本日のNEWS 1999.03.02


真面目なNEWSからそうでないニュースまで。
出来る限り日替わりで提供します。


最近、配信が少なくてすいません!!



【しっかりしてよ、もう〜】

本日の日経産業新聞で面白かった(と言うよりか、なんだかな〜と 思った)記事です。
実在する会社名が出てきますが、ご容赦を。

新コスト革命と題した連載記事で、アイシン高丘が12ある製造ライン のうち、3ラインの
停止を決断、それで見込めるコスト削減効果は6億 円/年という記事が出ていました。

この会社が生産ラインを停止するのは会社設立の60年以来、始めて とのこと。
しかし、まだまだ手綱を緩めるわけにはいかず、今年の1月には無駄 を極力省く役割を
担う組織として、ベテラン社員70人からなる「革新グ ループ」を立ち上げて、わずかな製
造コストの増大要因も見逃すまいと 会社の隅々まで目を光らせているという徹底した方策。
この背景にはトヨタ自動車が掲げる「30%の原価低減」要求があり、 この要求に応えな
ければ系列から外されることに加え、この要求に 応えたとしても、それは十分条件では
ないという厳しさ。

この記事は、
「トヨタのコスト革命には系列メーカーの革新も促す。系列だからといって 過去の取引実
績に安住できた時代は過ぎた。優良企業が多いと言われ るトヨタ系だが生き残り競争は
避けて通れない。」 と〆ています。

う〜ん。厳しいなあ。でも日本の製造業はこれでも強く蘇るんだなあ。

そう思いつつ、日本の製造業の苦悩とそれを乗り越える逞しさに関心しながら読み進め
ると、そこには東洋シャッター社長辞任の記事。

同社はデリバティブ取引で1$120円時点での評価損が約110億円。

その損失処理に必要な資金は資産の売却やメーンバンクからの融資、役員の報酬カット
や全従業員の給与カット、全社員数の約2割にあたる 200人の希望退職者の募集など
で補われるらしいです。

同社はこのデリバティブ取引を97年の8月から始めたのだが、社長は 取締役会への報
告を通じてこれを知っていたにもかかわらず、

「細かいことは知らなかった」とのこと。

直接責任者である副社長は株主総会までに辞任の予定。

当の社長はメーンバンクから責任のある地位に留まってほしいとの要請を受け会長職に。

なんだかな〜。

私は、辞めることは決して美徳でも何でもないと思っています。

辞める前に自分のケツくらいは拭いて辞めろ。そう思う方です。

しかし、この両社の認識の違い。

方や血の汗を流して数億円のコスト削減。それが出来なきゃリストラが待っています。

方や金融派生商品の取引で百億円を超える損失。

それを全員の責任とばかりに皆の給与カットで補う。

東洋シャッターの従業員で、会社がデリバティブをやっていることを知っ ていた方はど
れくらいおられるのでしょうか?

以前、MLでアメリカではお金を運用することは常識との話題が出てい ました。

しかし、110億円の損失を出しても「知らなかった。」で、涙の一粒でも 流して頭を下げ
りゃ「偉いさん」なら許される。

そんな国ではお金を運用することは考えてはいけないんじゃないでしょ うか。

ほんまにアホか、この経営層は。

株にのめり込み、それで企業収益を圧迫しているキティちゃんの親分 もそうですが、
自分の双肩に何万人という従業員や取引先やその家族が乗っかっていることを忘れ
ているのでしょうか?

それとも、そんなことさえわからないアンポンタンしか経営層になれない のでしょうか。

今、街の20人の板金屋さんでも不良を出したら「会社の責任やで。」 とは言いません。

部や課やグループの責任でもない。

「おまえの責任や!しっかりせい!」 そう言わないと不良は無くなりません。

不良を出す人は、仕事の多いときでも少ないときでも出す。

そう認識して1円でもポカを出さないように日々頑張っています。

しっかりしてよ、もう〜日本の社長さん!。

追伸
経営努力って言うけれど、経営努力って誰がすんねん!
現場の我々が経営努力するんかいな?
ちゃうやろ!社長やろ!全従業員一丸となって経営努力って言うけど、
わしらは現場い改善やろ!ようて現場革新やろ!
経営の「け」もやらして もらえへんやんけ!
わしらが爪に火をともして削減した1円の代償が110億円の損失かい!
それを知らんかったで済ますんかい!
そんでもって全体責任で給与カットかい!



【100円ショップも侮れません!】
最近、よくテレビを見ています。
今日は、スーパーテレビで100円ショップ特集が放送されていました。

私もたまに100円ショップに行くのですが、
「いや〜っっっ!これが100円かいな!」 という商品に出くわすことがしばしばあります。

今日、その謎が解けました。

メーカー在庫品や倒産会社の処分品で、もともと上代価格2千円とか 3千円という商品が
並んでいたのです。ビックリです。

今日のテレビでも、上代が3千円のブックスタンドを50円で仕入れて 100円で売っていま
した。

売れない在庫を抱える企業から100円ショップが仕入れ、お客さんに 売る。

この三方良しの理論で皆幸せというところです。

普通、上代が3千円の品物の原価は6百円から9百円(2〜3割)でし ょうか。

完全に原価われしていますが、売れないよりはまし。

捨てることを考えるならば、環境にも配慮した三方みんな良しです

私も、確かにうれしい!しっ、しかし・・・・・。

あえて言わせてもらいます!

このブックスタンドを作った方の満足感はどうなったのでしょうか
細かいことを言えば作業時間はどれくらいだったのか。 人件費はどうだったのか。

売れないよりは売れた方がましという、それ以上何も言えない完全無欠 の理論によって
作業者の満足感とともに、もろもろの元々の原価がまっ たくの無駄となってしまっているじ
ゃあありませんか。

100円の商品を作るべくして考えられた商品ならば何にも言いません。

しかし、3千円で売るために原価計算された商品です。

それが100円で売られている。

テレビを見ながら嫁さんに
「これ、間違ってるで。なあ、そう思わへんか? なんで100円で売らなあかんねん。なん
で在庫持つような商売すんねん。なあ?」と聞いたのですが、

「あんたもウルサイなあ。50円で売りたい人もいれば買いたい人もいるん やろ?それを
あんたも買うんやろ?黙ってえな!」で、あえなく撃沈。

東京の中小企業の社長が受注減のための起死回生として、100円ショッ プに自社製品
を何度も持ち込んで、その度に「ちょっと駄目ですね。」 と言われ、その駄目と言われた
鍋を見ながら「やっぱ、100円でも品質や な。」と言っていたその横顔と、更に気合を入
れて作ったアルミ鍋を売り込 みに行く社長の息子が、それまでの長髪を切って短髪にし
ていた姿勢とその耳に付けられていたピアスのゆとりというか何というか、そのギャップの
みが目に焼き付きました。

100円ショップも侮れません。



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