「京都報道センター」問題



5月8日 京の校長らミニコミ紙に現金
 昇任、転任した京都市立小学校の校長や教頭ら多数が4月、学校紹介などを扱うミニコミ紙を発行する会社「京都報道センター」(上京区)を訪れ、現金を渡していたことが、京都新聞社の調べで分かった。校長らは「嫌なことを書かれたり、言われないための保険」などと証言する。金額は1人1万円が目立ち、ポケットマネーとしている。教職者が特定業者に現金を渡す不自然な行為に、疑問の声が上がりそうだ。
 4月1−4日の連日、センターのあるビル内に、校長や教頭、幼稚園長らが次々に入るのを京都新聞社の記者が確認した。
 新任の校長を含む46人に直接取材しただけでも、21人が現金を渡したことを認めた。今回は払っていないが、かつて昇任した時に渡した人が3人いた。現金を渡していないと明確に否定したのは4人だけで、18人は「私的なことなので答えたくない」などと回答した。
 昇任、転任にかかわらず毎年現金を渡しているケースや、校長が自らの1万円に加え、同行していない教頭分5000円を持参するケースがあった。
 現金を渡す理由について「ニュースに学校批判を書かれたくない」「よろしくお願いしますという意味」と語る人がいた。「慣例だから」とする一方、「センターにだけ、お金を包むことはあいさつに訪れた他の団体に説明がつかない。断ち切らないといけない習慣」などと疑問に感じている人が目立った。
 京都報道センターは1977年の設立。ニュース(B4判1枚)を毎月2回発行する。京都市の施策や学校の教育目標などを紹介している。市教委や京都府教委、学校の関係者らが購読している。

センター「詣で」脈々

 京都市立小学校の校長らがミニコミ紙を発行する会社「京都報道センター」に現金を渡していた問題で、昇任や転任時に訪れることが「センター詣で」などと校長らの間で呼ばれ、長年の慣例になっていることが京都新聞社の調べで分かった。「火の粉を払う」「保険」とお金でトラブル回避を図ろうという心理が校長らに働いている。一方、新任教頭が「おかしい」と感じながら、校長に言われるまま現金を渡していたケースが目立ち、詣でが脈々と受け継がれてきた構図が浮かぶ。
 ビルの二階にあるセンター。その入り口で4月上旬、昇任したばかりの小学校長が「御礼」と書いたのし袋を事務員の女性に手渡した。中には1万円。間もなく中に招かれ、奥のソファで、背広姿の奥野進社長と向き合った。
 「あなたも一皮向けて飛躍する時期や」。高齢の社長は淡々と話した。会話は約10分続いた。
 校長がセンターを訪れたのは2回目。最初は約10年前に教頭に昇任した時だった。「当時の校長から付き合いの範囲と言われ、連れて行かれた。校長は1万円、教頭は5千円と教えられた」と証言する。当時も従った。
 なぜ、現金を渡すのか。センターが月2回発行する「京都・ニュース」を気に掛ける校長が目立つ。B4判1枚のニュースに、センター来訪者の名前が並び、1ページすべてが名前だけの号もあった。
 「誰かが誹議中傷を受けたとかではなく、来訪者に市幹部の名前が並ぶ。まさに無言の圧力。自分はおかしいと思って声を上げたとしても誰も支援はしてくれない」と、かつて1万円を渡した校長は詣での理由を説明する。「降りかかる火の粉を払う感じ。結局、金で解決できるならそうしようと」
 今春に昇任した小学校教頭は校長からセンターに行こうと誘われた。封筒2枚に校長と自分の分を1万円ずつ入れた。「おかしいとは思うが、あいさつに行って現金を渡すことが慣例になっていると言われた」と話す。
 自ら主体的に判断して解決する「生きる力」をはぐくむことが今、教育の課題となっている。教えていることと逆で、自ら判断していないのではないかと記者が水を向けると、教頭は「そう思う」と話したまま、黙り込んだ。
「ようやく新聞記事になったか」という感が強い。この「京都報道センター」はこれまでも何度となく市教委や校長会との関係が問題にされ組合や市民団体から関係を整理するように要望されてきた。かつては、市版の教職員録もここで作成され販売されてきた。このときも職員の個人情報を丸投げして作成に当たらせてきたし、校長会が一括購入を決めた前市長の写真集なるものもここの発行ではないかと噂されてきた。
不祥事根絶を叫ぶ現京都市長もかなり社長とは親交が深いはずで、こうした体質を温存したままでは他の部局から教育委員会へ不満が噴出することにもなりかねない。校長会がほとんど事務局の下請け的な存在だという批判もこうした体質からか。

