「すべてがFになる」「封印再度」森博嗣


 「すべてがFになる」は森博嗣さんのデビュー作、「封印再度」は第5作です。

 森博嗣さんは現役の某国立大学工学部助教授さんとのことで、作品の中にもいかにも理系の人らしい場面がたくさん出てきます。例えば、電子メールでのやりとりなんかも頻繁に出てきます。また、「すべてがFになる」の裏表紙に書かれているこの本への賛辞の中には「JAVAよりもHOT」なんていう文章もあって、これはコンピュータのことを知らない人には意味がわからないでしょうね。

 森博嗣さんのシリーズには次の5つの作品があります。(短編も1作あります)

すべてがFになる
冷たい密室と博士たち
笑わない数学者
詩的私的ジャック
封印再度

 このシリーズの主人公は、N大学工学部助教授の犀川創平とその学部生の西之園萌絵のコンビで、この2人が次々起こる難事件を解決していきます。
 本格推理ものなので、いろいろとトリックも凝らされているわけですが、森博嗣シリーズの魅力はとにもかくにもこの2人にあるといっても過言ではありません。
 犀川先生は一見うだつの上がらない工学部の先生、西之園萌絵ちゃんはN大学総長(故人)を父に、愛知県警本部長を叔父に、愛知県知事夫人を叔母に持ち、マンションの2フロアに執事と住み、自身もそのマンションのオーナーで、つい最近まで焼きそばを食べたことがなかった、というお嬢様で、萌絵ちゃんは犀川先生にぞっこん、という設定です。
 萌絵ちゃんはお嬢様なんですが、赤のスポーツカーに乗り、事件には興味の趣くまま時には暴走とも言えるほどに首を突っ込んで行ってしまいます。

 何を隠そう私は西之園萌絵ちゃんの大ファンです。(^_^;)

 このシリーズは、ぜひとも第1作から順に読んでいってください。(^_^)
 特に前の本を読んでいないとストーリーがわかりづらいということはないのですが、この2人の関係を楽しむためには、やはり最初から順に読んでいった方がいいと思います。

 最新の短編集「まどろみ消去」の表紙裏には今後の予定として5作分のタイトルが挙げられています。
 「ほんまにこの先生、ちゃんと授業とか研究とかしてるんかいな」と心配になるぐらいのペースで本を書いておられますが、これからも犀川先生と萌絵ちゃんのさらなる活躍を楽しみにしています。