アマチュアリズムについて少しばかり

 アマチュアリズムについて、少しばかり。
 やみいちのHPの方に、アマチュアリズムについていくらか書いてありますが、ここでもう一度簡潔に書いときます。
 私がやみいちでアマチュアリズムにこだわる理由は主に二つ。
 一つは、演劇全体の底上げということ。いい芝居がたくさん観たい、と。そのためには、きちんとした層の厚いアマチュアがあった方がいい。そしていやしくもプロを名乗る連中には、名実ともに頂点に君臨するにふさわしい存在であってほしい、ということ。
 世界最強リーグセリエAなんかは、まずプロリーグ全126チームの頂点であり、さらにその下にはそれこそ無数なアマチュアチームによる地方リーグがあるわけである。ヴィエリだってデル・ピエーロだって、始めは一番下からスタートしたはずだ。もっともデル・ピエーロなんかは12歳でセリエBのチームにスカウトされてるけど。これはこれで問題かもしれんわ。
 しかし、やみいちのパンフでも書いたけど、内輪ネタで笑いをとるくらい、我々にだってできるわ。できるけど人様には見せんわそんなもん。お金とって見せる奴はプロなんだから、もっと凄いことを求めたい。最大のスポンサーは冠企業じゃない。お客さんだろうが。ファンクラブじゃなくって、ソシオだと思いなさい。
 もう一つは、このような形態もあり得るし、このような形態でなら仕事をもった人間でも演劇的行動をそれなりに続けられることを、示したい、ということ。サラリーマンでもできるような演劇的行動というものを。そして趣味で演劇的行動を続ける大人が増えて欲しいのである。
 そして、英国のように、とまでは行かないまでも、演劇というジャンルがごくありふれたものになってほしい、ということ。カラーテレビにしたって色は色々あるように、演劇的行動にしたってイロはイロイロあってほしい。その方が広がり、強くなる。いけないかしら、ねえ。
 だからこれももちろん全体での底上げにつながるわけであるが、それよりそういう同志が増えれば自分自身やりやすくなる、というのが大きい。
 今のところ何の効果も見られないので、あいかわらずこそこそ会社に隠れてやっているけれど。私の場合は理解あるメンバーに恵まれたことも大きい。無茶苦茶なタイムスケジュールでの公演を一緒にやってくれるんだから。
 メンバーの皆さん、本当に愛してますよ。
 …まあラヴは置いておくとして、一回自分で舞台に立ってみれば、芝居の観方はかなり変わるはずだ。楽器をやると音楽の聴き方が変わるように。見所が増えるのは結構楽しいことだ。
 だからやみいちを観て、「これなら自分にもやれるかもしれない」なんて思う人がもしいたら、私は嬉しい。 
 お客さんには常に、作る側として演劇的行動に関わるようになり得る、という、位置エネルギーみたいなものがある。だから我々はお客さんからあれだけのエネルギーを得られるのではないか。
 頂いたエネルギーは色んな形で還元していきたい。
 もちろん、舞台に立つとまではならないまでも、「積極的お客さん」になる、なんてのも有りだと思う。ただ座って面白がらせてもらうだけ、よりも、面白いよ、その方が。
 結構長くなってしまった。この辺でストップ。

 なお、上記のやみいちHPでの私の文章へは、ここからも行けます。

@桶雅景独占インタヴューへ
A「ノオト1」へ

 追記@
 上記内容の裏には、もちろん、ばりばり現役でたくさん動員して(お金とって)る人たちへの、長州力流に言うところの「ジェラシー」があることは言うまでもない。我々はかませ犬ですらないんだからさあ。
 追記A
 お金を取って、「経営」していくことにより、別種の「厳しさ」が生ずるであろうことは理解(というか想像は)できる。逆にアマチュアゆえのお気楽さ、無責任さのようなものについては、これはもうよーく理解している。夢に向かってドボンと飛びこむようなことができる人には本当に頑張って欲しいと思います。が、反面、まず生活の、或いは心身の、安定を第一に置くのも、もちろんありであるし、そういうタイプが一方的にお客に回らなきゃいけない、というのはちょっと寂しいかな、ということです。

嘆キッス・その他目次へ