5月8日 校長、新任祝いにペン受け取る
 京都市立小学校の校長らがミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(上京区)に現金を渡していた問題で、新任校長が同社から昇進祝い名目のペンを受け取っていたことが、京都新聞社の調べで分かった。一部の校長はセンターへ渡した現金について「ペンのお礼」と弁明するが、業者から物を受け取ることに加え、現金で返礼する行為が社会常識からかけ離れている。
 複数の校長の証言を総合すると、大半の校長はセンターからミニコミ紙を購読する程度で、親交が深い訳ではないのに、4月初めにペン2本とケースがセンター名義で校長の自宅に届いた。包装には「御祝」とあった。
 新任校長32人のうち、半数が祝い品を受け取ったことを認めている。現金を渡したのはお礼だったという校長が2人いたが、「社会通念と異なる」と認識していた。大半の校長が「金一封を渡すのは先輩から受け継がれた慣習で、贈り物と関係ない」と説明している。
 ペンの種類は複数ある。センターへ1万円を渡した校長の場合、受け取ったペン2本は計2100円だった。
 ペンを受け取り、現金を渡した校長の1人は「保護者からの歳暮や中元を断っている時代に昇進祝いの品を返さなかったのは児童に説明がつかない」と話した。
 センターの奥野進社長は「昇任を祝う意味で、今春は新任校長に贈った。昇進祝いは昔から続けている。校長の来訪はお礼の意味と受け止めている」と話している。
 京都市教委は「センターとは現在、何の利害関係もなく、校長が祝い品を受け取っても職員の倫理条例には抵触しない。お返しは一般儀礼の範囲と考えられる」としている。
連日の報道で関係者はさぞや困惑しているだろう。不正議な事実を隠蔽しようとする体質は昔から同じだが、記者にこの事実を語った関係者がいたことがせめてもの救いではないだろうか。市では、「公益通報処理窓口」なる組織も設置されているが、そこには「自らの職場で起きた違法行為について通報した労働者を,通報したことを理由とする解雇等の不当な取扱いから保護するとともに,事業者が国民の生命,身体,財産等の保護を目的とした法令を遵守することを図り,もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に寄与することを目的として制定されました。」とある。「誰がちくった」に狂奔しないで欲しい。
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5月9日 市教委 指導主事も現金
 京都市立小学校の校長らがミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(上京区)に現金を渡していた問題で、市教育委員会の一部の指導主事も同社に現金を持参していたことが、京都新聞社の調べで分かった。現金供与が学校現場だけでなく、市教委事務局に及んだ。
 今春の人事異動で指導主事になった1人は4月初旬、センターを訪れて現金を渡した。「あいさつに訪問する際、菓子や果物を持参する延長線の範囲だと考えている」と説明するが、「胸を張って良いこととは言えない。こうした慣習はなくした方がすっきりする」と話した。
 別の指導主事は、異動が公表された直後にセンターから「御祝」として文房具が自宅に届いた。「センターに出向いて文房具に見合う程度の額を渡した」と証言する。「贈り物をもらって何も返さないのは礼儀に反する。しかし、現金を渡すことに、きちんとした説明は難しい」と述べた。

