MISTY日記


いやなごはん



話は僕の集中講義があった1月末にさかのぼる。
集中講義は、3日間(4限+5限+4限)で13コマ
つまり、13×1.5時間で19時間半にもなるでしょ。

だからね、よっぽど真面目な子とかじゃないと、そんな時間は潰せない。
(ほんとは潰すとか考えずに授業を受けるべきなんだろうけど・・・)
だから僕は本を借りたんだ。5冊ね。
でも、普段本を読まないせいか、思ったより読めなくて、

1冊しか読み終わらなかった。
で、面白そうな本だし、読まずに返すのもなんだし、
2日くらい家の中にこもって読書をしようと考えたわけだ。

ぼくは、できれば集中して読みたかったんで、
食事のために外出しないですむように、食べ物をいっぱい買い込んできて、
ご飯を5.5合。炊けるだけ炊くことにした。
そんで、お米を磨いで炊飯ジャーにセット。

はじめは、次の日の朝に炊き上がるようにタイマーを
セットするつもりだったんだけど、お米をを砥ぎおわったら、
いつもの癖で、そのまま炊飯スイッチを押してしまったんだ。

15分くらいして、それに気がついた。
だから、炊飯を解除して、中を見た。そしたら、少し炊きかけだったんで、
水を少し足して、ちょっと不安だったんだけど、
あらためて、次に日の朝にタイマーをセットした。

そして次の日、炊きあがったご飯を見て僕は驚いたね。
ご飯の上の方は固いの。とっても。固いご飯というよりも、
芯が残ったっていう感じで・・・とても食えない・・・。

僕は思ったね。「この大量のご飯をどうしよう・・・」
そうだ!チャーハンだ!チャーハンにすれば食えるに違いない!!
そう思って、チャーハンの素を買ってきて、チャーハンにした。

が、しかし、チャーハンにしようと、固い米は固いまま・・・
・・・駄目だこりゃ・・・。失敗だった。
「仕方ない、もう一度炊き直そう」そう思って、
水を、じゃばじゃば入れて、炊飯。・・・炊き上がる。
でも、水は、じゃばじゃば入ったままだし、米は芯が残ったまま・・・
失敗だ・・・。

そうだ!確か芯が残ったご飯は、日本酒を入れて
炊き直すといいって聞いたぞ!!
このころになると僕は、この大量のご飯を
まともなご飯として食べられるとは思っていなかった。
「せめて、おかゆ状態にならないものか・・・」そういう気持ちだった。

そして、日本酒を入れて炊き直すこと1回・・・2回・・・3回
駄目だこりゃ・・・ちっとも状態が変わらない。
それどころか・・・酒臭くって・・・
さらに食べられそうになくなってきた・・・

もういい、諦めよう・・・こんなに大量の米を捨てるのは、
なんか気が引けるが・・・食えないものはしょうがない
明日、捨てよう・・・。そう思って寝ました。

そして次の日の朝、捨てようと思ってジャーを開けると・・・
あれ!米の芯がなくなってる!
もぐもぐ・・・このまま食うのは、酒臭くってちょっとかなわないが、
取り合えずおかゆ状態になった・・・食えるかもしれない。

「よし、芯が無いのなら今度こそチャーハンにできるだろう」
(チャーハンにすれば酒臭さも抜けるだろう)
そう思って、再びチャーハンの素を混ぜていためる・・・・。

しかし、炒めながら混ぜてるうちに、おかゆ状態の米は、
だんだんと、ひとかたまりになっていった・・・。
「・・・なんだか・・・おかしいぞ・・・」

そして、2分後、奇妙なものが出来上がった。
香りはチャーハンだ。しかし外見は・・・
餅?何といおう?すごく柔らかいチャーハン味の餅?

かき混ぜるうちに一塊になってしまった。
それをお箸でちぎりながら食う・・・。
食えないことはないが・・・こんなの生まれてはじめて食った・・・。

「チャーハンにはできない・・・やはりおかゆとして食べよう」
そう思い、次は、土鍋にその「酒臭い物体」を入れ、
卵と・・・なにを入れよう?だいたいおかゆって、
なにを入れたらいいんだ?

わかんないや・・・あさげ(味噌汁の素)でも入れとこうか・・・
・・・完成・・・食す・・・しかし、マジでまずい。
・・・悲しくなってくる・・・なんで俺こんなもん食ってるんだろう。
「飽食の時代とか言われてるのに・・・
・・・こんなの食ってるの俺だけだぜきっと」
・・・そう思うと、なんだか涙が出そうになってくる。

そして、もう最後だ、これで駄目なら捨てよう・・・・。
そう思って、土鍋にその「酒臭い物体」を入れ、
卵と醤油と塩をいれる。煮立ったところで出来上がり。
シンプルにしてみた。

もぐもぐ・・・ほう!これは行ける!
はじめてまともな料理になったじゃないか!
そして、その食べかたで、その「酒臭い物質」を消費していった。
そして、あと一食分になったときのこと。

例によって、土鍋に卵と醤油を入れた。
ここであらかじめ知っていて欲しいのであるが、
僕は焼き肉はタレで食べるより、塩コショウで食べる方が好きだ。

で、最後の一食分を作っていたとき、僕の目に塩コショウが止まった。
塩の変わりに塩コショウを入れたらもっと美味しくなるんじゃないかな?
・・・やってみよう。

あとは、それまでと同じようにして・・・完成。
よし、どうだろう・・・?
パク・・・もぐもぐ・・・?
パク・・・もぐもく・・・!!!!!

「おえーっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うえっ、うえっ、うえっ!!!!」
(ガラガラガラ、ペッツ)←うがいの音。

信じられない味だった。あんなまずいもの食ったことない・・・
いや、まずいっていう言葉では甘すぎる。
ご飯と塩コショウがあんなに相性の悪いのもだったとは・・・。

それから、しばらくは、コショウの香りを嗅いだだけでも、
吐き気をもよおした。
今でもあの味を思い出すと気分が悪くなる・・・

ちゃんとした食べかたわかったんだから、
そのまま食っとけばよかったのに・・・ちょっと探求心を
出したばっかりに・・・
いずれにしてもひどい食生活の4日間でした。

後日、この事を友人に話すと、
「・・・チャーハンの素じゃなくて、雑炊の素を買えよ」って言われました。
・・・確かに。

おわり。