札幌の古書店  by LZFR 


 先日、野暮用があったので札幌に行ってきました。私は暇を見つけては性懲りもなく 古書店を廻ってきたので、札幌の古書店について書いてみようと思います。
 私は札幌に来たのは始めてだったので、とりあえず宿にあったタウンページで行きや すそうな古書店の住所を調べて、それを頼りに探すことにしました。
 先ずは、北海道大学の前の通りにあった弘南堂に行ってみました。この書店は、文系 から理系にいたるまで非常に幅広い分野の本を扱っている書店のようで、どの棚も天井 までぎっしり本の詰まっている書店でした。品揃えはかなり豊富ですが、値段の方は結 構安かったと思います。私がここで買った「中世貴族の華麗な食卓」という本は定価22 00円が1500円で売っていました。この本には、ヨーロッパ中世の貴族達が喰ってた料理 のレセピーがたくさん載っていて、まるで料理の本のようです。私はここでは他に、表 の特価コーナーにあった銀河鉄道999の特集をしていたキネ旬を100円で買いました。
 北大前には、他にも全部の本が半額という古本屋があり、私はそこで竹下節子の「バ ロックの聖女」という本を買いました。この本は1996年8月15日発行と書いてあるので 本当に出たばっかりの本なのですが、やはり半額で売っていました。この本は17世紀の フランスの聖女や悪魔憑きや狂女等を紹介した本なのですが、とにかく彼女達のパワー は桁外れで宗教が関わった時の人間の凄さが存分に楽しめます。しかし、この本では著 者は彼女たちをかなり分析的に扱っているので、おそらくこの本を読むよりも彼女達が 告解師に告白した記録をそのまま読んだ方が面白いだろうと感じました。この本は余り に面白かったので、この旅行中ずっと読み続け、結局帰るまでに読み終えてしまいました。

 札幌の中心部のすすきの付近にも古書店が何軒もあったので、まわって来ました。
 南6条西3条にある、北海堂は、店はそれほど広くないものの棚の整理された本を見や すい店でした。ここで、私は1978年の現代思想9月号ポルノグラフィー特集とラ・メール春号 〈少女たち〉特集を買いました。買った時には気づかなかったのですがラ・メールには矢野 顕子が自分のつくった歌詞を解説したページがあって、野ファンの私は少し得した気分に。
志鳳堂書店は、映画関係の本が充実した書店で、雑誌、パンフレット、俳優の本から映画理論 の本までたくさん棚に並んでいました。しかし、私はここで「SFファンタジア マンガ編」を読ん で読みたいと思っていた小室孝太郎の「ワースト」の復刻版を見つけたのでそれを買いまし た。このワーストは、ある日突然降った雨のせいで人間がワーストマンという怪物に変わってしま うという、世界滅亡もので、手塚的なまるっこいタッチで40年に渡る人間対ワーストマンの戦いを 描いた相当ハードな作品でした。
南3条西3条の成美堂は、新刊書店の2階にありました。この書店は棚はわりとグチャグチャ だったのですが、色々変な本がありました。ここには、ページが上と下で別々にめくれる ようになっていて、上と下のページを組み合わせることによって様々な性交の体位がつ くれるという本がありました。体位の姿勢を取っているのはのは男役も女役も服を着 た女性で、しかもこの服もレオタードなどではなく、セーターとズボンというヘンテコさ。かなり 奇妙でおかしかったので買おうかどうか迷ったのですが、2000円もしたので流石に買い ませんでした。

 南3条西3条の大学堂は、棚が整理されていないなどというものではなく、平棚に高 々と、整理されていない本がグチャグチャに積み重なっていました。その積み重なり方 も半端ではなく、本の束が斜めになっていたり、その上にまた別の本がそのままドサド サ無造作に積まれたりで、もう何が何だか分かりません。このうず高く積まれていたグ チャグチャの本が棚を隠してしまっているので、棚もろくに見えず、結局ほとんど何も 見ないで店を出てしまいました。
 南4条西4条の石川書店は、地上二階地下一階の大きな古書店で、文系の本をかなり 広い分野に渡って扱っていました。一階は、文系の学術書や映画、文学、文庫や趣味の 本などがありました。旅行本や食べ物の本の棚があるなどなかなか面白いです。二階は 、近代文学や詩集、学術新書、北海道関係の本などがありました。
 地下一階は、美術書や漫画、エロ本や宗教関係の本などがありました。漫画では、坂 口尚の単行本が大量にあったのに、驚きました。今ではほとんど見かけない坂口尚の昔 のSF作品などが、ザーッと並んでいたからです。最近文庫になった「石の花」の昔の バージョンもセットで出ていました。さすがに値段が一冊1000円以上と高かったので買 えませんでしたが。ここで私が買ったのは、佐伯俊男が挿絵を描いていた「薄化粧」と いうポルノグラフィーです。昭和53年に出た定価680円の新書が1000円になっていたの ですが、見開きごとに佐伯俊男の挿絵が入っているので思わず買ってしまいました。
 結局、暇が出来ると古本屋を廻っていたので、結構何軒も廻って色々と本を買ってしま いました。札幌は、京都のようにきれいに南北、東西に通りが走っているので、住所だけ でも結構古書店を探すのは楽だったし、良い書店が多かったと感じました。(1996.9)

[注] このレポートは、愛書家ホームパーティのLZFRさんによります。
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