 ■組織ぐるみでない
 市教委は「組織ぐるみで現金を渡すような指示は絶対にしていない。学校を指導する立場の指導主事は学校現場以上に倫理観が求められる。一部の指導主事に慣習が抜け切っていないなら、市民に誤解を与えかねず、指導する」としている。

市教委の説明は極めて白々しい。「指示はしていない」のは当然だが、そうしたことが慣習的になっていたことは指導主事に限らず事務局メンバーだって知っていたはず。その上で「指導する」とはわけがわからない。むしろ、ここは「反省する」としなければならないところだ。
ところで、校長らが「センター」を訪れたのは4月1日から4日まで。「ペン」が送られたのは4月はじめ。一般市民が教員の異動を知ることが出来るのは4月1日。どうも推理小説を読んでいるようで、日時の整合性がない。むしろ、「社長」は事前に異動内容を知ることが出来たと考える方が辻褄が合う?

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5月13日 《オピニオン・解説門川京都市長の談話本配布 市民感覚からかい離
京都市教委が行った広報活動は、普通の市民感覚からかけ離れ、賛同できない。2月の市長選直前に、立候補を表明していた門川大作市長(前教育長)の談話が多数載った本を買って、無料で配っていたからだ。送付時期や送り先の反応など取材するほど、市販されている本を配る必然性は低いと感じる。
 この本は「教育再生への挑戦」(PHP研究所編)。昨年末に出版され、不登校対策など市教委の取り組み全般を取り上げている。1冊1365円で、市教委は計1400部を購入。送付先は、PTA連絡協議会など各種団体の代表、市立の学校園などで京都関係が約8割を占めた。市教委は「前教育長を応援する意図はない」と強調した。
 書店への発注から振り返ってみる。注文は昨年10月から年末まで10回に及ぶ。前教育長が「立候補に意欲」と報じられて以降の注文が6割を超えた。
 2週間前に発送
 発送は1月21−23日で、告示の約2週間前だった。前教育長のあいさつ文が入った「家庭教育新聞」号外を保護者に配ったことが議会で問題視された時期と重なる。この新聞の場合は、立候補が取りざたされたため、前教育長の名前と写真をあえて外していた。  PHP本は、前教育長が確認できる写真が少なくとも3枚あり、談話は実名で35ページにわたり掲載している。それなのに、市教委は本に墨を塗ることも、発送を市長選後に遅らせることも考慮しなかった。
 受け取った市民に印象を聞いてみた。財団法人幹部は「市教委は新聞の件で反省しながら、裏では相変わらず応援かとあきれた」。教育支援団体の幹部は「知名度を上げようとする必死さを感じた。他候補に追及されないか心配した」とぼやいた。
 「誤解される」
 市教委の今回の活動は一般的とは言い難い。京都府の山田啓二知事は2005年、知事選の約3カ月前に本を出版したが、府は購入も配布もしていない。滋賀県は前知事が知事選前年の01年と05年に出した。県秘書課は「選挙を控えた時期に配れば、役所ぐるみと誤解される」という。
 そもそも書店で販売中の本を送る必要があるのか。市教委は「実物を送れば読まれる可能性が高い」という。しかし、仮に購入するとしても、図書館に置く方が不特定多数の市民が無料で利用でき、広報の目的にかなうはずだ。市財政が逼迫する中、購入費用も抑えることができる。
 「公選法に触れません」。市教委担当者はこう説明した。しかし、行政の順法は当然で、運動員の言い逃れに聞こえて仕方なかった。門川市長は「市民感覚の市政」を掲げる。市役所がどう変わるのか、じっくり見極めよう。

社会報道部 松浦 吉剛 ▼まつうら・よしたけ 広島県出身。入社8年目の30歳。社会報道部調査班に属し、法で割り切れない社会の矛盾や、ごみ処理など将来的な課題を追う。

