TK80で育った当時の学生が、すでに一人前のマイコン技術者となって活躍している。TK80はいうまでもなく過去のものである。しかし、TK80が築いた“マイコンのNEC”のイメージが現在に継承されていることは確かである。
(パソコン誕生:太田行生著1983より) |
1976年、アメリカではすでに数万人のマニアと多くの同好クラブが存在したが日本でのマイコンの普及はこの76年の8月3日発売のTK80に始まったといえる。
当初数千台程度しか売れないと思われた本機は、5〜6万台売れた。このTK80を懐かしく思う技術者は多いのではないだろうか?(私はそのころ中学生だった。宣伝や雑誌記事をみて欲しいと思ったが買うことはできなかった…もっとも、買っても組立られたどうかも疑わしいが…)
TKシリーズの開発経緯(上記:パソコン誕生p29より)
昭和51年春 | 開発に着手 |
51年8月 | 発売開始 88,500円 |
52年12月 | TK80E 67,000円(EEPROM→マスクROM)エコノミータイプ |
53年12月 | TK80BS 128,00円と関連製品発表 BASIC搭載 |
54年4月 | COMPO−BS/80の発売。TK80BSをケースに入れた完成品。 |
54年5月 | PC8001発表、発売9月、168000円 |
55年5月 | TK85 44800円、CPUは8085に変更、CMTインターフェイス標準搭載。 |
仕様(TK80)
CPU | μPD8080A |
ROM | μPD454D 3個(モニタ書込済) |
RAM | μPD5101C 4個実装済
最大8個実装可(1Kバイト) |
パラレルI/O | μPD8255C 8ビット並列ポート*3組 (但し、一部キーボードのスキャニングに使用) |
シリアルI/O | μPD8255Cのポート2ビット使用110ビット/秒 |
動作モード | シングルステップ/自動 |
入力動作 | キーボードスイッチ25個 |
表示装置 | 7セグメントLED8桁 |
消費電力 | +5V 1.1A以下、12V 0.15A以下 |
プリント板 | 310mm*180mm |
価格 | 88、500円 |