春夏秋冬・1

ワイズマンをめざせ

 私たちは今、人生のどんな段階にいるのでしょうか。いろんな見方があるかとは思いますが、今回は以前新聞で見かけたアメリカ先住民(スー族)の考え方をご紹介したいと思います。

       「 0歳〜20歳  ベビー(赤ん坊)
        20歳〜40歳  ヤングマン(若者)
        40歳〜60歳  マン(男)
        60歳〜80歳  オールドマン(老人)
        80歳〜     ワイズマン(賢者)

 0歳から20歳までをベビーと呼ぶ。18〜9歳で身体が大
きくても心が母を頼っているうちはベビーだという。20歳か
ら40歳はヤングマン、若者と呼ばれる。まだ青い、と言う訳
だ。どれだけ歩けばマン(一人前)と呼ばれるようになるのか。
…40歳から60歳までが正しく“マン”と呼ばれるに相応し
い年齢なのだ。60歳から80歳までがオールドマン、老人だ。
そして80歳を越えた人はワイズマン、賢い人になる。スー族
の歴史はこの賢者が導いてきた。」

 現代の私たちは、時間軸にそって放物線を描きながら無に帰してゆくのが人の一生と考えているのではないでしょうか。ですが本当は、螺旋階段を「現実」から「真実」へと登り続けて行くのが人生かもしれません。人は60歳で夢(現実)から醒める。そして本当の人(ワイズマン)になるのに後20年かかるということなのかもしれません。60歳を過ぎ、マン(ただの人)からワイズマンをめざす。そのためにこそ、それまでの60年があったのではないでしょうか。

 同じくアメリカ先住民(ナバホ族)のワイズマンの言葉です。

  「周囲の人たちと正しく付き合っているならば、
     ひとり裕福になれるわけがない。
   周囲の人たちを欺くことなしに、
     裕福になれる道はないのだから。」

 最後に、インドのワイズマンの言葉をひとつ。

  「生まれるとき、おまえは泣き、みんなは喜ぶ。
     おまえが死ぬとき、みんなが泣き、おまえは喜ぶ。
       そんな生き方をしろ。」