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5月14日 市小学校長会 現金供与せぬ方針 校長会が確認
 京都市立小学校の校長らがミニコミ紙を発行する「京都報道センター」に現金を供与していた問題で、市小学校長会(会長・冨田剛史白川小校長)は14日、市民の誤解を招くとして、今後は現金を渡さない方針を確認した。
 この日午前、校長会の役員、ブロック長らによる運営委員会が中京区であった。冨田会長が役員会の統一見解として、「組織的に行ってきたことではなく、強制力はないかもしれないが」とした上で「市民の目線から見て誤解を招くような不自然な点があるとすれば、是正したい」と述べた。
 参加した校長30人余りから異論は出なかった。
 冨田会長は京都新聞社の取材に対し「不自然な点とは金銭を渡すこと。改める必要がある」と述べた。
 この問題は、昇任、転任した校長や教頭、市教委指導主事ら多数が春の異動の際に、同社に現金を持参していた。「ミニコミ紙に嫌なことを書かれたくない」「慣例」として校長から教頭に代々受け継がれてきた。
 一方、市教職員組合などは「公教育に対する不信感を抱かせる」と改善を求めていた。
校長会の「組織的に行ってきたことではな」いという認識は「市民の目線から見て」も「不自然な点」といわざるを得ない。その他にもセンターと校長(会)との不自然な関係は噂されている。自らそうした疑惑を洗い出す自浄作用を発揮して欲しいもの。教職員に対しても保護者・子どもに対しても自らの非を認める潔さが必要。これでは、早々の幕引きだけを画策したとしか思えない。
5月27日 京都府 広告料、年70万円
 京都市立小学校長らがミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(京都市上京区)に現金を渡していた問題に関連し、京都府が長年、ミニコミ紙掲載用の府政PR記事をセンターに代わって執筆し、年間50万−70万円を広告料名目で支払っていることが、京都新聞社の調べで分かった。購読者は主に市内の教職員ら公務員に限られ、一般市民は購読できない。このため、公費の使途として疑問視する声が上がっている。
 ミニコミ紙は、センターが月2回発行する「京都・ニュース」。B4判の表裏に府政や京都市政の話題、市立小学校長の寄稿などを掲載している。
 府によると、庁内の担当課が「広告」として執筆し、1985年ごろから提供を始めた。93年度の広告料は50万円だったが、94年度以降は70万円になった。2007年度は府立大の再編や子育て支援事業などの府政話題がほぼ毎月、計12回、いずれもトップ扱いで掲載された。
 京都新聞社の調べでは、このうち、9回分は同年度の府の広報紙「きょうと府民だより」(月1回発行)でも分かる内容だった。
 発行部数について、府広報課は「3000部と聞いている」という。一方、センターは京都新聞社の取材に、7、800部前後で、購読者は市立学校長や市教委職員らとしている。
 府広報課は「(府教委の受け持ち以外の)京都市立学校・園の関係者に府政を重点的にPRするねらいだった」としている。
 「京都・ニュース」には、京都市政の話題もほぼ毎月、掲載されているが、市は「掲載料は払っていない」と説明している。
府も関係を持っているとは驚きでおそらく直接の利害はなかっただろうと思える。ただ、市教委とも関係の深い人間がなんらかの事情で「仲介」した可能性も考えられなくはない。また、「記事をセンターに代わって執筆」とあるが「版下」の提供を受けていたのではないかとも思われる。だとするならば、「京都報道センター」はほとんど費用を支出していないことにもなる。
校長が現金を渡していた問題も15日の「校長会」役員会で終わりなのか。少なくとも、謝罪の文章を現場や地域・保護者に配布すべきではないか。
5月30日 京都市長 ミニコミ紙問題「断固正すべき」
 京都市立小学校長らがミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(上京区)に現金を渡していた問題で、門川大作市長は30日の市議会普通予算特別委員会で「断固として正すべき」と述べた。
 門川市長は「一部の教頭、校長の行為だと思う。儀礼的なものが残っていた」と述べた。市教委の関与については「小学校は自律的な組織であり、良い慣習も悪い慣習もある。(市教委が組織)ぐるみでやっていたことはない」と否定した。 
あまりにも白々しい答弁と思えるのは何故?
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6月3日 市教委 主事通じて毎春、ミニコミに
 京都市立小学校長らがミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(上京区)へ現金を渡していた問題で、学校や幼稚園の管理職に関する市教育委員会の人事資料が長年、センターに漏えいしていたことが、京都新聞社の調べで分かった。市教委の人事主事が資料を渡し、センターがマル秘の朱印を押して校長らに配っていた。地方公務員法(守秘義務)などに違反する疑いがある。市教委は「不適切な行為」として、関係者の処分を検討する。
 この資料は「年齢別 経験別一覧表」(B4判)。市教委が管理職の配置を考える際の基礎資料として作成し、教職員人事課の十数人が所持している。小学校と中学校、幼稚園別に校長(園長)と教頭版がある。縦軸に管理職の経験年数、横軸に年齢を設け、氏名と校名を記している。
 人事主事が毎春、一覧表をセンターに渡していた。センターは「京都報道センター作成」「無断で転載・複写・公表することを禁ずる」の注釈を加えて印刷し、発行する「京都・ニュース」を購読する校長や教頭に送付していた。
 市によると、一覧表のうち、年齢と経験年数はプライバシー保護上、市民から公開請求されても開示しない。外部への提供自体が市個人情報保護条例(目的外使用)に違反する疑いがある。
 市教委総務課は「センターの求めに応じ、長年提供してきたが、適切でなかった。来年度から是正する」としている。

