保険

7年程前家内の病状を見つめて急に勤め先を退職し、それまでの家計を見直す機会がありました。既に長男、長女は大学を終わって、次男だけが在学中でした。それまで14年にわたって、「定期付き養老保険20年」を掛け(満期生存200万、病気死亡2,000万、事故死亡4,000万)、年々約39万円を払っていましたが、退職に伴って収入が減るので、保険会社に尋ねて見ましたが、満期時生存していると20年払い込んでも 約400万しか返ってこないというので、普通の養老保険に切り替えました。切り替えるとその後掛け金は払わずに満期、死亡とも約484万が返り、子供もほぼ独立して保険金に頼らなくても良いと判断したのです。1997年春満期を迎え、保険業界の不振で給付は悪くなっていました(1年前には521万円と会社は計算してくれていたのです)が、それでも501万ありました。

現在は私の生命保険は皆無で(葬儀は近親者による密葬だけにするつもりです。結婚式と葬式は、社会的に活躍しているときには、得意先へのご挨拶、披露等々社会的な意味合いから必要ですが、もはや引退した身には仰々しい告別式は不要です。(葬儀費くらいは保険がなくてもOKです)、家内と娘の簡易保険だけを掛けています。保険もやはり自分の置かれた条件を検討して選び、また変更するべきでしょう。基本的には掛け捨てのものでよいのかも知れません。
2003年5月保険業法改正の動きが急です。生命保険会社が破たん前に契約者に約束した予定利率を引き下げることを可能にする法改正です。現在の超低金利で運用益が出ず、予定利回りを維持できないからです。生命保険には年齢と死亡率など統計的な要素もありますから、必ずしも運用益だけで経営を論ずることは出来ませんが、移り変わりの激しくなった現在、どんなに優れた経営者であっても長期にわたる利回りの予測は出来ないと思います。おそらく予定利率の変更を許す改訂に進むと思われますから、この点からも当面基本的には掛け捨てのものでよいのです。
家族保障をつけたり、まるで重装備の戦艦のような保険もありますが、割高の感を持っています。貯金を兼ねるという発想で生命保険を掛けて居られる方も多いかとは思うのですが、ことに現在のように利回りが悪いときには貯蓄の要素はほとんどありません。単純に主たる収入者の不時の時を想定してのみ選ばれるのがよいでしょう。貯金は別個に有利なものを選ばれたらよいのではないでしょうか。

大正生命、千代田生命、協栄生命と倒産が続いています。ソルベンシーマージンというのは支払い余力をリスクで割ったものでこれが200以上であれば大丈夫と言われていたのですが、200以上でも倒産したのです。また保険契約者保護機構も財源が枯渇しているのです。財源の一部は公的資金の投入でまかなわれているのですが、私的な契約に投入するというのもおかしなものです。経営体質が改められず過去の貸し付けの不良債権化を招いたことの本当の反省と改革が行われていないのです。まだまだ危機は続くと見るべきでしょう。2000年11月28日の報道では大手・中堅生保11社上半期成績では富国・太陽以外はいずれも保有契約高を減らし解約が進んでいることを示しています。これに伴って支払い余力も縮退しています。

「もう高齢だし、保険に入れるのかなあ・・・」
中村メイコさんが微笑んで答えます。
「満79歳までなら、誰でも無条件で加入できます。」

これはある保険会社の広告です。偽りではないのですが、もしあなたが生命保険・医療保険と思って加入されたら、それは誤りです。よく広告を見てみましょう。小さい字で“シニアケア保険特約つき普通傷害保険”と書いてあります。ケガだけの保険です。

 
以前は京都市が年間360円の掛け捨ての交通災害保険がありましたが、赤字で中止になりました。最近京都共済協同組合(理事長京都市長)の障害見舞金共済ができましたので、これに加入しています。これは交通事故に関わる障害と日常生活にかかわる障害をカバーし、掛け金年額は職業、年齢に無関係で6,000円です。事故が起これば協同組合に連絡すれば入院先病院との事務処理は組合でやってくれるので、例えば入院証明書を自分が病院に手続きすることも要らないのです。補償額は見舞金共済ですから少ないのですが、無いよりは助かります(例;障害入院共済金日額2,500円。180日限度)。
火災保険は住まいが借家ですから住居には掛けられません。全労済の掛け捨てのものを家財にのみ掛けてあります。今年になって新しく自然災害でも100万円以上の損害を受けた場合給付があるものが販売され、加入の案内が来ましたが、考えてみるとわたしのような老人の家にあるものなどたとい購入時に数百万円を支払ったものであっても、年数が経っていますから災害時の評価額はごくわずかでしょう。現在は掛け金は月に1080円ですが、この自然災害を加えた保険に掛け替えますと月に2500円程度になります。おそらく災害時の評価は100万円にはなるまいと踏んで加入は見合わせました。

最近経験した事を書きましょう。2003年7月家内が掛けていた簡易保険(養老保険)が1件満期を迎えましたが、家内自身は病臥中で受取に行けないのです。私を受取人と指定する委任状も書けない状態ですので、現状受け取ることができないのです。時間と費用がかかりますが、私自身が法定後見人になる以外に方法はなさそうです。有印私文書偽造という意味では違法ですが、手軽に受け取るには家内の自筆署名すべき所を、娘なりその他誰か女性に署名させて委任状を作ればよかったのです。最近はお金のことに関しては本人確認が大変うるさくなっています。

相続人の一人を受取人とする死亡保険金を、相続人らで分割する相続財産に加えるべきか否かが争われていましたが、「他の相続人との間の不公平が到底是認できないほど著しい場合」でなければ、「相続財産に加えるべきではない」と最高裁第二小法廷(北川弘治裁判長)は2004年10月初判断を示しました。
この判断は大変重要な判断で、保険締結時に慎重な考慮を迫るものでしょう。

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