いま考えていること 234(2006年06月)
――靖国神社参拝は心の問題か?――

自民党参議院片山幹事長は21日から中国を訪問し外交首脳と会談するそうです。目的は冷え込んでいる日中首脳の交流を打開するために靖国問題は内政問題であり心の問題だと伝えるためだといわれます。小泉さんはじめその代弁者たちも靖国問題は「心の問題」「良心の問題」だということを根幹にして中国の理解を求め、行き詰まりの打開をはかっています。

現在、形は一般の宗教法人の形をとっていますが、本来靖国神社は国の命令で命を捨てた軍人尊崇のために、国が設立管理してきた特殊な組織でした。日本の多くの神社は祖霊尊敬のためにその子孫が祀ったか、非業の死を遂げた人たちの祟りを沈めるために鎮魂したかというものが多いのです。その点靖国神社は特殊な神社であり、元々政治が絡んでいるのだと思います。地方によっては亡くなった兵士のために鎮魂碑を建てていますが、こちらはむしろ戦死を名誉の死とみるよりもむしろ日本の伝統に則り非業の死ととらえて鎮魂したものなのでしょう。靖国神社をみる場合、かっての為政者の政治的立場を無視することはできません。A級戦犯というのは国の内外に被害をもたらした人たちであり、被害を受けた当事者は、国の内外を問わず靖国神社に首相が参拝することは、国としてこのA級戦犯のした行為の是認と崇敬を意味すると受け取ってしまうでしょう。小泉さんが首相を辞め議員も辞めて普通の一般人に戻られてからその個人的感情から靖国神社に参られてもそれは「心の問題」でありますが、首相という公人にはそんな自由はありません。

日銀総裁である福井氏は我々が株を保有するのとは意味が全く異なることを自覚しておられたのでしょうか。総裁は株価に直接影響を与えうる立場なのです。まして村上ファンドのような金儲けの組織に荷担していた責任は、我々庶民とはちがうのです。日銀総裁は「法王」にもたとえられる至高の地位なのです。少なくとも表に見えるところでは完全無欠でなくてはなりません。福井氏にはそれがどうもお分かりになってないようです。小泉さんといい、天皇といい、公人は個人の自由を完全に行使することはできない立場ということを認識してほしいものです、片山さんはじめ首相の取り巻きがいくら中国を訪れて、「心の問題」だといっても公人の政治的責任を自覚しないで相手を自分の考えに同調させようとしても根本の見方が違っているのですからそれは無理でしょう。

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いま考えていること 235(2006年06月)
――最近の株価――

企業の定時総会がそろそろ始まろうとしています。とかくの批判はあるのですが、リストラなどの進行の結果企業業績は回復し始め、好決算の企業が多く、一部の評論家などは日経平均が2万円を達成するのも確実だといっていたものです。ところが。2006年6月22日現在日経平均は15000円を切っているのです。アメリカの株価も荒っぽい動きをこのところ示していて足踏みもしくは低下の傾向です。勢い輸出が抑えられ、企業業績の進展は期待できないとの見方もあるのでしょう。日銀が量的緩和を改め、ちかぢかゼロ金利政策からの離脱も予想されますから、企業の借り入れ利息が上がるとの見方もあり、ダブっていたお金がかなり減ってきていますから資金的にも投資の余裕が乏しくなってきています。デイトレーダーの皆さんはライブドアや村上ファンドの失速から雰囲気が変わり、損をした人もいるでしょうから、この面からも全般的には投資意欲の足を引っ張っています。この国では日銀総裁でさえが投機的な動きをして信用を失いましたから、当分株価の上昇はみられないでしょう。

私は4月頃に家の修理もあって株式をかなり売却し現金化しましたが、余剰資金をこのところ再び株式購入にだいぶん投入しました。私は短期に利益を上げようとは思っていないのです。今までの持ち株(売却したものも含めて)の価格変動を検討して、私なりに安くなったと思われたものに再投資したのです。一例を挙げますと今年1月4日NEOMAXは4000円で売却しましたが6月21日この株は安値2240円になり実に1月の6割にもなっていないのです。私は当日2270円で購入しておきました。経済評論家の言うことにも一理があることもあるのですが、所詮その人の主観的判断であって、それならば私なりに主観的に判断したいと思っているのです。もし判断が誤っていてもそれは自分の決断であったのですから、あきらめもつくではありませんか。ソニー、三洋電機などは今の心構えでは数年後の業績回復を考えています。また三洋化成はアジアでの紙おむつの使用増を見込み、ホギメディカルは「オペラマスター」のユニークな発想に期待しているのです。

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いま考えていること 236(2006年07月)
――選挙の意味――

ラジオの深夜便でカナダから帰国した人にアナウンサーが帰国の印象を質問していました。その人が答えるのに「住みにくくなった。税金が高くなった。健康保険の掛け金が上がったなどの声が今までになくいろんな人から聞こえてきます。」とのことでした。この方は政治家ではありません。ごく普通の人です。

