彼の名はミラン・ヤクルさん。ちょっとした日本通?
なぜかというと仕事から帰ってきた彼がしきりに私に見せたいビデオが
あるという。まぁ、いっぱいやりながら見ようじゃないか?と言われ
ほんならチェコのビールを呑ませてくれ。と頼むと彼は非常に喜び、
ついで、つがれての繰り返し、そして始まったビデオはなんと日本の
紹介するテレビ番組の録画だった。
古めかしい日本人の姿が映ったかと思うと、美しい風景が現れて、
盆栽が映し出され、混雑した通勤電車の様子まで、そしてタイトルが
デーンと。「魅惑の国、ニッポン」とでも出ているのか?
ビデオはある日本人家庭の様子を伝えている。
子供が箸を使って豆を食べようとするがポロポロ落としている。
しまいには食べているものを落としまくる。
(そんな様子を外国に垂れ流しすなっ!っちゅうに!!)
それを見てヤクル氏はゲラゲラ笑っている。
呑みすぎてかどうか、とうとう笑いが止まらない。
(オイオイ、どーすんねん?誰が彼を止めんねん!!)
しかも、段々英語が怪しくなってきて彼の得意な方の外国語である
ドイツ語がポンポン飛び出してきた。私はついに解読不能に陥った。
それでもビデオは回りつづける、ヤクル氏と私を置いて・・・
それからしばらくヤクル氏と私の「Prosit!(乾杯!)」は続いた。