いま考えていること 158(2003年12月)
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少子高齢化社会の到来を目前にして、年金論議が盛んです。年金の二分の一を国が負担するという国会の付帯決議があるにもかかわらず、財源の窮迫を理由にその実行は棚上げになっています。しかし国会での議決さえ守れないというのでは、政治の将来に対して国民の信頼は揺らぎ、年金の将来について国がどのような説明をしても疑いは増すばかりで、若い人たちの国民年金ばなれを改善することは出来ないでしょう。年金だけではありません。政治のすべてについて誰も信用しなくなるでしょう。「信」に価値を置くなら国債を追加発行してでも、まず年金の二分の一負担をば即時実現することが大切で、そうでなければ信頼を回復させることは出来ません。來年は年金の物価スライド制に従って年金給付額の0.2〜0.4%引き下げが実施されますが、将来物価上昇が起こったときにスライド制が働いて年金もスライド上昇して不安をなくしてくれると考えるからこそ、この引き下げも受け入れる気になるのです。国の負担を二分の一に引き上げないようなことでは、今回の国庫負担の回避と同様に財源不足を理由に物価が上昇したときも、年金給付の増額を見送るような事態にならないかという不安をかき立てるのです。少なくとも国会で議決したことは決断を持って実現してほしいものです。今朝の新聞は2005年1月から公的年金の控除最低額を140万円から120万円に引き下げることと老年者控除50万円の廃止、65歳以上に適用されてきた優遇措置も廃止すると報じました。これで約2,400億円が税収増となる見込みで、これを国庫負担増財源の一部に当てるといいます。私もかなりの増税を覚悟しなければならないのですが、本当に国庫負担増の実現をするために止むを得ないものなら引き受けるにやぶさかでありません。
いま考えていること 159(2003年12月)
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いま考えていること 160(2004年01月)
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いま考えていること 161(2004年01月)
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いま考えていること 162(2004年01月)
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