春夏秋冬・2

なまけ者の環境保護協力提案

 1992年1月現在、日本の自動車保有台数6285万9356台。そのうち約70パーセント、4000万台ほどが乗用車です。数年前までは5人に1台と言われていた自家用車も、今や3人に1台の時代です。わたしたちは自動車なしでは暮らせなくなっています。

 ところで、ある業界誌の統計によると、1991年度に販売された自動車用ワックス類は250万キロリットルだそうです。これは重さにすれば約250万トンになります。つまり1年間に、10トン積みトラックで25万台分、国際競技用50メートルプールほぼ2500杯分に相当するワックスが販売されたということです。

 自動車が一大公害発生源になっていることは既にご承知のとおりですが、このワックス類も環境汚染源として馬鹿にならないように思います。塗布されたワックスはいずれ雨に流されて大地にしみこみ、あるいは下水に流れ、ついには海へと流れ込んで生態系を破壊するのです。250万トンともなれば、石油運搬タンカーの座礁事故による海洋汚染など物の数ではありません。そのうえ毎年のこととなれば事態は更に深刻です。実用的に見て、はたして車のワックスがけは必要なのでしょうか。

 私事に渡り恐縮ですが、私はかつて数年間ワックスがけをしたことがないという乗用車を知人から譲り受け、2年間使いました。その間ワックスをかけたのは2度。その後、中古車と買い替え、6年間乗りました。これもワックスをかけたのは3度ほどでした。車を保管していたのは青空駐車場です。それでも車は丈夫なもので、雨漏りもせず、サビも生じませんでした。ある個人タクシーの運転手さんに聞くと、「自分は営業車にワックスをかけたことがない。いつも水洗いだけですよ」ということでした。はたして、ワックスがけは本当に必要なのでしょうか。ずぼらをきめこんでワックスがけを減らす。これだけでもかなり環境保護に貢献できるのではないでしょうか。時間と経済の節約のためにも、ぜひご一考をお願い致したく存じます。