本日のNEWS 1998.12.22


真面目なNEWSからそうでないニュースまで。
出来る限り日替わりで提供します。




COP3一周年全国NGO活動交流会・分科会に参加して(3)


非常に長文になってしまいましたので、何回かにわけて掲載します。
ご容赦ください。


【中小企業が環境に取り組むにあたって】

企業が環境に取り組む場合、賛否両論あるかもしれないが、やはりISO14001を
利用して環境マネジメントシステムを構築するべきだと思われる。

当たり前の話だが、企業の理想は企業の存続であり、利潤の追求である。

大手企業のように影響力が大きく、加えて人、モノ、資金及び情報などの経営資源
が豊富な場合は利潤の追求を超越した社会奉仕的な責任が生じるかもしれないが、
経営資源の少ない中小企業の場合はきれいごとを言っていられない。

だが、中小企業といえども地球市民として考えると、環境に取り組まなければならな
いのは必至。

そこで、中小企業は社会(地域)奉仕や社会(地域)貢献という意味合いも持たせな
がら、経営の一環(マネジメント・システムの構築)として環境に取り組み、企業の体
制強化も図る必要がある。

しかし、そのやり方がわからない。

そこにISO14001という環境に関する環境マネジメントシステム構築のための国際
的な教科書が存在する。

それが、企業が環境に取り組む場合、ISO14001を利用して環境マネジメントシス
テムを構築するべきだという理由だ。

しかし、中小企業が高額な費用をかけてISO14001の審査登録を目指すのには限
界がある。

審査登録のためには最低でも200万円から300万円の費用がが必要であり、審査
登録後も維持審査や更新審査等があって継続的な費用が発生する。

そこで、中小企業には自己宣言をすすめたい。

しかし、一般的に認知されていない中小企業が「我社はISO14001に基づいた環
境マネジメントシステムを構築しています!環境に優しい企業です!」と自己宣言し
ても誰も信用してくれない。

客観的な証拠が無いためで、自己宣言を認めてもらうためには信頼のおける外部
の審査員の審査を受ける必要がある。

しかし、これを民間会社に任せておくと、勝手に自己宣言のための審査と称して高額
な費用を請求しかねない。

従って、この信頼のおける外部審査はやはり自治体が行うべきだと考える。

ただし、小規模企業に限るなどの線引きをする必要があるかもしれないが。

また、自治体が独自に環境監査のシステムを考えて、そのシステムによって小規模
企業の審査を行うのも一つの方法である。

なお、比較的に規模の大きい中小企業の場合も審査登録費用に対する補助金の交
付や、審査登録済み企業の法人税又は地方税などの減額などのメリットを付与する
ことも今後の検討課題であろう。

また、審査登録のためにコストアップし、どうしても製品の値段又は製造委託加工賃
を上げなければならない場合に消費者やユーザーが購入してくれるのかどうか。

この企業の不安を取り除かなければならない。

製品単価が上がる場合は、消費者の環境に対する意識が高揚すればする程にグリ
ーン購入が進み、NGOやNPOなどの活動にも後押しされながら、環境に配慮した
製品の購入が今後は広がっていくと思われるが、自治体がリサイクルやリユース出
来ない製品の回収を市町村が行わない(有料でしか回収しない)などの強制的な施
策が必要な時代も来るのかもしれない。

なお、製造委託加工賃のアップの場合は大手メーカー(発注企業)に対して環境に
配慮した場合のコストアップを認めるように行政が指導する、などと言うことは到底
無理なので、大手メーカーの環境に対する意識向上を待つしかない。

ただし、これは消費者が少々、価格が高くても環境に配慮した製品を購入するという
意識を持たなければ成り立たない。

ここに市民の責任がある。

なお、企業は構築した環境マネジメントシステムについての情報を積極的に公開す
るとともに、市民や学生を受入れるなどの責任があることは言うまでもない。




不定期な日記へ

昔の日記目次へ