§2 相対論の疑問点

[要旨][疑問8][疑問9]の他は簡単な紹介にとどめる。 目次へ

[要旨]; 慣性系[疑問1.慣性系の定義][2.慣性系の原点][3.慣性系の方向];
特相論[4.特殊相対性原理][5.ローレンツ変換3式2項][6.時計のパラド ックス−1]
[7.力Fの変換式][8.ガリレイ変換式][9.時間膨張因子][10. 光行差];
般相論[11.等価原理/ポテンシャル][12.重力と慣性系][13.局所慣性 系][14.固有時間/世界線(パラドクス−2はここ)][15.時計の重力 遅れ−1][16.時計の重力おくれ−2][17.時計のパラドックス−3] [18.重力の伝播速度];[追記]


要 旨] この章が主要部である。
疑問1−3は、ニュートン力学の慣性系に関わる。
慣性系の決定方法は不明瞭である。
これが疑問点の根源の一つである。
不明瞭のまま、相対論は、特殊相対性原理と局所慣性系へ、飛躍する。
慣性系の定義・原点の決めかた・座標軸の方向の決めかた、が検討される。
慣性系は、疑問11−13においても述べられる。

4−10は特相論に関わる。
特殊相対性原理の不可解もまた根源である。
時間変換式の第2項の意味が不明である。
後者が、6−8の根源である。
さらに、時間膨張因子のもつ矛盾、光行差の説明の矛盾、が示される。

11−18は、般相論に関わる。
ポテンシャルと等価原理の不可解・局所慣性系の不可解、が根源の一部である 。
疑問の構造は複雑である。
重力の伝播速度の矛盾は、他の疑問と異質である。


慣性系の疑問点

これは慣性系の定義のあいまいさに、基づくものであるから、
構造は単純である。
しかし、「絶対系で慣性系を代用する」という有力な意見(二論混用)がある 。
これに対する筆者の意見に、一抹の不安がある。

特相論の疑問点

この疑問の構造は簡単である。提案に不安は少ない。

疑問8.ガリレイ変換式

が独立か否か、の話である。
§1の[疑問をもつ若者]によると、著者は、独立か否かを考慮していない、
のではなかろうか。
独立であれば、あのような書き方はできない。

ガリレイ変換式に収束することを避けている多くの著者たちは、
独立の問題に、悩んだかもしれない。

[定説] LTf:
’=γ(−βCt), ’=Ct’=γ(Ct−β).−−−−(1)
ここで、 β, γ曹P/普i1−β2).

β→0,のとき、Eq(1)はガリレイ変換式:
’=−βCt’=Ct’=Ct. −−−−−−−−−−−−(7)
に収束すると言われている。
Eq(7)は経験とよく合うことがわかっている。

証明1. Eq(1)が予め、変形される:
’=γ(vt), ’=’=γ{−(2)}.−−(8)
ここで、→∞,によりEq(7)となる。

付加説明はない。
行列で表現し、行列の中だけで極限を計算すると、わかりにくくなる;
§1 [ 疑問を持つ若者 ]参照。

証明2 *.Eq(8)は次である:
’=vt’=’=−(2)
さて、が人工衛星ていど(10km/s)、が地球ていど(10↑4km)、
とすれば、次式になる:
’=vt’=’=−(10↑(−6))sec.
第1式については触れない(二論混用)。
1μsは人工衛星・地球の話にあっては、無視できるほどに小さい。
こうして、Eq(7)となる。

証明3 **. は独立でない。
Time−likeの制限Eq(9)を使えば、
Eq(1)3式の、 Ct−β は、 Ct になる *** 。
|<|Ct|.−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(9)
しかし1式の、 vt を、これ以上 変形することはできない。


* E.Tailor and J.Wheeler(曽我見,林 訳):時空の 物理学,現代数学社(’81)p.84,97. 筆者が脚色した。原著:Sp aceTimePhysicsには、問題の解答がでていない。
** A.P.French(平松ら訳):MIT物理,特殊相対性理論,培 風館(’91)p.74. Eq(9)の他は筆者の加筆による。
*** 推定. Eq(1)−1,3より、β→0,のとき、
’/−1|→|βCt|>|β|,stop.
Ct’/Ct−1|→|βCt|<|β|→0. ∴ Ct’=Ct


