中小企業のためのフィリピン進出への

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20年近く昔、フィリピンがまだちょうどマルコス政権であった時代、京都のある全国大手企業が海外生産拠点建設を計画しました。東南アジア諸国の内10国が候補にあげられ、最終建設国をプロジェクトチームが決めるように命じられ調査に入りました。しかし、その時フィリピンはその10国の中にすら入っていませんでした。当時、フィリピンは検討にすら値しない国だったのでしょうか ?
その時代は別にして、現代、中小企業が海外生産拠点を持つのにフィリピンが何故お勧めなのか、現実を理解していただき、少しでも検討のお役に立てばと思います。

見出し


1. そんなに悪くない治安
 ◇若王子氏誘拐事件
 ◇壊されない街灯
 ◇たかり
 ◇ただの無知
2. 政情安定
 ◇もう起きないクーデタ
3. ダーティーなイメージはもう古い
 ◇マニラ・・ツアー募集
4. 日本にもっとも近い東南アジア
 ◇飛行機で3時間少し
5. 英語が共通語
 ◇英語はエリートだけのものでない
6. 豊富な労市場
 ◇多い理工系大卒者
7. 手先が器用・目が良い
 ◇勤勉
 ◇最高のマンパワー
8. 作業者として使い易い
 ◇恐いほど従順
9. 多くの親日派
 ◇戦争被害国
 ◇なかった民族教育
 ◇個人レベル交流 国際結婚
10. 海外投資に対する数々の優遇・保護政策
 ◇おこしやす フィリピンへ
11. てこ入れするアメリカ企業
 ◇東南アジアの中心地
12. 整備されたインフラ
 ◇停電の無い工業団地 FPIP
 ◇建設進む 電車・SKY WAY 高速道路


本文
1. そんなに悪くない治安

◇若王子信行三井物産マニラ支店長誘拐(1986年発生)で代表される事件で、フィリピン=危険・恐い と言うイメージが先に立ちます。確かに昔はその様な事がありました。
◇訳の解らない犯罪はフィリピンにはありません。しかし、、昨今の日本は子供が校庭で罪なく遊んでいて、理由なく殺される時代です。こんなに恐ろしい事はありません。直接的な理由なく決して人を殺しません。誘拐は純粋にお金の為であり、お金さえ(値切っても)払えば危害を加えられる事はありませんし、金額相場等の暗黙のルールもあるといわれています。今や、日本人が狙われる事はめったにありません。ましてや、中小企業の経営者など考えられません。
◇壊されない街灯。公園等にポールの街灯がよく立っています。日本では石を当てたりしてガラスグローブがよく壊されます。そこで、仕方なく細いステンレス棒で籠を作り中の水銀ランプを保護しています。フィリピンではその心配が無い様です。透明のガラスグローブが壊されているのを見た事がありません。
◇お金をたかられる事はまれにあります。しかし、身に危険を感じた事は一度もありません。2、3回経験すればこちらも慣れてしまって、『憎めない彼ら』に気が付きます。私の事ではありませんが、私の友人が帰国時空港で、職員にお金をたかられ、長時間すったもんだした末、あきらめて渡しました。その後、その職員はレストランに友人を連れて行き、そのお金からラーメンを一杯食べさし、延々と、なぜ自分がこのような事をするか、ぼやき半分の説明を聞かされたとの事です。その内容は例の如くの定番であった事は言うまでもありません。→ 別編 『生活雑記』参照
◇日本でも無知で行動をしたり、非常識な事をすると危険な事に巻き込まれる。いや極端な話かも知れませんが、私は日本人がフィリピンを恐ろしい国と思う事は『ただの無知』でしかないと考えます。確かに事件はありますが、理解できない事件はありません。 To Top

2. 政情安定

◇どこの国に進出するかを検討する際に、極めて重要なポイントは政情が安定しているかと言う事です。事実、アキノ大統領までの間は、戒厳令はひかれるは、クーデタは多発するわで大変な国でした。しかし、ラモス大統領で様相はすっかり変わりました。昨年からのエストラーダ大統領も基本方針を受継ぎそれなりにやっています。国民の殆どは、フィリピンが立直った事を実感しそれを大切にしなければならない事を学びました。もう簡単にクーデターが起きる国では無くなったと思います。 To Top

3. ダーティーなイメージはもう古い

◇灯の消えたネオン街 昔は観光客収入を大きな財源に考えてきたフィリピンが、今は外国企業の投資・生産拠点の進出で経済の建直しをしょうと考えています。観光客としての外国人ではなく、仕事のために滞在する外国人に対して住み良いフィリピンを作ろうとしています。その為、昔、日本人でにぎわったマニラ市内の大歓楽街は一斉強制撤去にあい、今やゴーストタウン化しています。日本の都市とは比較にならない程健全なマニラって信じられます。しかし事実、最近、昔の様なマニラ・・ツアーを募集している旅行会社を見かけますか? To Top

