茶室でおなじみの屋根なりの斜めにした天井を掛込み天井という。実際に屋根裏である場合と、大屋根とは別に意匠的により瀟洒に仕立てて二重にする場合があるが、後者が一層数寄屋らしさを増す。杉の小丸太をはじめ、白竹や皮付の香節(こぶし)などを垂木に使い、その上には小舞(こまい)といわれる細材が入り、垂木と天井の間に距離ができて、一層透けて清浄感が増す。垂木を受ける桁にもすっと伸びた杉の丸桁を使う。両者の兼合いでそっと広げた鳥の翼のように軽やかに空間を包むことができる。
 
 


掛込み天井
独立柱と根石
壁止めと腰板
土壁
障子と桟
縁と濡れ縁
下地窓
網代天井
床とたたき
自然