三月書房販売速報[号外]
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2018/01/23[20-…-…] (c)SISIDO,Tatuo *転送歓迎*
e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 号外
※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 定休日追加のお知らせ
○2月19日(月)から、毎週、月曜と火曜を定休日にします。
営業時間 ◇正午〜午後6時(定休日/月曜・火曜)
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先にお知らせしましたように、2月の第3週から定休日を1日増やして
月曜と火曜にします。月曜は振り替え休日が年に数回あるので、水曜を
定休にしたほうがよいかとも考えましたが、どうも月曜火曜の方が覚え
やすそうな感じなのでこう決めました。
うちの店は1950年の開店ですが、たぶんあのころは朝10時から夜10時ま
で営業していて、日曜が定休だったようです。1960年ごろまでは全国の
商店街の黄金時代で、うちの店ですら番頭さんの他にバイトが常時5名
ほどいたものでした。よほど人件費が安く、しかも本や雑誌の価格が相
対的に高かったのでしょう。60年代に入ると徐々にバイトが雇えなくな
り、営業時間も10時から20時までに減少しましたが、お客の要望もあっ
て日曜の午後もシャッターを一枚だけ開けて営業するようになりました。
その後、創業者の祖父が引退し、1980年代には番頭さんも退職して家族
4人の体制となりましたが、その当時は10時30分から19時30分、日曜は
13時半から17時半までで正月以外休みなしでした。その後2代目店主夫
婦の高齢化にともなって、2001年からは平日11時から19時までに短縮し、
2002年には火曜を定休とするかわりに、日曜は正午から18時に延長しま
した。これは、世紀末の地下鉄東西線開業と地元商店街の歩道の整備事
業の完成等の好影響で観光客が増え、平日よりも土日祝日のほうが繁盛
する傾向が顕著になったことに対応した結果です。そして、昨年2月に
は営業時間を一日8時間から6時間に短縮し、今年からは丸一日減らし
て週に5日の営業となります。よーするに従業者の減少に伴って営業時
間を減らしつつあるわけです。
現在、従業者は店主を含めて一人と三分の一程度ですから、営業時間の
短縮にともなって売上が低下してもまったく問題ありません。いつまで
も働けるわけでもなく、また働き続けたくもないので、早いとこ隠居し
たい気もしますが、いきなり店を閉めるのもけっこうたいへんなので、
のんびり商売をしつつ、ぼちぼちと整理作業をしたいと考えています。
そして、週休2日が順調にいけば、そのつぎは週休3日にする予定です。
三月書房販売速報[126]
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2017/12/31[19-02-126] (c)SISIDO,Tatuo *転送歓迎*
e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 126号
※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 2月から営業時間を朝夕各1時間短縮して、正午から6時までにし
ましたが、おかげで少しのんびりできる時間が増えました。売上は
やや下がったような気がしますが、およそ想定の範囲内です。まだ
少し余裕があるので、来春からは週休二日にする予定です。現在は
火曜定休なので、月曜火曜と連休にするのが順当でしょう。営業時
間は6時間ですが、前後各1時間は準備、発注、返品、帳付等の作
業もありますから、8時間労働で週5日、計40時間でやっと世間並
です。もっとも通勤時間が0分なのでその分は楽ちんですが。
そして週休2日制が順調に推移すれば、加齢に応じていずれ週休3
日、4日と増やして最終的には土日のみの営業にしたい。週休5日
制の新刊書店は聞いたことがないので、珍しがられて案外繁盛する
かもしれません。古書店系にはあったような気がしますが。
それにしても書店業界は、はたしてこの状態であと何年持ちこたえ
られるのでしょうか。1997年から2016年までの20年間で総売上がほ
ぼ半減したということは、平均すると年率約3%の減ですが、ここ
5年のそれはほぼ年率4%の減、そして今年は11月まででなんと6.5
%の減だそうです。このまま下降傾向が加速するようだと、消費税
が10%に上がる2019年には、かなりまずいことになるのではという
気がします。うちの店は借金ゼロなので気楽ですが、返品可能な商
品の代金を出版業界に貸していることになるので、返金してもらえ
るうちにさっさと逃げた方がよいのかもしれません。
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)
◆「飢餓陣営45 島成郎 総集号」佐藤幹夫・編集 飢餓陣営発行所
◆「吉本隆明質疑応答集 1 宗教」論創社
◆「吉本隆明質疑応答集 2 思想」論創社
◆「島尾敏雄・ミホ」河出書房新社編集部編 河出書房新社
◆「対談 戦後・文学・現在」加藤典洋 而立書房