4. 日本にもっとも近い東南アジア

◇飛行機で3時間少し 私は京都ですので京都からの例を上げますと。京都からJR『はるか』で関西空港へ、タイ航空でマニラ国際空港へ行きます。朝少し早いですが(自宅7時前)、1時間の時差もあり、昼すぎにはもうマニラに着いています。午後に十分予定を入れられます。帰国日も午前半日は予定が十分入れられます。飛行機代も格安で往復すれば5万円前後です。何回も往復をしなければならない事になりますので、近いと言う事は大きなメリットになります。 To Top

5. 英語が共通語

◇日常的な会話はすべて英語が通じます。一部のエリートだけでなくワーカに至るまでの話ですからその利点と言うのは計り知れません。私達日本人は、いくら苦手でもその他の第二国語から考えれば比較に成らないくらい英語に親しんでいます。最低義務教育で3年間学んだ事は大きいと思います。 To Top

6. 豊富な労市場

◇潜在的な失業者まで含めると30%に達すると言われています。大学進学率も高く、特に理工系大学の卒業者が豊富にいます。 詳細→別編 『労働事情』参照 To Top


7. 手先が器用・目が良い

◇少し不思議られるかもしれませんが、フィリピン人は本質的に勤勉だと思います。特にワーカはハッキリと言えます。体験や環境から働く事の厳しさを学んでいます。働いてやる、働けて当然と言う甘い考えは持っていません。彼らはいつも命懸けで仕事しているとさえ言えます。本来仕事とはそういう性質のものであろうと思いますし、それでこそ働く事の大切さを学び、人間として生きる素晴らしさを知る事が出来るのではと思います。
◇動物的感覚が残っています。長時間目をつかってする精密な作業にも絶えられる能力をそなえています。民芸品に見られるように本当に手先が器用です。自動化ラインで作れない少量単品を、手先で作るような作業に向いています。要するにマンパワーが中心となる生産作業工場には持って付けだと思います。別編『生活雑記』参照 To Top

8. 作業者として使い易い

◇決してごじゃごじゃとした事はいいません。本当に不思議なほど従順です。当然その反面その事がマイナスに出る事はありますが、扱い易い事は絶対です。 To Top

9. 多くの親日派

◇特に日本近隣諸国では、戦争時をベースにした対日感情が深い所で問題になる事があります。当然日本の犯した戦争の過ちによって多くのフィリピン人を殺し傷付けたことは事実ですし、その事を真摯に受け留めておかなければなりません。
◇戦後アメリカが教育指導した関係上、民族教育をベースとした、日本の戦争責任追求を教えなかった関係もあり、他の近隣諸国と比較して極めて反日感情が薄いと言えます。『昔自分達に悪い事をした日本人だから、これくらいの事をしても許される』と言うような感情はまったく見受けられません。もしそれに類するような事があったとしても、決して彼らはその様には考えていません。それは、『豊かな日本人だ、貧しい自分が、これくらいの事をしても困らないであろう』と考えている事が普通です。
◇戦後、日本とフィリピンほど、民間レベルの交流が進んだ関係は他にありません。政府間・企業間の交流以前に個人レベルの関係が進み、多くの国際結婚が実っています。そのため、良い事も悪い事も本音の日本をフィリピン人は知っているのです。いまや、日本人は信頼できる、紳士だと尊敬すらしてくれています。戦後の混乱の中からフィリピンを追い越して工業化が進み、豊かな経済状態を作り上げた事にたいし、謙虚に学ぼうと言う意気込みさえ感じられます。 To Top

10. 海外投資に対する数々の優遇・保護政策

◇『おこしやす・京都へ』ではありませんが、フィリピンは何とか外国企業に来てもらおうとがんばっています。その為多くの外国企業に対する優遇・保護政策をとっています。進出当初、あまりの税制等の優遇措置で、期限が切れた時が心配と言う声さえ聞かれる位です。別編参照 To Top

11. てこ入れするアメリカ企業

◇この日本国内の不景気で最近、ハイテク産業を除いて日系企業はあまり元気がありませんが、アメリカ企業のフィリピンに対するてこ入れはただものではありません。それは東南アジアにおけるアメリカの経済拠点、生産拠点にしょうと決めたと言う事からです。自動車産業をはじめ、多くの企業の進出が活発です。アメリカがフィリピンを選んだ事は、私は当然だと思います。 To Top

12. 整備されたインフラ

◇工業団地 ファーストフィリピン工業団地(FPIP)住友商事 停電は日常的であったフィリピンはもう過去のものになろうとしています。ここ最近開発されたFPIP等は、電力会社(メラルコ)を持っているフィリピンの財閥との共同開発である関係もあり、停電の無い十分な電気量を供給する為、発電所から直接工業団地まで専用送電線で単独に送っているとの事です。後進国の工業団地イメージは大きく塗り替える必要があります。 To Top

◇交通渋滞 マニラは日常的な交通渋滞があります。しかし、それも日本等の協力をえて、電車の建設が進んでいますし。南部の工業団地に向かう道は、高速道路(SKY WAY)が増設され、生活道路と切り離された事により(料金が多少高い)大幅に交通渋滞は緩和されてきています。 To Top