スロヴェニアの国旗

偶然(スロヴェニア編)


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    まさか旧ユーゴの国に来るとは思ってもみませんでした。 下調べも十分出来てないのでユースホステルの値段で物価を知ろうと最も賑やかな通りの 郵便局のはす向かいにある観光案内所に行った。職員は上手に英語を話す のでびびった。さすが旧ユーゴの中で最も進んだ共和国なだけある。ユース について聞くと、「昨日でユースは終わった。」と言われた。一応詳しく 聞くと、夏休みの間だけ学生寮で代替しているユースなので8月28日から 学校が再開してしまい、ユースが開店休業状態にあると言う。「惜しかった ね。」と職員の愛想のいい女性が一緒に残念がってくれた。私は貧乏旅行を してる事を告げ安宿を紹介してと頼みついでに安いレストランを教えてくれ と頼むと、私にとっては大出費の40マルク(当時2600円程度)/泊の ホテルとお手頃価格の定食屋を紹介してくれた。それから何度かココを訪れ、 色々聞きまくったが何一つ嫌な顔をせず丁寧に教えてくれた。例えば、 スロヴェニア語で"日本"、"航空便"はどう書くかに始まりスロヴェニア語で "有り難う"、"さようなら"、"こんにちは"等々をどう言うかなど。お陰で少 しスロヴェニア語に精通した私の泊ったホテルは"PARK HOTEL"といい、陽気 なおっちゃんがホテルのフロントをしていた。私は宿泊料金が高いので、 「学割ないん?」とか「連泊するし、まけて!(割引して!)」と言ってみたが 言ってみるもので国際学生証を提示したら、「仕方ないなぁ・・・」とあっさり 宿泊料金をまけてくれた。超ラッキー!その後、市内観光からホテルに戻る とフロントのおっちゃんが何やらわめいている。"Japan! "とか"Same School!" とか・・・そして一枚の紙切れを私によこした。それには見慣れた日本語の文が 書かれていた。
   402号室の日本人の方へ
  私は401の日本人の者です。
こんなマイナーな所で日本人の
方が隣の部屋に泊っているとは
思いませんでした。
もしよろしければ一度
部屋をたずねてみて下さい。
同じ関大生のようなので・・・
                8/30  7:42         ©吉野敏彦(関西大学)
        経93-758
            吉野  敏彦
なんとこんなマイナーな国で同じ大学・学部・学科・学年の人間が私の隣の部屋 に泊っていたのだ。早速彼の部屋を訪れ随分と話をして翌日から二人で ツインルームをシェアする事にした。お陰で学割と併用してかなり安く泊る 事が出来た。実はこれまた不思議な事にもう一人日本人が泊っていた。実は 早稲田の2回生であったが初対面なのに敬語を使わず馴れ馴れしい早稲田の 2回生男を私と吉野君(仮名)は相当嫌っていた。
※注・・・早稲田の学生が嫌いなのではなくこの男が嫌いだったという事なので 悪しからず。しかし、リュブリャーナは私にとって偶然の街・ええ街として心 に深く残っています。

ニカとマーシャと私(リュブリャーナ)
ニカとマーシャと私(15K)

    もう一ついい想い出。それは地元の高校生に声をかけられて、お話出来た事。 とても可愛らしいこの二人は17歳の女子高生。お店に私が入ってきた時から 目をつけていたと告白する。非ヨーロッパ系の外国人を見るのが珍しいらしく お話したいのですが、いいですか?と声をかけられた。どこから来たの?ここで 何をしているの?というどこでも聞かれる質問の次に出てきた話題は、あなたの国の 文字を教えて欲しいということだった。はじめ、"Your LETTER"を教えて下さい。 というので分からなかったのだが、"LETTER"という単語に"文字"という意味がある のを思い出してから意味が通じ、そこから私の日本語講座〜文字編〜が始まった。 「平仮名はアルファベットと同じく意味を持たず、音を持つだけだ。そして、平仮名が 連なるかもしくは"KANJI"というChinese Letterを用いると言葉として意味を持つ。」 という講釈をたれ、まずは平仮名からローマ字を覚える表を利用してレクチャーし、 片仮名はだいたい外来語を表現するのに用いると説明して教え、彼女達の名前も "ニカ","マーシャ"と書いて教えると非常に喜んでくれた。


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