◆「死民と日常 私の水俣病闘争」渡辺京二 弦書
◆「バテレンの世紀」渡辺京二 新潮社
◆「幕末−非命の維新者(文庫)」村上一郎 中央公論新社
◆「幕末明治人物誌(文庫)」橋川文三 中央公論新社
◆「脈
94号 沖縄の詩人・思想家 川満信一」脈発行所
◆「なぜ私たちは生きているのか(新書)」高橋巖×佐藤優 平凡社
◆「(歌集)南の窓から」栗木京子 ふらんす堂
◆「(歌集)景徳鎮」大辻隆弘 砂子屋書房
◆「(歌集)風のおとうと」松村正直 六花書林
◆「京都の中華(文庫)」姜尚美 幻冬舎
◆「日本ボロ宿紀行(文庫)」上明戸聡 鉄人社
◆「深ぼり京都さんぽ」グレゴリ青山 集英社インターナショナル
◆「グレさんぽ 琵琶湖とかインドとか」グレゴリ青山 小学館
◆「遅れ時計の詩人」涸沢純平 編集工房ノア
◆「淀川左岸『遅れ時計の詩人』出版記念」ぽかん編集室※完売
「遅れ時計の詩人」は今年もっとも予想以上に売れた本で現在50
冊弱。最初に著者から贈られた本を見たとき、少しは売れるだろ
うとは思ったけれど、こんなにも売れるとは思わなかった。おみ
それしましたというほかない。せっかくだから、早いとこ続編を
出して欲しい。
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)
◆「飢餓陣営46 創刊三〇周年記念号」飢餓陣営発行所※入荷済
◆「<感動の体系>をめぐって――谷川雁、ラボ草創期の言霊」
松本輝夫・編 アーツアンドクラフツ
◆「脈
95号 火野葦平と沖縄」比嘉加津夫・編集※入荷済
◆「アントロポゾフィーの礎」リーヴァフッド 涼風書林※入荷済
◆「続・最後の場所5号」菅原則生・編集発行※入荷済
◆「(歌集)午後の庭」永田和宏 角川書店※発売済未入荷
◆「アースダイバー東京の聖地」中沢新一 講談社※発売済未入荷
[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その88)
○見落としてはいないはずですが、「出版ニュース」の10月中旬号に掲載
されるはずの「書店販売金額の推移」が見あたりませんでした。あまり
の売上減少に、みっともないから公表を控えることになったのでしょう
か。当メルマガでは京都市に本社のある書店グループのみ、拾い上げて
いましたが、2016年のデータは今後入手すればということで、今回は
2006年と2015年のデータを参考までに再録します。
2006年(出版ニュース 2007年9月中旬号より)
・052位 大垣書店 50.6億円 13.2%増
・068位 ふたば書房 35.5億円 11.7%増
・226位 丸山書店 7.8億円 5.9%減
・290位 恵文社 5.2億円 31%増
・352位 金原書店 4億円 35.4%減
2015年(出版ニュース 2016年10月中旬号より)
・023位 大垣書店 98.2億円 7.5%増
・054位 ふたば書房 36.2億円 4.4%増
・208位 恵文社 4.8億円 14.5%減
・357位 ハネサン 2.0億円 0.0%
大垣とふたばは売上も全国順位も伸びてますが、支店数の推移が不明な
ので見た目ほど順調なのかどうかは、外部からは判断できません。
丸山書店は2002年には12億円だったのが2006年に8億弱、そして2009年
にはランク外(※あるいは非掲載)となり、2011年末に高野店、北白川
店が突然閉店、その後のことはよくわかりません。
医学看護書専門の金原書店は2008年に倒産。
http://3gatsu.seesaa.net/article/78620630.html
恵文社は2008年の6.4億円がおそらくピークだったようですが、にもかか
わらず全国順位が大幅にアップしていることを見れば、いかに多くの書
店が消え去り、あるいは売上を落としたのかがよくわかります。
2016年に新たな書店の登場があったのか、下降傾向の恵文社は持ち直した
かのか等、気にはなりますが残念ながらこの号では報告できません。
○山科書店薬大前店が11月末で閉店。20年以上前には本店、駅前店、西野
店があり山科地域を代表する書店でした。その後の推移は知りませんが、
残るはラクト山科店のみになるようです。ラクトA店とラクトB店があ
るようですが、ネットで検索した限りではA店の影が薄くて健在なのか
どうかよくわかりません。ラクト山科というのは市営地下鉄山科駅の第
三セクターらしき商業施設ですが、京阪電車とJRの山科駅も並びにあ
るので、まずまず繁盛しているらしいとの噂です。ついでながら、まっ
たくどうしようもなかったゼスト御池はここ数年やや上向きです。
○河原町四条東北角のブックファースト京都店が閉店すると聞いたので確
かめに行ったところ、店頭に「2018年1月31日限りで閉店」との告知が
ありました。2007年開店時には3階半で計400坪ほどありましたが、2年
もしないうちに2階分に縮小されました。その後経営が阪急からトーハ
ンに変わったので、この阪急系のビルに残る必要もなくなったのでしょ
う。ここは1階が書店売場でないのが大きな弱みで、上の階に書店があ
ることに気づく通行人はまれだったに違いありません。河原町四条東南
角では1月に「FUTABA+京都マルイ店」も撤退したので、河原町通りの
三条〜四条に残る新刊書店は「丸善京都本店」と「大垣書店高島屋店」
だけということになるようです。
[#04] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など
