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国際関係(4単位)(京都女子大学)




科 目 名  国際関係
担 当 者  松田 哲
テーマ副題  国際社会を見るための基本的な知識と視座を身につける。


授業概要(目標)
 国際社会では、日夜、たくさんの事件(出来事)が発生しています。記憶に新しいところでは、アメリカにおける同時多発テロがありました(2001.9.11)。皆さんの中には、このような事件が発生した原因を知りたいと思っている人も、多いことでしょう。けれどもそのためには、事件の背後に隠されている様々な事実を知ることが必要になります。それは、長い歴史であったり、現状を読み解く理論であったりすると同時に、政治や経済や文化に関するものであったりします。実に学際的な知識が必要とされるわけです。国際関係論という学問は、そのような学際的な視点を生かしながら、国際社会で発生する様々な出来事(事件)について考える学問だといえます。 さて、本講義の目的は、受講する皆さんに、国際社会を見るための視座を身につけてもらうことにあります。講義では、そのために必要となる基本的な知識を、皆さんに提供していきます。具体的には、以下のテーマについて論じていく予定です。もしも皆さんが、講義で得た知識を生かしながら、国際的な事件(テロ)、国際社会で進行中の出来事(グローバル化)、国際社会が解決できずにいる大問題(南北問題、民族問題)などを見る視座を身につけることができたとしたら、あるいは、自分の意見をもてるようになれたとしたら、本講義の目的は120%達成されたといえます。


授業内容(なお、Tは基礎。Uは主に歴史。V〜Xは現代国際社会の大問題)
 序.国際関係とは何か
 T.国際社会を見る目
  1,国際社会をみる基本的な視座
  2,国際社会のイメージ
 U.国際社会の誕生
  1,西欧国際体系の成立
  2,西欧国際体系の特徴
  3,西欧国際体系から現代国際体系へ
  4,ヘゲモニーとパックス・アメリカーナ
 V.安全保障とは何か
  1,リアリズム的安全保障
  2,戦争と戦争防止体制
  3,核兵器と核抑止戦略
  4,軍備縮小と軍備管理
  5,安全保障論の転換
 W.多文化主義
  1,国家のとらえ方
  2,エスニシティとは何か
  3,多文化主義
  4,日本と多文化主義
 X.南北問題
  1,南北問題総論
  2,南北問題の起源
  3,植民地独立後の展開
  4,経済開発とは何か
  5,西欧的近代化論を超えて


教 科 書  レジメを配布するので、テキストは指定しません。
参 考 書  初瀬龍平・定形衛・月村太郎編『国際関係論のパラダイム』(有信堂高文社、2001年)
       進藤榮一『現代国際関係学 歴史・思想・理論』(有斐閣、2001年)
評価方法   学年末試験で評価します。夏期休暇中にレポートを書いていただくかも知れません。


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