「理論編(金属と周期表)」 |
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1.概要 自然界の金属元素は、一部を除いて非金属元素などとのさまざまな化合物として存在し,そのことが自然の多様性につながりました。身近に金属を利用したものがたくさんありますが,これは人類の英知によって得られたものです。そして,これらの金属は物質の究極である元素または合金なのです。それゆえ,金属学習は物質の原点と多様性,人類の科学技術を学ぶものだといえます。 金属学習は,小中学校で長らく位置づけられてきませんでした。しかし,金属という言葉は登場します。そのため,身近な金属を調べても商品知識を学ぶだけになり易いのです。商品は雑多で多様で,知れば知るほど混乱していきます。金属元素を意識してこそ,身近なものを科学的に物質を見る事につながります。そんな中,ようやく指導要領に金属学習が取り上げられ,状況は変ってきました。 「金属→元素→原子・分子」という学びは,年齢や発達段階に関係なく理解できる科学の基本原理です。たくさんのことを学んだ末に,原子・分子に行き着くというものではありません。科学は,基本原理を知って,そのことを手がかりにして考えを深めていくものです。 ※これは,金属学習をテーマにして実施した2004年度の2つの講座で配布したレポートを元に,加筆訂正したものです。また,これらのレポートの原点は,明治図書出版『楽しい理科授業』1993年10月号に執筆した「金属のすごさを体験させる”すぐれもの”はこれだ」です。 ※古墳から多くの青銅鏡が出土しますが,貴重な金属の最高の用途といえます!
元素の学習は,周期表があって初めて意味をもちます。一般の周期表はアルファベット記号が並んでいるだけで馴染みにくいのですが,例のような実物写真を掲載した周期表を手に入れると,途端にわかりやすくなります。 金属光沢によって,金属元素と非金属元素が一目瞭然で,実物を用意しなくてもよいのです(実物が不要ということではない)。そして,元素のほとんどが金属であり,数少ない非金属元素は気体が多いこと,両者の境目には両方の性質をもった興味深い元素が見つかります。また,「金属結合」は金属元素同士の結合であり,「イオン結合」は金属と非金属元素の結合,「共有結合」は非金属元素同士の結合です。 このように,周期表は,金属と非金属の分類に始まり,元素のさまざまな関係を考え,物質世界の基礎的な理解につながる重要な窓口となります。
私の意図しているものとは違いますが,こういったものも役立ちます。 ※周期表に関するメモ 一般に認知されている110種類の元素(1H〜110Ds)のうち,自然界には90種類(1H〜92Uまで90種類/43Tcと,61Pmを除く)が存在するだけというシンプルさに驚かされます。そのうち,金属元素は3/4を占め,残りが非金属元素です。また,地殻中の元素の存在度を質量百分率で表したものでみると非金属元素が3/4を占めます。つまり,種類は少ないが量に勝る非金属元素が多くの種類の金属元素と化合し,多彩な物質世界を形成しているといえます。こういった金属元素と非金属元素の関係が,周期表に,きれいに整理されて並んでいます。
3.金属学習 家の中では,包丁や金属食器やアルミホイル,水道の蛇口や硬貨など,金属光沢によってすぐに見つかります。これらの金属製品は,近代科学技術の産物です。単体で自然に産出する金属はごく少量であり,ほとんどは化合物(酸化物)として存在するからです。そのため,金属としての利用には高度な還元工程(製錬)が欠かせないのです。そして,還元は,元素物質に近づくことをも意味しているのです。 中学校では教科書に周期表の掲載がなく,元素としての理解は難しくなります。元素を意識しない指導例として「金属には,ステンレスや青銅や真鍮などがある。」は,まだいいとして,「非金属には,大気やヒトやお菓子などがある。」となると,およそ科学的な学習ではなくなります。また,「鉄は金属であるが,鉄錆は非金属である。」などとすると,鉄錆びの成分の鉄分はどっちなんだろう?‥などと悩んでしまいます。こうなると,なぜ,金属と非金属に区別するのか理由がわからなくなります。 (学習指導要領の「金属と非金属との違いにも触れること。」という内容は,元素を学ぶという位置づけと周期表なしでは混乱するだけです。) ※自然に存在する単体の金属 ・金と白金族元素:酸化しにくく,もともと単体で存在します。 ・銀,銅,ビスマス,テルル,アンチモン,鉄なども少量が単体で産出されます。これは,地中で何らかの還元作用を受けたものと思われます。 4.金属と自由電子 このように,金属の特徴が自由電子に関係していると知った瞬間,金属のおもしろさと重要さが理解できます。ただ,残念ながら自由電子は直接観察できませんので,観察や実験事実を自由電子と結び付けて頭の中で考えることになります。このことが,金属学習を先送りして曖昧な存在にしてきたのかもしれませんが,どこまでいっても人類の見つけた知恵として理解するのが自由電子なのです。 5.発展
6.備考 ・日本語で書かれた実物表示の周期表(ポスターサイズ)を探しましたが見つかりません(日本の理科教育界の不思議なところです。)。恐らく,唯一だと思われるのは英語版の直輸入品で,取り扱っている仮説社には頭が下がります。理科の資料集などには掲載されていますから,日本語でポスターサイズも作れるはずです。どこかの教材会社が名乗りを上げてくれることを期待しています! |
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