鋼鉄の騎士
ジェネラルサポート 発売日1991年1月25日 プレイ機種PC-9801版
このゲームを作ったジェネラルサポートっていうのは、あの、けっこうすごいシミュレーションの「太平洋の嵐」をデザインした阿部隆史さんが(たぶん)つくったソフトハウスだったと思う。そしてずっと、すごく緻密なソフトを作り続けてる。そのジェネラルサポートの1作目がこの鋼鉄の騎士だった(はずだ)。そんで「太平洋の嵐」はすごかったし、ログインでもよく取り上げられていたんで、1991年の6月に、日本橋のソフマップで新品で買った。
パッケージの裏の説明には、「鋼鉄の騎士は、第二次世界大戦のヨーロッパにおける戦車戦のシミュレーションゲームです。プレイヤーはドイツ機甲部隊の戦車中隊指揮官として部隊を指揮し、各シナリオに定められた勝利条件の達成を目指します。」とある。まあ、そういうゲームだ。このゲームのシナリオは、全部で20あり、そのシナリオごとに細かい戦闘までの当時の状況説明が入る。この説明がまた、とっても臨場感あふれるというか、細かくていい感じだと思う。そうそう、91年の後半にはシナリオ集の「鉄十字章」が出されている。
ワイヤーフレームで描かれた戦車のグラフィックが超渋い。距離や熟練度で計算される命中判定や貫徹(戦車砲が装甲を貫いたかどうか)の判定は細かくて、何かしらリアルだ。基本的には、部隊を二つや三つに分け、一方が敵の正面にむいてる間にもう一方が敵の側面から撃つ!というのが基本だと思うんだけど、前半のドイツの戦車(3号戦車と4号戦車)はけっこうヘボくて、敵に正面からでもやられるし、敵を横から撃っても貫徹しないことも多い。それでもイギリスの戦車なんかはまだいいんだけど、ソ連のT-34が出てくるとしんどい。シナリオ3の「バルバロッサ作戦」がいちばん難しかった。逆に、シナリオ11の「連合軍イタリアに上陸す」やシナリオ15の「マーケットガーデン作戦」は正面を向けてれば、敵に至近距離から打たれても貫徹しないの待ち伏せするだけで楽勝だったけど。
このゲーム、太平洋の嵐と一緒で、基本的に音楽がない。そのへんちょっとさびしいきがするが、たぶんこのゲーム(というかデザイナー)のコンセプトがそういうところで楽しませようとは思ってないんだと思う。それはまあそれで良いのかもしれない。ただこのゲーム、20のシナリオからできてるけど、全部をまとめたキャンペーンのシナリオはない。つまりどんなに勝ってもそのシナリオきり・・・。それによってそのあとの展開やエンディングが変わるとか、そういうのはない。残念だ。まあ、このあとの「ソロモン海戦史」ではこの点は改善されたけど。あと当然のことだけど、やっぱり対人でやるととっても面白い。ただ一つのシナリオをやるのに6時間くらいかかるのはつらいし。一台のコンピュータでやると相手の順番のときはモニターを見ないようにしながら交互にやらなくちゃいけないのがちょっといやだけど。あと「太平洋の嵐」もそうだったと思うけど、このゲームたぶんベーシックで書いてある。1991年ってことを考えると、すごいことじゃないか?
2号、3号、4号戦車・・・弱い
3号突撃砲・・・意外と役に立つ(特にG型)
エレファント・・・強いけど遅すぎ。
ナースホルン・・・すぐ壊れる
パンター、ヤークトパンター、ティーガーT型・・・バランスの取れた強さ
ラング・・・砲身がピヨーンと長くて印象的。個人的にいちばん好きだ。
ケニッヒスティガー、ヤクトティーガー・・・最強
ヘッツアー・・・いまいち使えない
マチルダ、BT、クルセーダー、バレンタイン、クロムウェル、チャーチル・・・雑魚キャラ
T-34・・・いやな奴
KV85、ファイヤフライ、ジャクソン、ジャンボ、スターリン、パーシング・・・後半のそこそこ強い奴ら
僕の心の偏差値 61 (全体として古臭いけど内容は今でも通じると思う)
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