  校長らに無言の圧力
 春の慣例として、、ミニコミ紙を発行する京都報道センターを、現金を手にした小学校長だけでなく、京都市教育委員会の人事担当者が人事資料を手に「詣で」ていた。厳重に管理されるべき情報が長年、ずさんに扱われていた上、「なぜ人事情報をセンターに流すのか」と教育関係者らから疑問の声が上がっている。
 市教委の元人事主事は以前、小学校の校長と教頭の「年齢別 経験別一覧表」を作って上京区のセンターへ届けた。この際、奥野進社長に「中学校分はまだなのか」と催促された。届けるのが遅れれば、社長から直接電話が入った。
 「市教委から直接、校長や教頭に配っても支障はないはず。なぜセンターが介在するのか」。元人事主事の疑問は今も消えない。
 市教委によると、今春は奥野社長から一覧表を求める電話が教職員人事課に入り、取りに来たセンター関係者に渡した。  校長の現金持参など一連の問題について、市教委は「センターとは現在、何の利害関係もない」としてきたが、今回は「センターの求めに応じ、渡してきた」と弁明する。ただ、奥野社長は「時期は忘れたが、市教委の職員が表を配ってほしいと持ち込んだ」と話し、説明が食い違う。
 人事情報の漏えいについて、教職員人事課の芝田一広課長は「報告がなかった」と打ち明ける。「一覧表は校長の経験が浅いなど保護者や地域に先入観を与え学校運営に支障が出かねず、公表は好ましくない」
 元教頭の一人は市役所で当時の人事主事が一覧表を作っているのを偶然目にした。「センターに渡す」と主事から聞かされたが、「癒着はおかしい」と批判の声を上げることができなかった。一覧表はセンターから学校に郵送され、将来空く校長のポストが読み取れる。「昇進も夢ではないから、市教委とつながるセンターに逆らつなと無言の圧力になった」と振り返った。

