PRTR

PRTR法
(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理改善の促進に関する法律)

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出移動登録)は、「有害性のある化学物質の環境
への排出量及び廃棄物に含まれての移動量を登録して公表する仕組み」であり、行政庁が事業者の報告や推計に基
づき、対象化学物質の大気、水、土壌への排出量や、廃棄物に含まれての移動量を把握して集計して公表するもので
す。

PRTRには、以下のような多面的な意義が期待されています。

@環境保全上の基礎データ
A行政による化学物質対策の優先度決定の際の判断材料
B事業者による化学物質の自主的な管理の改善の促進
C国民への情報提供を通じての、化学物質の排出状況・管理状況に係る理解の増進
D化学物質に係る環境保全対策の効果・進捗状況の把握

環境庁ではPRTRを我が国へ導入するため、パイロット事業の結果や、中央環境審議会での審議を踏まえ、通商産業
省と共同で「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律案」をとりまとめました。
同法律案は平成11年3月16日に閣議決定され、国会に提出されましたが、衆議院で一部修正の後、平成11年7月
7日に参議院で可決成立し、7月13日付けで公布されました。
対象となる化学物質及び事業者等につきましては、法律公布後、9ヶ月以内に政令で指定されることとなっています。

法制定の目的
この法律は、環境の保全に係る化学物質の管理に関する国際的協調の動向に配慮しつつ、化学物質に関する科学
的知見及び化学物質の製造、使用その他の取扱いに関する状況を踏まえ、事業者及び国民の理解の下に、特定の
化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに事業者による特定の化学物質の性状及び取扱いに関する
情報の提供に関する措置等を講ずることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保
全上の支障を未然に防止することを目的とする。

PRTR法のポイント

@この法律はPRTRとMSDSの大きく2つの管理で構成されている。
PRTRは化学物質の排出・廃棄にかかわる排出・移動量の管理
(都道府県知事を経由して国への報告義務)
MSDSは製品等に含まれる化学物質の性状・取り扱いに関する情報提供の仕組み
(事業者間の譲渡の際にシート公布義務)

A対象化学物質は、「人の健康を損なうおそれ、動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれ、オゾン層の破壊の性状
のある物質」を9ヶ月以内に政令指定。政令の制定又は改正は政令で定める審議会の意見を聴取し立案する
指定化学物質は第1種指定化学物質(PRTRとMSDS)と第2種指定化学物質(MSDS)からなる。

B取り扱い事業者は政令で定める業種で化学物質を製造及び排出が見込まれるものを「指定化学物質取扱事業者」
とし、特に第1種化学物質の取り扱い事業者を「第1種化学物質取り扱い事業者」とする。
事業者の業種・規模(取扱い量)等については9ヶ月以内に政令指定

C企業秘密については所轄大臣へ理由を附しての請求により認められた場合、化学物質名でなく分類名で通知でき
る。

Dその他に指針の策定、開示請求、調査、国地方団体による支援措置、勧告・罰則等が明文化されている。

PRTR法の今後の課題

@企業の自治体、市民とのリスクコミュニケーション体制作りなど、企業のPRTRの体制整備

A都道府県を経由して届け出ることに変更されたことによる企業の対応、(事業所毎に都道府県に届け出る体制と全
社組織の仕組みなど工数増への対応)

B対象化学物質の選定(環境ホルモンなど当初の想定物質から法案修正により拡大傾向)、無制限な対象拡大は非現
実的

C対象業種及び対象事業者の取扱い量の指定範囲決定(取扱い量の下限範囲拡大傾向)

Dセットメーカーと部品メーカー間などの商取引上の課題や部品・材料・下請け協力企業等に与える影響
 法の指定物質<業界のガイドラインによる指定物質<企業の自主的管理
 指定物質など取り組みの範囲の個別化・拡大についての考え方整理
 法を上回る個別基準でのグリーン調達による企業選別・取引制限などの課題
 法を上回る成分報告書(MSDS)の要求や秘密保持(契約)の対応策など

Eシステム導入や管理負荷増大に対する中小企業・事業所を中心にした行政の支援策

詳細については、
中小企業総合事業団へ
TEL 03−5470−1517
各都道府県にある産業情報センターにおいても相談を受け付けています。
(財)京都産業情報センター
TEL 075−315−8677