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国際社会論(4単位)(神戸大学)




科 目 名  国際社会論
担 当 者  松田 哲


授業のテーマと目標
 現代の国際社会は少数の豊かな先進国と多数の貧しい途上国で構成されており、その両者の間には巨大な経済的・社会的格差が存在している。21世紀に生きる私たちは、このような格差を解消することに真剣に取り組まねばならない。そこで本講義では、南北問題に関する基礎的な知識を受講生諸氏に修得していただくことを目的に定め、南北問題の歴史的な展開の中で何が問題とされてきたのか、南北格差を解消するために実施されてきた途上国の開発によって何が実現されてきたのか、といった点を中心に講じていくこととしたい。


授業内容の要旨と授業計画: 大まかな予定は以下の通りである(変更の可能性あり)。
 1.序論―南北格差の現状と動向―
 2.南北問題の起源―ヨーロッパ諸国の海外進出と植民地支配―
 3.南北問題の歴史―植民地独立後の展開―
  (1)南北問題の登場
  (2)南北交渉の高揚と挫折
  (3)アジア・ニーズの出現―南北問題のパラダイム転換―
  (4)グローバル化の進展と途上国
 4.開発とは?
  (1)近代化と低開発
  (2)経済開発論の特徴
  (3)構造調整と基本的人間ニーズ>
  (4)人間開発と社会開発
 5.開発援助を見る視点>
  (1)途上国への資金の流れ―国際開発金融―
  (2)主要先進諸国の開発援助
  (3)日本の政府開発援助(ODA)
  (4)開発援助をめぐる論点
 6.開発とガバナンス
  (1)ガバナンスとは?
  (2)開発と人権―開発独裁とアジア的人権論―
 7.環境と開発―南北対立の一事例として―
  (1)永続可能な発展とは何か
  (2)環境と開発を巡る南北対立
 8.まとめ


教科書・参考書  特定の教科書は用いない。参考書については、講義中に適宜紹介する。
履修上の注意   出席はとらないが、出席すること。
成績評価方法   期末試験に基づき評価する予定。講義中にコメント・カードの提出を求める場合あり。


学生へのメッセージ  基礎的な知識と思考力を身につけたうえで、さらに現代国際社会の在り方を批判的にとらえる姿勢を身につけていただければ幸いです。


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