  (続報)責任者が代々引き継ぎ、ミニコミ紙に
 京都市教育委員会による人事資料漏えい問題で、教職員の人事責任者である首席人事主事が代々、ミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(上京区)へ人事資料を渡すよう引き継いでいたことが、京都新聞社の調べで分かった。少なくとも10年以上前から続いていた。
 問題の資料は校長や教頭の経験年数や年齢を記した「年齢別 経験別一覧表」。市教委が作り、センターへ渡してきた。センターはマル秘の朱印を押して校長らに配っていた。
 京都新聞社の取材に対し、複数の元首席人事主事が前任者から業務の一環として一覧表をセンターへ届けるよう引き継ぎ、後任者へ伝えたと証言した。
 元首席人事主事の1人は「引き継いで初めて、センターから学校へ送られてくる一覧表を市教委で作っているのを知った。校長らの役に立つのではないかと思った」と弁明した。
 市教委総務課は「首席人事主事は上司の課長も了解済みと考えて報告していなかった。いつからどんな経緯でこの慣習が始まったのか、現時点の調査では分からない」としている。

この問題ではまだまだ出てくるものがありそうだが、つぎつぎにトカゲのしっぽきりをしようとしていよいよお尻に火がついたといったところ。歴代の教育長はこの関係について十分承知しているはずで市教委・センター双方が積極的に関与しているのは間違いなく一方が要請したしなかったというレベルの話ではない。おそらく1990年以前にはセンターが発行元となって「京都市学校職員録」が作成されていたし、その資料は学校から直接センターに行っていた可能性は高かった。しかし、それがプライバシーの侵害になるとの指摘を受けた教育委員会・校長会は発行もとの「センター」との関係を整理することができたのに、その後も関係が続いてきたことになる。
職員の綱紀粛正を推進するなら市長はまず自らの母体であった教育委員会のこの不始末の経緯を市民にも職員にも明らかにし謝罪すべきではないか。

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6月12日 京都市 部長「問題ない」 従来の見解一転
 京都市教育委員会がミニコミ紙を発行する京都報道センター(上京区)に人事資料を長年漏えいしていた問題で、在田正秀総務部長は11日の市議会教育福祉委員会で「特段の問題はない」と答弁し、「不適切だった」とする従来の見解を一転させた。ただ京都新聞社の取材に対し、センターへの提供について「本来の作成意図とは異なる」と話した。
 問題の資料は、校長と教頭に関する「年齢別 経験別一覧表」。在田部長は「経験年数、年齢は秘密にあたらない」と述べる一方、「あえてセンター経由で出すことばない」と答弁した。
 市教委総務課は「長年提供してきたが、適切でなかった」としていた。在田部長は取材に対し、「一覧表の提供は目的外使用とまでは言えないが、人事配置を考える上での基礎的資料という作成意図とは異なる」と話した。
法的な見解では「一覧表の提供は目的外使用とまでは言えない」のだろう。しかし、問題はこれまでで明らかなように教育委員会の関与が校長や教頭に大きな圧力となっていたことである。違法性があるかどうかの問題ではなくこうした体質が果たして門川市長の書いた『かくて教育は甦った』の内容と一致しているのかどうかではないか。『京都市教育関係職員録』の発行は18年度版までは「京都報道センター」となっているが、19年度版では市教委総務課が発行元になっている。ある種の身辺整理が必要となった時期と連動しているとも思えるが、果たして。

6月13日 京都府 広告料打ち切り
 ミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(京都市上京区)をめぐる問題で、京都府は12日までに、長年続けてきたセンターへの広告料の支払いと府政PR記事の提供を打ち切ることを決めた。費用対効果が薄いと判断した。
 府はほぼ月1回、府政PR記事を「広告」としてセンターに提供し、年間70万円の広告料を支払ってきた。本年度の広告料はすでに掲載された4、5月分(計約11万6000円)のみ支払うことをセンターに伝えたという。
 府広報課は「ミニコミ紙を購読する教員たちに府の教育施策を重点的にPRできると考えてきたが、費用対効果が薄いとみられ、打ち切りを決めた」としている。
 購読者は市立小、中学校長ら公務員に限られ、一般市民は読めないため、公費の使途として疑問の声が上がっていた。
こういうことで府市協調はしてほしくないものだが、この「センター問題」ではほとんど同じセンスの対応である。「費用対効果が薄い」との判断らしいがはじめっからそんなことは分かっていたこと。あの当時と議会の勢力も変わっているし、潮時との考えだろう。

