本日のNEWS 2000.01.15


真面目なNEWSからそうでないニュースまで。
出来る限り日替わりで提供します。


最近、配信が少なくてすいません!!


【破綻】

京都みやこ信用金庫と南京都信用金庫が破綻しました。
信金の破綻は今や珍しくないのですが、京都にある信金の破綻にはちょっとショックなものがあります。

京都は昔から信金王国と呼ばれ、全国でもトップクラスの信金が多くあるところです。

京都信用金庫は証券街で成長し、
京都中央信用金庫は市場で成長し、
伏見信用金庫は酒蔵で成長し、
西陣信用金庫は西陣で成長しました。

京都市内は十大都市の中でも零細企業率が高いというのも関係あるのかもしれません。

破綻したみやこ信金は、伏見信金と西陣信金が体質強化のために合併したところでした。
伏見の酒蔵や西陣が衰退し、これではいけないと合併。
それでも破綻してしまう。厳しい世の中です。

背景にはいろいろな側面があります。
バブル崩壊に伴って、大手都銀が中小企業相手に進出してきた。
中小企業相手だった地銀が零細企業相手に進出してきた。
零細企業相手だった信金はその縄張りを奪われ続けた。

加えて自己資本率を上げなければいけないために銀行は貸し渋りを始めて、優良な企業にしか貸さな
くなった。
ここで信金には優良な企業に貸す道を閉ざされ、しかし、優良でない企業にもむやみに貸すことは出来
ない。にっちもさっちも行かない状況です。

そんな時に商工金融が躍進。
優良でない企業相手にどんどん貸し出し(手形の割引)を行います。
キャッチフレーズは「中小企業の強いみかた」
くしくも日栄も京都の企業です。
そして日栄に資金を提供しているのが銀行。

都銀、地銀、商工金融という敵に包囲された信金は、長期不況もあいまって、もともと経営基盤が脆弱
だったこともあり、ひとたまりもなく破綻してしまいます。

信金には、高校時代の友が多く就職しています。
高卒ということもあって、外回りの集金業務が専門でした。
しかし、経費節減のために、いつの頃からか外回りの集金業務は無くなり、年若くして信金内での転機
を向かえていました。
転機は苦しいものですが、破綻よりはまし。
小学生の息子や娘を持つ友人達は、これから中信に吸収されるとはいえ、全員が職に就けるなどといった
楽観論は持ち合わせていません。
早くも2回目の外圧による転機を向かえています。

世の中では自己努力や自己責任ということがよく言われます。
しかし、一介のサラリーマンには破綻を防ぐことは出来ず、経営に参画するということさえ難しいのが現実
です。
何もやっていないのではありません。
真面目に真摯にやっているにも関わらず、どうしようもないの です。

先だって成人式の中継がテレビで流されていました。

インタビューに答える若者達。

今、何がしたい?との問いかけに「え〜っと、遊びたい!」

20歳になって嬉しいことは?
「酒が飲めるし、煙草も吸えること!」

将来は、どうなりたい?
「え〜と、ビッグになりたい!」

私は、思わず娘達の顔を見つめてしまいました。
世の中や生活を楽しむことって、こんなことなんだろうか?
私は古いのかもしれませんが、そうは思いたくないし、決してそうはしない。
苦よりも楽を選びますが、ちょっと違う。

今朝は、小学校の娘の登校について行きました。
一昨日、小学校に脅迫まがいの嫌がらせの電話があったとの ことで、昨日から登下校には親がついて
いくことになったのです。
仕事はありますが、出来る限り娘の登下校に付き合おうと考えて います。

日野小学校は同じ京都にあります。
どこの誰が電話したのかわかりませんが、何か狂っています。

今、京都の小学校の校門前には必ず警察官の方々が立って いてくれます。
普段は交通違反でしか関わることもなく、嫌な印象しかないので すが、こんな時は心強い。
人間とは勝手なものです。

ペイオフにより、預貯金も1000万円以上は保証されなくなりま した。
私が金融機関に1000万円以上を預けることはないでしょうが、 2000万円を預ける時は、
「1000万円までは保証しますが、 あとの1000万円は我が行に何かあった場合は保証しません。」
そういうことです。

それならば、2つの銀行に預ければ良いのかといえば、そんな に簡単じゃない。
分散すればするほどに、リスクは広がります。
預ける先が増えれば増えるほどに、預け先の銀行の経営状態 を調べなければいけない。
しかし、銀行の経営内容なんて、個人ではわからない。
じゃあ、タンス預金にしましょうか、でも泥棒が心配。

世の中には「かくあるべし論」が多く氾濫しています。
自己責任もそうですし、世の中何か狂っとる論もそうです。

昔、こんな新聞記事がありました。日経です。

「自分の資産について戦略を持ち、一生涯の生活設計を子供の分 まで考えるべき。横ならびの考えは
駄目。日本の社会が今後、どう なるのかという見極めも重要。日本人は何かが起これば誰かに責任 を
とってもらう気持ちが強すぎる。政府に頼り、格付け機関に頼り、 あるいは誰かが救ってくれると考える。
そうした姿勢は自己責任を 自分で放棄していると言わざるを得ない。」

それを読んだ友人は、たまたま流れていたダイエー赤字のニュース にも触発され、

「ダイエーも全国均一の品揃えが赤字の原因って言うけれど、これで 地域の特色を出されりゃ我々のよう
な地方の中小(酔ってダイエーと 大手都銀をかさねています)はたまったもんやないわ。 経営努力って 言
うけれど、経営努力って誰がすんねん!集金にも回る我々が経営 努力するんかいな?ちゃうやろ!
社長やろ!全従業員一丸となって 経営努力って言うけど、やらしてもらえへんやんけ!」

私は、日経の記事よりも、この友人の絞り出した、誰もが口にする 現実をスタートに物事を考えて行きたい。

新年早々、そう考えてしまいました。
今年もよろしく、お願いいたします。



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