・・ヨーロッパ訪問・・

吉田 隆      

 2020 年初めから2022 年4月まで、世界中に広がったコロナ禍の影響で、日本から海外に出かけることができま せんでした。この度、スイスのチューリヒに嫁いだ私たちの娘・摂理が第二子を出産することになり、その手伝いを兼 ねて、妻と共に欧州に出かけることになりました。
 コロナ禍にあって、飛行機のチケットを購入する時点から、普段経験したことのない様々な困難を、主が乗り越え させてくださり、無事欧州行きを果たすことができました。

出発までの困難 

 娘たちの家族は、スイスのチューリヒ近郊に住んでおり、スイスへの入国の条件などを調べる必要があり ました。また、スイスの後、フランスに訪問して帰国する予定を組み、帰りはパリからという航空券を予約 しようとしました。しかし、直前のPCR検査など、条件がいくつもあり、むずかしい点がいくつもありま した。

 外務省領事サービスセンターの海外安全相談に登録し、現地の様子を知らせるメールが1週間に何通も送 られてくるようになりました。そこには、日々変わっていくコロナ対応の変化が綴られていました。
 コロナ禍にあって、明らかに渡航便の数が減っているだけでなく、東京から国際線に乗るために大阪から 成田空港へ行く便もないということで、今回はシンガポール航空を利用することに決めましたが、関西空港 からシンガポールに飛んだ後、22 時間近くシンガポール空港でチューリヒ行きの旅客機を待たなければなら ないという旅程になりました。トラベル・エイジェントとの連絡に加えて、航空会社との確認のメールを何 度も交わしました。万が一新たなコロナの波が発生して、旅行自体を取り止めなければならない時のための 保険もかけることにしました。

 2月に渡航を決意して準備中、私たちは、3月にコロナに感染しました。保健所に、感染してすでに治癒 したという証明を英文で発行していただくことを交渉したり、半日入院した病院の医師からも証明を書いて いただいたりしました。加えて、出発直前にPCR検査を受けました。

 スイス到着の驚き

 このように念入りに準備をして、スイスに到着しました。入国審査は非常に簡単なものでした。加えて驚 いたのは、チューリヒに到着してから、空港でも町でも人々はマクスをしていなかった、ということです。 教会の集会でも、マスクの人を見かけることはありませんでした。私たちが、「日本はみなマスクを付けて いますよ!」とびっくりすると、「ここ、スイスでも3月まではみなマスクをしていましたよ。けれども今 はほとんどマスクをした人を見かけませんね。」と言われました。
 娘・摂理が出産をして、病院に行きましたが、さすがに病院の中は医療用マスクを着用することが義務付 けられていました。(出産に関しては、恵利子の記事をご覧ください。)

 記念集会での働き

 スイス国内では、多くの地域(約6割)ではスイス・ドイツ語が話されており(その中心はチューリヒ)、 西の地域ではフランス語が話されています(約3割)(その中心はジュネーブ)。南の方でイタリヤ語を話す 人たちの地域もあります(約1割)。娘たち夫婦が仕えているアガペ・クリスチャン・センターは、英語で 集会が進めらるインターナショナル・チャーチです。地元の方々のために、ドイツ語の同時通訳もあります。 米国出身のケアレン牧師を中心に、リーダーシップがすばらしく訓練され、伝道に熱心な教会です。
 毎週金曜日の夜の集会は、開拓が進められているベルン(首都)、バーゼル、ヘリサウとシュリーレンの 4つの異なる地域に出かけて行って、毎週集会が持たれています。

 妻と私はこの教会で、6月5日ペンテコステの日に行われた創立記念集会に賛美とメッセージの奉仕をさ せていただきました。スイスでもコロナのために2年間は、集会をすることができない時期があり、記念集 会は久しぶりの大掛かりな集会となりました。集会の後には、信徒の方々が作って持ち寄ってくださった 豪華な食事と膨大な量のデザートが机に並べられて、フェローシップの時がもたれました。

 世界的には、ロシア軍のウクライナ侵攻が大きな問題となっていますが、メッセージの話題としてこうし たことを取り上げることは、日本の場合とは違って注意しなければなりません。それは、アガペ教会の会衆 の中にロシア系の方もいらっしゃるとのことでした。また、6月19日に礼拝メッセージをさせていただい た時には、ウクライナ人の夫妻が初来会なさいました。国際関係や政治的な問題が、福音のメッセージが心に 届くのを妨げてはいけないからです。

 しかし、聖書の神様は、昔話の神ではなく、私たちから遠く離れた神ではなく、現代の私たち一人ひとり を愛し、配慮してくださっていることは事実ですから、この良い知らせを人種を超えて聞く人の心に届けるこ とに力を注ぎました。 [T]



ニュースレター「グレイト・コミッション・第94号」 2022年7月24日・発行

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