新聞の投書欄にも住民税が大幅に引き上げられたことの驚きを見ることができます。私自身も昨年年額7000円だった住民税が今年は46,400円になったので驚いています。住民税が増えましたので昨年まで給付されていた家内の「家族介護用品給付事業」からの京都市給付金約37,000円もカットされましたから、これだけでも8万円超の出費増大です。10倍を超える出費です。このほか健康保険料・介護保険料の増額もあり、全国の老人で同様な例がおびただしく見られるのです。私たちには一片の通知書だけを受け取るだけで抵抗するすべもありません。

ここで注目されるのは最近滋賀県知事選挙で社民党推薦候補が当選し、東大阪市長選では元の市長(共産党推薦)が返り咲いたことです。選挙の結果は投票率などの影響も受けますからそんなに単純ではありませんが、とても小泉さんが言うような「もっともっと改革路線を進めなければならない」という認識では庶民感情とは一致しません。これは怒れる人たちの反撃が実ったものではないでしょうか。労働組合もない一般の人たちの政府路線への反対が選挙を通じて出てきているのではないでしょうか。もし私の推論が正しければ今後の選挙に同様の反応が出てくるでしょうし、今のこの状況の中で法人税の軽減や高額所得者への減税はそれなりの理屈はあるのでしょうが、今は後回しにしてメスを入れなければなりません。私は直接税徴収率の不公平さから見た場合、消費税に必ずしも反対ではないのですが、今の企業・金持ち優遇の税体系を放置して、消費税を引き上げれば必ず選挙結果に反映してくるものと思います。まして、社会保障の充実のためには消費税を上げるしかないという論理を許してしまいます。政府の言うことは昔から信用できないのです。たとえば高速道路の通行税を一般財源に組み入れると提案したり(道路税が黒字ならまず税率を引き下げねばなりません)、地方に公共事業を国の肩代わりをさせて展開するため、地方債発行を推奨しておきながら、今になってこれをカバーする地方交付税を約束に反してカットするようなことを平気でしていくのです。社会福祉のためといっていた消費税増税がいつの間にか一般財源化されて軍事費に使われたり、福祉を押さえるために消費税を上げない限り福祉の充実はできないと言わせてしまう結果になることを恐れます。

各政党の皆さん、こういう組織を持たない一般の人々の不満をくみ上げ、組織化することがこれからの選挙の勝利を保証するのです.

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いま考えていること 237(2006年07月)
――指導者のあり方――

若いときに欠けているのは経験の不足とそれに伴う視野の狭さです。若い人にテーマを与えて仕事をしてもらう場合に心がけてほしいことがあります。それは小泉さん流の丸投げはしてはならないと言うことです。小泉さんが丸投げする場合相手は相当なベテランですから、相手の力を信じ、発揮させるために丸投げも悪くはないのですが、相手が若い未熟な人である場合はそれではいけません。こんなことを書こうと思ったのは、自分の卒論研究を思い出したからです。恩師に対する遠慮からこれまで公に自分の意見を述べることは控えていたのですが、私も年をとり恩師も亡くなってからもう十分の時間が経ったと思うのでお話ししても許していただけるだろうと思うのです。

私が恩師からいただいた卒論のテーマはわかりやすく言いますと「稲熱病菌の培養に当たって亜鉛が欠乏するとその代謝サイクルのどこかの酵素に障碍が起こって、特定の代謝産物が培養液中に貯まってくる現象」を調べなさいと言うことでした。問題は経験不足な私は培養基から亜鉛を徹底的にのぞくということにまず関心が行ってしまって、使用する亜鉛以外の試薬から亜鉛をのぞくためにジチゾンを四塩化炭素に溶解して試薬の溶液とともに振り、亜鉛をジチゾンと結合させて四塩化炭素中に抽出することにまず専念したのです。この実験計画が誤りだということに当時の私の力では考え及ばなかったのです。恩師はわたしにテーマの丸投げをされたのですが、正しい指導としてはまず着手すべき実験計画は亜鉛が極微量は混在しているかもしれないが市販のできるだけ純度の高い試薬を使って、亜鉛欠乏によって培養液に蓄積してくるものがあるかを調べ、そこに塩化亜鉛を付け加える量をいろいろ変えてその結果培養基の中の蓄積するものの変化があるかをまず調べなさいということを指示されるべきであったと考えるのです。四塩化炭素−ジチゾン溶液で振ると確かに微量の亜鉛まで除くことはできますが、一つは実験に入るまでに亜鉛除去に時間と手間を使わなければならず、なかなか本題に入れなかったことと振盪中に四塩化炭素が培養基に混在してきて稲熱病菌の代謝を四塩化炭素が阻害するかもしれないことに気づかなかったのです。気づかなかったのは私の不明が原因ではありますが、未熟な私のレベルではあり得るミスだったと思うのです。指導者はテーマを若い人に与えるときは、犯しそうな取り組みのミスを予想し、正しい取り組み方まで指示しなければならないのです。また指導者自身が一体となって仕事をする気持ちで接し、指示した方法がうまくいかなかった場合には直ちに軌道修正のために新しい提案を授けるだけの力量がなければならないと思うのです。

