで向けられた。ホテルは、料金の割には小さい部屋ではあったが、ベリーズのホテルと違って、ドアマンやベルボーイや、フロントやレストランのスタッフが大勢いて、ホテル全体が活気に満ちていた。

ベリーズでは、不発に終わった観光だったが、今度は成功させたい。だからまずは、フロントでツアーの有無を尋ねた。しかし、ベリーズと同じく、定期観光ツアーや市内地図などはなく、ちょっと不安がよぎる。フロントで、観光の相談をすると、すぐにマネージャーに連絡を取ってくれた。待つことしばし、ブランカという女性マネージャーが事務所から降りてきて、にこやかに握手しながら挨拶してくれた。
「どんなツアーに行きたいのですか」
「ラ・ティグラ国立公園に行きたいです」
「分かりました。私の知り合いに、とてもいいガイドさんがいるので、彼女を紹介します」
やがて、ガイドさんと連絡が取れたらしく、ブランカは私を呼んだ。
「今、あの電話にガイドさんが出ているから、直接お話するといいわ」という。
こんな風に紹介されちゃうと、値切りにくいから、料金が心配だな、と思っていたが、聞いてみると、拍子抜けするほど安かった。ラ・ティグラ国立公園への一日ツアーは、40ドルだった。翌朝の出発時間を決めて、ツアーが成立した。
しかし、やはりラテンアメリカ、ことはそう簡単には進まなかった。
8 ノスタルジーのテグシガルパ