本日のNEWS 1999.01.01


真面目なNEWSからそうでないニュースまで。
出来る限り日替わりで提供します。




COP3一周年全国NGO活動交流会・分科会に参加して(4)


非常に長文になってしまいましたので、何回かにわけて掲載します。
ご容赦ください。


【自治体の中小企業に対する役割】

京都市では検討中とのことだが、自治体が独自に環境監査のシステムを考えて、
そのシステムによって中小企業の審査を行うのも一つの方法である。

なお、比較的に規模が大きく自社で審査登録を目指す中小企業についても審査登
録費用に対する補助金の交付や、審査登録済み企業に対する法人税又は地方税
などの減額等のメリットを付与することも今後の検討課題であろう。

また、審査登録のためにコストアップし、どうしても製品の値段(メーカーの場合)又
は製造委託加工賃(受注企業の場合)を上げなければならなくなった場合に消費者
やユーザーが購入してくれるのかどうか。

この企業の不安要因を取り除かなければならない。

製品の値段が上がる場合は、消費者の環境に対する意識が高揚する程にグリーン
購入が進み、NGOやNPOなどの活動にも後押しされながら、環境に配慮した製品
の購入が今後は広がっていくと思われるが、自治体のバックアップとしてリサイクル
やリユース出来ない製品の回収を行わない(市町村が有料でしか回収しない)など
の強制的な施策が必要な時代も来るのかもしれない。

なお、製造委託加工賃のアップの場合は大手メーカー(発注企業)に対して、受注企
業が環境に配慮した場合の加工賃アップを認めるように自治体が指導する、などと言
うことは到底無理なので、大手メーカーの環境に対する意識向上を待つしかない。

ただし、これはすこしばかり価格が高くても環境に配慮した製品を購入するという意識
を、消費者が持たなければ成り立たないのであるが。

【自治体が環境に取り組むにあたって】

自治体の場合は、地域社会への貢献という確固たる目的がある。

最近、ISO14001の審査登録を目指す自治体が増えており喜ばしいことだ。

しかし、自治体においても自己宣言を推奨する。

自治体が自己宣言することは、審査登録のための費用を中小企業や市民団体等の
ために使えることを意味し、それが地域全体を巻き込んだ環境対策促進の起爆剤と
成りうる可能性を持つ。

また、先にISO14001について「やらないよりも、やった方がまし。」と述べたが、自
治体がISO14001に基づいたEMSを構築する場合は少し違ってくる。

たとえば京都市ならば市バスや地下鉄、産業廃棄物処理場など庁舎における事務作
業のみならず、広く市民(住民)に関係した業務の一切について考慮しなければならな
いため、ISO14001への取り組みが、自治体として行うべき環境に対する取り組みに
つながり易い側面を持っているからである。

市民(住民)にとって環境に配慮した地区に住むことは安心につながり、自治体が率先
して行動を起こして審査登録のための費用を中小企業や市民団体のために使えば相
乗効果が現われるに違いない。

なお、中小企業が自己宣言する場合は自治体が審査すべきとしたが、自治体が自己
宣言する場合は誰が審査するのか。

この審査は市民団体、住民及び学生の諸君にお願いしたい。

定期的に市民団体が自治体を審査し、加えて自治体が説明責任を果たすために公開
する情報を住民がインターネットや書面上で審査する。

市民の目から見た審査は、国や関係団体や民間の審査機関等による審査よりも厳し
いのは間違い無く、住民の参加意識も芽生え、かつ、自覚をも促すことにつながるの
ではないか。

学生が審査する場合はもちろん課外実習の一環であり、授業として机上学習と実践を
行いつつ市民と交流することで、視野を広げてもらう意味も持つ。自治体については、
その培ったノウハウや人材、資金面での支援も含めて惜しみなく中小企業、市民団体
及び教育機関等に提供することで、あらゆる組織がEMSを構築できる土壌の整備を図
っていただきたい。



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