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50m ライフル射撃の写真
'00.04.16更新

早川栄治君_撮影合成
間違い探し、下の写真とどこが違うでしょう?
早川栄治君_撮影合成

百聞は一件に如かずと言いますから、標的射撃というのはどんなモノかというのを写真にしてみました。
モデルとなった櫛風沐雨は、膝撃や立射がなぜ当たらないかという事を研究するためにデジカメを8千円で買いました。 そして写真を見て、これは当たらん筈や、と納得しました。ここをこうするべきだと思った人はメイルを下さい。

Anschuetz2013/690
私が使っているドイツ製のアンシュッツ2013/690です。
パームレストを着けて立射を撃つモードになっています。3姿勢毎に、部品を着けたり外したり、 位置を調整したり、リアサイトを付け替えたりします。 頬の可動式チークピースには、汗で滑るのと寒さを防ぐために手製の革を巻いています。
2013は、銃身と機関部の取付が甘いのですが、銃身交換は容易です。 また、ベディングにも気を使わなくてよいところが良いと思います。 アンシュッツは19シリーズからトリガーの切れもワルサー以上になりましたし、 丈夫で、チューンナップパーツが多いのもよいところです。
ストックの色が青と紫っぽいピンクのラミネート(合板)です。96年頃の色です。 合板を微妙なカーブで削り出すので、綺麗な模様がでています。メーカー標準品です。99年型は青系色です。 木製のクルミ製を好む人が日本には多くて、ラミネートは極めて少数なのも気に入っています。 最近はクルミの品質が落ちてきて、買ってから、節を棒で埋めてあったり割れを接着剤で止めていたりに気付いて ガッカリすることが多いのです。安くて割れにくくて丈夫で湿度や温度による歪みが少ない性能面でラミネートを選択しました。 綺麗だねぇ、と言って貰えるのも嬉しいです。
銃は道具と割り切っている人が多いのも、この世界の住人の特長です。
バレルはアンシュッツの純正ステンレスヘビーバレルです。でも1年1万発前後撃って もう4万発近く通しているので、銃身交換を考えています。また、純正にするか、シーレンやハートのカスタムバレルにするか、迷ったり 製品情報を仕入れるのも楽しみの一つです。製品情報は、銃砲店や「全日本選手権サーカス団」の顔馴染みメンバー とか、いろんなところから仕入れます。
ポジション・シューティング専用銃の市場は、エアライフル市場がファインベルグバウ、 スモールボアライフル市場はアンシュッツの寡占市場です。ただ、最近はエアライフル市場は トリガーの切れが良いアンシュッツが伸びてきています。私は以前はマイナーメーカーのユーザーでしたが、 部品供給や耐久性などトータルの性能を考えると、多数派の商品の方が結局は優れていると思い知らされました。

スコープと弾薬
上が使用する弾です。口径は5.6mmです。長さは小指の半分ほどの小さなモノです。 リムファイヤ(ヘリ撃ち発火式)です。
音はピストルでは結構な大きさですが、ライフルでは拍手の特大くらいです。 でも、長年撃っていると聴力低下は必至(聴力低下はバランス感覚の低下となる)なので、 耳栓やイヤーマフラーは必需品です。
生産国は、イギリス、フィンランド、ドイツ、アメリカです。写真はアメリカ製ですが ロット毎の精度のバラツキが大きいのと入手が不安定であるのが難点です。
厳格な手続きを経て購入します。
下が50m先の標的を見るためのスポッティングスコープです。野外観測用が使えます。 40倍程度の曲視型が欲しいところです。ニコンやスワロフスキーが上等ですが、 私は安いコーワ製を使っています。300mでも充分使えます。スコープの下には、必需品の射撃グローブが見えます。
スタンドは、いろんな姿勢でも無理なく見えるように特殊なものです。これは中古品で安く入手しました。 楽器のシンバル台にカメラマウントを付けたモノだと思います。 最近は電子標的の射場が日本に3つ出来たので、この重い道連れを連れて行かなくて済むので助かります。

50m先の標的
人物の横にぼんやり点々と並んで見えるのが50m先の標的です。
50m先の10.7mmを狙うので、撃った標的をスコープで見た見学者は、「望遠レンズか何かが付いているんですか?」 と必ず聞きます。300m先の標的を撃つときでも、鉄製の照門と照星だけで狙って撃ちます。50才以上になると スコープ付の銃を使う競技もありますが、慣れた鉄の照準器を使う人の方が多いのです。
矯正視力はエアライフルの10m射撃で0.8以上,50mで1.0以上 必要です。1日で使い捨てのコンタクトレンズを矯正にはお勧めします。片目を買うだけで充分です。

