普及に向けて

1.障害者シンクロフェスティバルの開催
1992年より京都市で毎年5月に開催。(1997年の第6回のみ、普及のために東京で開催)
シンクロ委員会からの応援もうけ、公認の審判員から毎回丁寧、かつ厳しく講評があり、演技者にとっては、自分たちのシンクロを見直す機会になると同時に励みにもなっている。有資格者からのアドバイスは、障害者シンクロの質を高めるものとなっている。
フェスティバルの定期開催で、障害者シンクロの持つ意味が理解され、障害者スポーツ関係団体、障害者スポーツ施設、水泳関係者等からの関心が寄せられてきたことが、参加者の増加につながっていると考える。
フェスティバル開催当初は、身体障害者が主であったが徐々に知的障害者も増加してきている。シンクロのように人に合わせることが苦手な人も多いのだが、音楽があり人との関わりの中で水という自由な空間を楽しむことができるからだと考える。また、障害なしという人も増加している。これは介助者でなくパートナーとして共に演技する人が増えてきたからだと考える。視覚障害、聴覚障害等様々な障害を持つ人がシンクロの楽しさを味わうようになってきている。
年齢別に見ると3,4歳から70歳代までと非常に幅広いのが特徴である。プールの底に足のつかない小さな子ども達は母親に抱かれながら演技することができる。年齢が高くなってくると陸上での活動では、つまづいて骨折したりする事が考えられるが、水中では、打撲や骨折の心配がほとんどなく、スピードを競うこともないので無理なく楽に動けるということで、高年齢になっても続けることができる。
2.障害者シンクロ講習会の開催
年1回以上開催。京都市、東京都での講習会は定例になっており広い範囲の地域から参加者を得ている。また、各地域(広島、愛知、新潟、富山、埼玉)からの要請により講習会を開催し、開催した地方からは、フェスティバルに参加するチームが出るようになってきている。
「シンクロが楽しい」「やってみたい」という人が増加してき大変喜ばしい状況ではあるが、まだまだ未開拓の分野であり、指導者が非常に少なく要求に応え切れていないという現状である。今後指導者育成のための講習会等も積極的に開催していく必要があると考えている。そして、障害のある人もない人も一緒にはいることができる、利用しやすいプールのできることを願っています。