Sorry! Japanese Only
'99.8.22更新
ノプテルっていうのはフィンランドの、標的射撃トレーニング装置のメーカーです。 標的射撃トレーニング装置には、スキャットや 国友銃砲店が扱っている RIKA のホームトレーナー(多分 SAM社のOEMです)があります。
ノプテルの特徴は、高価だが設置が容易で丈夫で高精度であることです。
これは、ノプテルが軍用品の民生転用品であるからです。
日本でも、自衛隊や警察が購入を進めているようです。
左から順に、ノプテル画面をIBM/TP230(年代物ノートブック)で使用しているところです。
左から2番目は、コンピュータの RS232C とセンサーを結ぶ箱。ノプテルはオプションのボードで8射座まで一つのPCでコントロール可能。
この黒箱の中に006Pのセンサー用電池が入っています。ご丁寧にサンヨーの充電池以外は使うなと英語で注意付き。
左から3番目は、ノプテルの赤外線レーザー発射部と受光部。これを銃身に付けます。トリガー+アクションによる高周波振動を検知して「撃発」と判定するようです。標的側に、屋外50m以上ならプリズム,10m以内なら反射テープを付けます。
右端は、SBの空撃練習に使う空薬莢。SBはリムファイヤですが、撃針が薬室に当たって痛みますので、緩衝剤に真鍮製の空薬莢(プラスチック製は銃をオシャカにします!私は一丁捨てました(T_T))を入れます。空薬莢の中のゴミが気になる人は、掃除用のパッチやフェルトを蓋にします。何回も使うので、花弁状に薬莢の底が開きます。そんなのが3つ見えます
使用してみた感じでは、次の特徴があります。
1.電源は赤外線用電池(006P,標準で充電池2本+充電装置付属)とコンピューター用が必要なだけ。
しかも、使っていないときはエコノミーモードになって電池はほとんど消耗しない。
2.丈夫。狙点が多少一発毎にずれることを気にしなければ、SBでも実射しながら使える。
立射や膝射の矯正に威力を発揮する。大口径でも撃てますが、狙点が一発毎に相当ずれるそうです。
これは、軍の演習用(空砲程度しか撃ちませんが)に開発された素性からも当然でしょう。
雪が降っていても使えます。WW2前夜にソ連軍から国土を防衛したフィンランド軍の
栄光を感じます。
屋内の練習器であるスキャットやRIKAではマネの出来ないところです。
3.精度が高い。これは、3点発射の赤外線レーザーを使用しているため空間把握が正確なため
と思われます。2点発射方式の他の製品との違いです。また、全く目で感知できないのが嬉しい。
これも軍の演習用だから、当たり前か。他の2製品は標的方向の2点から(当然電源も標的側に
要ります)可視光線が出ます。ちょっと、いつも強い光を見ないように暮らしている者としては
怖いですね。
4.もうすぐ日本語版が出る。でも、今の英語版でも好きな射撃のことだからスッと頭にはいって
困っていないんですけど。日本語化した Windows95 版はβ版が出来て評価中です。
5.今のバージョンはDOSで動くので、安い中古品(3万円ほどの)のノートパソコンで充分。
6.日本国内にライフル射撃に詳しい熱心な代理店さん(千葉県柏市、三和管財)がいて、色んな情報と共に
サポートが頂ける。
私の不満は、家が狭くて子供が走り回るので、家で使うのは早朝4時頃から6時までしかないことです。 深夜は仕事や子守でくたびれきっていますからねぇ。家から飛び出して射場に行くと少ない時間を有効に使いたいから実射ダケしてしまうし。 ノプテルじゃなくて、収入が少ないくせに3人(まもなく)の幼い子持ちなのが悪いんですけど。天は二物を与へず。
ライフル射撃競技以外の用途としては次のものが考えられます。
1.APS競技
電動や空気圧などによりプラスチック製の丸い弾を飛ばして標的に当てる競技ですが、
銃の精度が悪い(自分でチューンナップするので楽しみの一つでしょう)のか、己の
射撃が悪いのかの判定に使える。でも、APSの用途なら、スキャットやRIKA で充分。
2.ハンターの練習
スラグやライフルを使っての練習で25mや50m先の黒丸に入ったり入らなかったり
するのは何故かを調べられます。
傍で見ていると、
2−1.据銃が悪くてタイミング撃ちをしている。
2−2.愕引き、フリンチングをしている。
2−3.スコープやサイトを覗く位置が、一定していない。頬付、修練に問題がある。
以上のケースがほとんどですけど、ご本人に納得して頂くために使ってはどうでしょう。
でも、高価なプリズムを撃ち抜かれたら弁償してもらうしかないですね。
こんなノプテルが、上の写真のようなライフルの形になって発売されたら素晴らしいでしょ。 これはビームライフル同様に、どんな改造をしても実弾を発射できないようにしてあります。 所持許可が要らず、しかもビームライフルのようなテクニックの数々が通じず、 0.1点刻み(望めば.001点刻みもできます)でどんな場所から撃っても正確に弾着点を 表示し、測定機械の個体差がない。ストックは実物なので、本当の練習装置です。 ビームライフルのストックって、最初(20年以上前)のプロトタイプ(本当の鉄砲メーカーが作った) はともかく、現行型って酷すぎる。國友銃砲店さんもライフル型の実現に向けて頑張っているというお話ですけど 両方とも頑張って下さい。競争こそが真の製品を作ります。
そうはいっても、本物に近い姿なので、ビームライフルのようにライフル協会の証明書がないと 買えないようにする必要があるかもしれません。これで醜怪な事件を起こされたらかなわない。
ピストル型もあったら爆発的に普及するでしょうけど、本当のシミュレーターにするには、 法で禁じられている部品を作るか使わなくてはいけないので、難しいです。 そこを回避すると今のビームピストル並かモデルガンのような代物になります。何かいい工夫はないでしょうか。
こういうライフル型の精度が高い製品が2つ以上のメーカーから出て競争しながら発展していけばいいと思います。
こう考えている人はオーストリアにもいるようです。
この練習装置なら、銃砲所持に厳しい日本でも、普通の体育館や広場で本当のライフル射撃に近い世界を体験できて、
シビアな競技会を開くことができます。でも、弾が出て紙に当たって破けないと射撃と思わない人の方が
多いのが世間かもしれません。