6月18日 京都市長 「秘密書類との認識はしていない」
 京都市の門川大作市長は17日の定例記者会見で、市民が市政の課題や将来の方向性について議論し、提言する「未来まちづくり100人委員会」を9月に設置すると発表した。会議の運営を市民団体に委託する新たな試みで、市民主導の提言を市政に生かす仕組みを目指すという。(中略)
 一方、ミニコミ紙を発行する「京都報道センター」に市教委から小中学校などの管理職の人事資料が渡っていた問題を問われ、「校長、教頭の年齢、経験年数が秘密書類との認識はしていない」との見解を示した。
「京都報道センター」問題で、校長などの「冥加金」などは断罪し組織としては無謬を貫いた格好。

7月26日 異例の情報公開
 自治体を取材していて、こう断られる場面は少なくない。例えば不祥事を起こした市職員の年齢や職歴を尋ねた時。市民に「知る権利」があると主張しても、防御はなかなか崩れない。そんなお役所の体質を知る記者にとって先日京都市教委が500人もの個人情報を含む公文書を公開したのには、違和感をぬぐえなかった。  市立小中学校長や教頭らの年齢、経験年数が分かる人事資料「年齢別 経験別一覧表」だ。市教委から長年、ミニコミ紙を発行する京都報道センター(上京区)に漏れていたことを本紙6月3日付朝刊で報じた。  報道後、この資料を市の情報公開制度を使って請求したところ、一点の墨塗りもなく全面公開された。一般に、個人の年齢や職歴などが公文書に含まれる場合、その部分は非開示になる。しかし市教委は今回、掲載されている約500人全員に問い合わせ、公開の承諾を得たという。  市教委は、校長らの年齢は「秘密にはあたらず、(センターへの提供は)問題ない」としている。異例ともいえる今回の全面公開は、その主張を貫くためのつじつま合わせのようにみえる。  ちなみに市教委以外の部局に、幹部職員の年齢の分かる資料公開を求めたところ、丁重に断られた。個人情報だから、というのが主な理由である。(松下亜樹子)
ご都合過主義的な対応で唖然とするが、これを前例により広範囲の情報を積極的に公開していくという姿勢をとってほしいもの。しかし、また全員がこの公開に同意したという校長・教頭も「立派」なもの。健康のため体質改善が必要ではないか。

8月2日 門川市長ペン受領
 京都市の門川大作市長が二月の就任後、、ミニコミ紙を発行する「京都報道センター」(上京区)の奥野進社長から外国メーカーのボールペン一本(税込み4万1000円)を贈られ、受け取っていたことが1日、分かった。市長は「社会通念上許される」とする一方、市立小学校長らが昇任時に現金をセンターに渡していた問題に触れ「問題を認識していればペンは受け取らなかった」と話している。
 京都新聞社が入手した資料によると、門川市長が当選した翌日の2月18日、奥野氏名義で注文され、月末に市長の自宅に届いた。
 奥野社長は「当選祝いに個人の立場で贈った」と話した。
 門川市長は当選祝いとして花束や酒が多数届いたうちの一つとした上で「奥野さんと特別な関係にはない。受け取ったことは違法ではない」と話した。校長らの現金供与問題で「断固として正すべき」と5月の市議会で答弁したが、ペンを受け取った際には「問題を知らす、正すべき相手だと認識していなかった」と説明した。
悲しくなるよね。こんな人物が教育改革について語るなんて。『かくて教育は甦った』はある意味で門川市長の考えがよく分かる本だが、教育が市長選のために利用されたことがよく分かる。とくに、番組小学校のエピソードはそのことをよく物語っている。そろそろ、校長会も呪縛から解放されてもいい時期ではないか。
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