立射 立射2
立射(Standing Position)です。
私の銃はこの状態で約7kgです。ルールでは8kgまでOKです。女性用の銃は6.5kgまでですが、通常5kg強です。 10mのエアライフルは4.5kgくらい。筋肉で支えては当たりませんので、か弱い女性の方が早くうまくなります。
また、真夏のこの日でもキャンバス+皮革製のコート・ズボン・グローブ+長袖のセーターorトレーナー+Tシャツ+長いトレーニングパンツ+下着のパンツ+半長靴(射撃専用)ですので、 汗が半端ではありません。汗で衣類が重くなるということはどんなことかよくわかります。 ダイエットになると思ったあなたは甘い。水分はすぐに戻ります。深刻なのは、某県スタンドプレー大好き知事が 国体のライフル競技を夏にしよう、といっていることです。体調が悪い者がいたら死んでしまうわ。 秋でもファイナルの後、立ち上がれなくなる女性射手が続出するのに。
左肘を腰に着けていることに注意して下さい。筋肉を使わずにバランスと骨格で銃を支えているんです。
冬はねぇ、射場って山の中の吹きさらしですからねぇ。寒いですよぉ。でも雪が降る日はどういう訳か、当たりますよ。やめられませんね。
ところで、エアライフルを始めるに当たって必要なのは、コート+グローブです。場所によっては、オペラグラスで標的を見る必要があります。

伏射
伏射(Prone position)です。
得意種目ですが、最近低迷しています。
両目を開けて撃っています。どんな射撃でも、両目を開けるのが当たり前。片目をつぶるのは、幼児の鉄砲遊びです。
スリングで腕と銃を固定し、一番安定する姿勢です。でも、難しいですよ。競技として「全日本選手権サーカス団」 (2段以上、P60で570点、5割が10点に当たる)に 参加できるようになるには、相当練習が必要です。当たらない鉄砲ほどツマラン物はない!
試合の恥はかき得(ドク)、「試合に勝る練習なし」
女性はこの姿勢を嫌う人が多いです。理由は「汚い土埃まみれのマット」に寝転ぶからです。 私は気にならないけど..... そんなのスキーが嫌いな人が寒いのがイヤっていうのと同じでしょ。
そういえば、反動ってどうですか? とよく聞かれますけど、私は気にしません。気にしないようにしています。 どんな大口径の反動でも、姿勢が出来ていればキチッと受けられます。銃は10点の位置に戻ってきます。 反動が来ている間、人間としてすることは全くありません。反動が乱れていても銃はマシンレストよりも 人間が撃つ方が当たります! 後ろに立って「君の反動は....」とささやく人が来たら逃げましょう。 単なる教え魔です。

膝射
膝射(Kneeling position)です。
間違い探し、上の膝射の写真とどこが違うでしょう?
私はこの写真を見て、驚きました。自分で思って組み上げている姿勢との余りの違いに....
酷いですねぇ。まぁ、取りあえず、気を取り直して説明します。
右足首の下に、ニーリングロールという枕をしくのが一般的です。私が射撃を始めた20年前は ロールなしの人が結構いたんですけど。この姿勢は,しびれます。右足が。 正座は両足に体重が分散しますが、これはほぼ集中していますからね。 スリングを使い銃と腕を固定します。

競技時間は、伏射60発は射撃前10分+試射無制限1時間15分です。 3姿勢120発は、伏射40発は射撃前10分+試射無制限45分(強烈に短い)、 立射40発は射撃前10分+試射無制限1時間15分、膝射は射撃前10分+試射無制限1時間の 正味3時間30分+姿勢変換時間各10分の4時間です。フルマラソンより長いですね。トライアスロン並かな。
そして、ライフル射撃競技というのは、この長い時間を、集中力を切らさず、風、光線、気温の変化に応じて撃ち続ける競技なんです。
大きな試合では、8人のファイナリストが限秒射撃で一発ずつ成績発表を0.1点刻みで する上に、更に10.0点以上を撃つと拍手、未満はブーイングでプレッシャーを掛けながら、10発勝負の決勝戦をします。 日頃の練習と心臓に毛が何本、金玉の固さの勝負です。


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