前号以降破産や廃業したのは、きんのぐわがた社、凱風社、三五館、
創拓社出版、伝言社(長野)、ビービー・コム、日新報道などだった
ようです。凱風社は1980年代には数年間常備を入れていた記憶があり
ます。当時は旅行人の発売元もしていて、目録にはグレゴリー青山の
「旅のグ」も並んでいましたが、当時はよくわからなかったので仕入
れなかったような記憶があります。もしくは仕入れたけれど印象に残
るほどは売れなかったのだったかも。
[#05] etc.…
○宅配便やゆうメール等送料が上昇中ですが、うちの店ではヤマトの宅
急便がかなり値上がりしたのがちょっといやです。それでも商店街の
団体契約なので、一般価格よりはまだうんと安いことは間違いありま
せん(※部外秘なので具体的な価格は公開できない)。
うちの店が通販で主に使っている、郵便局のクリックポスト、レター
パック等はいまのところ値上がりしていませんが、これらもそのうち
上がるかもしれません。
Amazonのマーケットプレイスは、Amazonの取り分が増えた変わりに送
料を出品者が自由に設定できる(※プロ契約のみ)ように変わった結果、
350円前後に設定している業者が多くなり、257円均一のころよりも高
くなっています。これは1000円あたりから上の本を買うときにはほと
んど気になりませんが、新品定価500円程度のコミックなどを1円とか
10円とかで買おうとすると、かなりの値上げ感があります。とくに巻
数の多いものは個別に送料が付くのが、マーケットプレイスの欠点で
すが、地べたのブックオフの店頭ではコミックのセット販売に力を入
れつつあるように見えるのはこのあたりも関係しているのでしょう。
しかし、そんなことよりも、出版輸送業界の人手不足問題はどうなる
のでしょうか。2017年は休配日が2回ある月がかなり増えたようでし
たが、いずれは土日は全部休みということにたぶんなるのでは。そし
て現在、中心街の書店やコンビニは配達料が無料なのですが、ぼちぼ
ち有料になっても不思議はないでしょう。うちのような零細書店でも
ほぼ常備以外は往復とも送料無料というのは、過剰サービスとなりつ
つあるように思えます。もっとも、送料有料になれば、大量送品、大
量返品で成り立っている書店業界がますます萎縮すること確実ですが。
○Yahoo!ライフマガジンのコンテンツのひとつとして、夏葉社の島田潤一
郎氏による「町の本屋さんを徹底的に愛すべし!
全国の“いい本屋さ
ん”5選」という記事がアップされて、うちの店も載っています。
記事そのものはけっこうなものですが、店の外観写真は5年位前のもの
が使われています。もっとも現在もまったく変わらないので、何の問題
もありません。記事中の本棚の写真は、編集部に頼まれて小生が撮影し
たものなので新鮮です。
○今年も「週刊読書人」の“アンケート特集「2017年の収穫」”に寄稿
させていただきました。2017年12月15日号です。図書館ででも読んで
みてください。
ご参考までに昨年の分を再録しておきます。
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いしいひさいち『ののちゃん全集10』徳間書店。
ネットと地デジで間に合うから、新聞の購読を全部止めたが、「のの
ちゃん」が読めなくなったのだけが寂しい。新聞業界は販売と広告の
減収に加えて、記者クラブ、訪問販売、押紙、折込水増し、再販制、
特殊指定、軽減税率、行政広報など多数の疑惑や弱みを抱え、出版業
界以上にお先真っ暗のようだ。
鵜飼秀徳『無縁社会』日経BP社。
『寺院消滅』の続編。寺は救いを求めて来たあらゆる人が等しく利用
できる共同設備として開放されているのが本来であり、ホームレスの
方々の雨宿りすら許さずに閉め出しているような寺の非課税特権は剥
奪してもよいのでは。
高島敏夫『白川文字学の原点に還る』朋友書店。
白川静の学統を受け継ぎ、乗り越えんとしている唯一の弟子の二冊目
の著書。前著は学界からは無視されたようだが、師同様九十代まで頑
張って、学界が根負けして認めざるをえないような業績を重ねてほしい。
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○2月に営業時間を短縮したとき、これで少しはまともな読書ができるか
もと張り切って、「宮崎市定全集」「萩原朔太郎全集」「木下杢太郎
全集」等買い込んでみましたが、まだほとんど読めていません。週休
二日になればもう少し読めるのではと楽しみにしてます。そして、今
年も2号しか送信できなかったこのメルマガも、もう少し頻繁に出せる
かもしれません。せめて季刊にはしたいものです。
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
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ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。
◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
◆「バックナンバー(01〜125号)」はHPにて公開中です。
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