検 討] 証明2. Eq(8)より、
’={1−(}={1−(10↑−3)(/s)},
’={1−(2)()}={1−(10↑−6)(s/)}.
さて、=1s,のとき、
’={1−(10↑−3)}≠
’={1−(10↑−6)}=

であるならば、=(10↑−3)s,のとき、
’={1−(10↑−6)}=
’={1−(10↑−3)}≠
である。
前者だけを採用するのは、二論混用でないか。

証明3. ローレンツの長さ収縮の式を導くときには、
Eq(10)が使われるように筆者は思う ****。
これはEq(9)と相容れない;二論混用。
|>0, Ct→0.−−−−−−−−−−−−−−−−−−Eq(10)


**** |’/γ−1|=|βCt|→(Eq(10)) 0.∴ ’=γx.−−−−長さ収縮の式。
Ct’/γCt−1|=|βCt|>|β|,stop.


文 献] A.証明1、B.証明2、C.証明3、D.ガリレイ変換に収束する、と のみ述べているもの(例.基準書1)、E.何も述べていないもの(例.基準書 2)。

筆者の経験では、多い順に、A,D,E,B,C.


LES論] ガリレイ変換に収束する。


疑問9.時間膨張因子

Aから見ると動いている時計Bはゆっくり刻む;時間膨張因子をDabと書く。
Bから見ると動いている時計Cはゆっくり刻む;時間膨張因子はDbcである。
では、AからCを見ると、時間膨張因子Dacはいくらか。
ac=Dabbc,であれば問題がない。
こうはならない。

定 説ab燥普i1−βab2).−−−−−−−−−−−−−−−(11)
ここで、βab早mAB間の速度ベクトル]/
bc燥普i1−βbc2),
ac燥普i1−βac2).


検 討acは次のいずれか。
ac燥普i1−βac2)=abbc/(1+βabβbc).−−(12)
ここで、*なる速度合成式のベクトル関係が使われた。

別なる考えでは、時間膨張因子はベクトルであり得ないから、スカラーである 。
スカラーの繰返しにより、
acabbc.−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(13)

AB間の相対速度と、BCのそれが、垂直の場合のほかは、
2式は一致しない。 §1[ 投稿の結果 ]参照。


LES論] 任意の位置に、唯一の局所本質空間Sと、
無数に多い本質でない空間S’,S”,s’”がある。
SとS’の変換式はあるので、ss’の計算は可能である。
ss”も同様。
しかし、S’とS”の変換式がない。
S’S”の変換は、SS’の変換と、SS”の変換を、繰返さなければならな い。

この変換を利用して、s’s”を計算する場合も、
Sを経由しなければならない。
Sに対するS’の時間膨張因子ss’と、Sに対するS”の時間膨張因子ss”から、
S’に対するS”の時間膨張因子s’s”を得る:
s’s”ssss’
このため、Eq(12)に相当する式が不必要なので、矛盾がおきない。


文 献] これを論じたものはなさそうである。
しかし、Eq(12),(13)を、根拠を示さずに、
使い分けている(二論混用)有名な論文を、以下に示す。

疑問9だけを詳しく説明する訳を、予め述べる。
1.疑問9に筆者が気付いたきっかけが、
この論文を理解できない(間違いでないか)ことであった **。
2.PhysicalReviewの感情的な拒絶が、
疑問9をもとになされた。

J.Hafel and R.E.Keating:Science,177(’72)p.166;飛行機によって運ばれる原子時計の遅れの実験。

4個の時計をジェット機にのせて、地球を1周させる。
航路は、赤道上約10km、東周りと、西周り。
地表に固定された時計とくらべる。

測定値は、特相論の時間膨張因子の予言Eq(11)と一致する。
そういうことはない。これが以下で見直される。

ここから、書物の70行分に、記号・数式・図が多く、
インターネットの画面になじまないから、
まだ、インプットしておりません。あしからず。

疑問10.光行差] 製作中


般相論の疑問点

製作中


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