あかね雲の彼方へ(6)

今は昔

(2012.6.30)


今は昔

 ジューン・ブライド(6月の花嫁)。6月に結婚した花嫁は幸せになれるという。結婚というのは人生の大きな節目だが、人生に対する考え方、結婚に対する考え方は、昔と今では、かなり違ってきているように思う。

 今の人は、未来に夢と希望を見ているからか、たとえば、プロポーズの言葉でも、「きっと君を幸せにする」なんておっしゃるようだが、昔はそうは言わなかった。昔はね、「いっしょに苦労してくれないか」と言ったものなのだ。

 大切な人に苦労させたいと思っている人などいないだろうけれど、娑婆(しゃば) は、どっちにころんでも苦労するようにできている。それが分かっているものだから、同じ苦労をするのなら、この人といっしょに苦労がしてみたい。頭が古いのかもしれないが、そういう人と出遇えることこそ、大きな幸せではないかと、私は思う。

 それにしても、「幸せ」という言葉には、どこかしら煩悩の影があるようで…。
 南無阿弥陀仏