書と人 吉村 昭
私の場合、吉村昭といえば獣や自然と人間との戦いという印象が強いのであるが、高熱隧道
(新潮文庫)など経営というか管理職の生き様というところで共感を覚える書もある。
大自然という巨大な壁と、ちっぽけな上司の現場を知らぬ命令との狭間でもがき苦しむ。
これなどは、ISO事務局の方々に読んでいただきたい一冊である。
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羆嵐 吉村昭著 新潮文庫
とりあえず読んでいただきたい。からだは凍りつき、恐怖が
目の前に迫ってくる。そして五感は研ぎ澄まされる。
頭の先から足先まで九尺(2.7m)、体重383kgの羆が白
い息をフーフー吐きながら家の周りを落ち着き無く歩いてい
る。その物音が消え、ほっとした瞬間、轟音とともに壁をぶ
ち破り、そいつが襲ってきた!
獣害史上最大の悲劇、大正4年の苫前羆事件。
昭和55年には北海太郎という羆が仕留められた。
その体重ゆうに500kg、これじゃあ洒落にならない。
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私の本棚
羆 新潮文庫
熊撃ち ちくま文庫
鯨の絵巻 新潮文庫
冷たい夏、暑い夏 新潮文庫
高熱隧道 新潮文庫
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