デウリング
ビクター音楽産業 発売日1987年2月下旬 プレイ機種PC8801版
このゲームが発売された1987年当時、まあ、ちょっとは気になったソフトだった。不気味な洋館を探索し、アーニャを助け出し、吸血鬼を倒す・・・。うん、ありがちだけど、結構面白そうではある。そんで、グラフィックも結構気持ち悪い感じのやつで、200ライン独特の荒い絵なんだけど、まあ、味がありました。なんていうか恐そうな雰囲気があった・・・。だけど、雑誌ではあんまり紹介されなかったし、売り上げのランキングとかもよくなくて、あんまり売れてないみたいだったんで買わないまますっかり忘れてました。
そして、1993年になって、大学の先輩に88のソフトをもらったんですが、その中の1つがこれでした。だから手に入れたのは、発売から6年後、ずいぶん遅かったですね。
ある夏の寝苦しい夜、主人公の夢の中に大学の恩師の亡霊が現れ、吸血鬼たちに自分は殺され、屋敷がのっとられたと告げる。そして、捕らえられている娘のアーニャを助け出して欲しいと頼む。アーニャ救出の手助けのために、やはり捕らえられている召し使いを助けだせと告げる。それで主人公はわざわざ飛行機に乗って、その大学の恩師の家まで行くわけですな。
こういうストーリーがあるわけですけど、どうしてだろ、ちっとも主人公に感情移入できない。この主人公が、どういう人物かちゃんと設定されてないせいかなー。ちがうな。物語の中で、どういう性格の人物かが出てないというか・・・あ、わかった!主人公が、ちっとも喋らないからだ。喋れば、どういう人かもわかるし、感情移入もできるんだけど、状況説明の文とコマンド選択だけのゲームだから駄目なんだ。 きっと。
内容はね、なんていうか感動とかそういう深いものはないです。面白いっていうよりもただ終わらせる事だけが目的のゲームと感じるようになるし、終わらせても感動じゃなくて、ほ、やっと終わったという感じで、よく言えば、達成感なんですけど、うーん、でも達成感て言うほどのものでもないような・・・。たとえて言うなら、〈イマイチできのよくない〉ゲームブックをやっているような感じといえばわかるかな。コマンド総当たりで解けないようにしてあるのはいいんだけど、ただの意地悪としか思えない言葉の入力とかあるし、運が左右するようなところもあるし、まあ、暇だったらやってもいいかなって感じのゲームじゃないかな?
豚の料理長が一番有名かな、印象深いし。あとミイラ男とか美人形とか記憶に残るけど・・・。コマンドを一つ間違えると一瞬にしてゲームオーバーなんですけど、以前は恐いストーリーのゲームはそうじゃなきゃと思ってました。でも今では別にそうじゃなくても恐いストーリーの良いゲームいっぱいあったと思います。それにこのゲーム、あちこちにギャグが散りばめられてるんですけど、それも気に食わない。やっぱり、最初から最後まで、シリアスでいって欲しかった。で、結局物語りに奥行きがないから、全然感動しない。パソコンにして7800円も出すゲームじゃないなこりゃ。ゲームブックであまってると思うよ、まじで。グラフィックの雰囲気はともかく質は1987年当時からみてちょっと足りないくらいかな。このころのアドベンチャーといえば、ジーザスやガルフォースなんかがあったけど・・・んー、やっぱ、見劣りするね。だいたいさ、このゲーム、答え知ってたら10分で終わっちゃうよ。ほんとに。7800円のゲームが10分で終わった日にゃ、あなた、悲しすぎる・・・。
僕の心の偏差値 45 (話に奥行きがなさ過ぎるよ!)
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