この注意は社会のあらゆる局面に通じる原則だといいたいのです。それが指導者の責任であるということです。

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いま考えていること 238(2006年07月)
――OECD対日経済審査報告書概要を読んで――

OECD対日経済審査報告書概要が2006年7月20日発表されました。この報告は日本の相対的貧困層の割合は先進国でアメリカに次いで2番目とし、「不平等度が増している」と指摘していると言うところが格差問題との関連で大きく取り上げられたのですが、たとえ概要にもせよ全体に眼を通してみようと思ったのです。人というものは自分について有利な部分だけをことさらに取り上げて利用しようとする性質があるからです。

概要を一読して思うのは、基本的には日本政府の改革路線を支持しており、さらに規制を緩和してグローバルな政策の強化を勧告していると言うことです。確かに貧困層の増大にふれ、その原因は人口の高齢化も一因ですが、労働市場での二重性もあると指摘し、非正規労働者の使用の増加も原因だとしているのは事実です。このために企業が非正規労働者を雇用しようとするインセンティブを低下させるような包括的アプローチが必要だと述べ、また女性の就労を促進する方策をとるよう勧めています。このため政府は女性のフルタイム就労を妨げる税制・社会保障の側面を緩和あるいは撤廃するべきだと述べています。読んでいきますと非正規労働者を正規雇用労働者に転換するためには正規労働者に対する雇用保護の緩和が必要だと述べているのですが、明らかに正規労働者の労働保護条件をゆるめて経営者が非正規労働者を正規労働者として雇用し安いようにというのですから一概に喜んでばかりもおれません。さらに経済再建こそ急務でこのために、社会保障制度の改革や公共投資の削減を優先し、所得税も課税ベースの拡大、つまり課税最低額の引き下げで納税者を増やし、消費税も多少の引き上げが必要と述べています。
グローバル化について言いますと、外国の財やサービス、FDI、外国労働者への門戸開放でまだまだ日本は遅れているという指摘があります。FDIというのは外国直接投資のことです。

これまでの小泉政治の評価と思われるものには負の評価らしきものは見られず、これまでの成果を基礎にさらに基本的にはこれを推し進める路線をたどることを勧めていると思われます。たとえば現在問題となっている銀行の収益性についても、さらに収益性を高めるために、公的金融の縮小を説き、中でも郵政民営化について保険と貯蓄部門の株式の完全市場化を主とする民営化の推進を説くなどです。この報告は今後の日本の政治のあり方にも大きな影響を及ぼすと予想されます。おそらく政治家の発言の中にもきっと反映されてくるでしょうから、自民党総裁選挙を控えて一読をお奨めします。

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いま考えていること 239(2006年07月)
――小泉政治の最大の問題点――

小泉さんの時代も終わりを迎えようとしています。格差問題・アジア外交などで小泉政治に対して、このところ批判が強まってきています。しかしあのバブル崩壊後の日本の苦境を乗り切るためには小泉・竹中ラインのとった政策は緊急措置としてうなずけないではありません。格差問題を孕みつつも明らかに日本は経済的に大まかにいって復活したのは明かですし、不良債権も減りました。このために日本銀行も緊急的な異常なゼロ金利政策を終えたのでしょう。これからは膨大な赤字を抱えた日本国の経営を立て直すことに力点が置かれ、過酷な負担が我々の上にのしかかってくるでしょうが、これは小泉さんのせいではなくそれまでの歴代自民党政治のもたらした大赤字の「つけ」であり、自民党政治を許してきた国民への「つけ」でもありましょう。

私から見て小泉さんの政治のもっともよくなかったのは、現憲法無視の風潮を醸し出したことです。強い米国依存の強化は我が国の防衛力のアメリカの戦略への組み込みを許し、戦後の平和憲法政策を事実によって壊してしまいました。北朝鮮の挙動もこの風潮を助長するのにフルに利用されました。北朝鮮の問題についてはぜひSAFETY JAPANの連載コラムにある大前研一氏の論考にも眼を通していただきたいと思います。自衛隊のイラク出兵は自衛隊の名を否定して、航空自衛隊の現在なおイラク駐留でもわかるように海外でのアメリカとの行動一体化の中で、武力行使による問題解決への道をならしています。世界の唯一の被爆国はそれらしく世界で独自の提言と行動を取らなければなりません。現在の世間の空気は戦後生まれの世代が中心になってきましたから、60年前の深刻な反省などどこ吹く風、多くの犠牲を味わった結果軍備を放棄してでもユニークな平和国家を創るのだという戦後の新しい崇高な日本の決意を否定してしまったかに見えます。私の別館ホームページで見られるように、原爆の悲惨を唯一体験した幣原元首相の核戦争へのおそれはなくなってはいないのです。今度大規模戦争が起これば原爆の悲惨が現実化することは明らかです。核爆弾こそ使われていませんが、すでに劣化ウラン兵器が現実に使用され多くの放射性被害を及ぼしている現実が生まれています。戦争の危険は小さい内に揉みつぶし、現憲法の大道を全世界の人々がお手本とする流れを創らなければなりません。その日本人がこの大道を自ら否定し戦争に荷担する道へ向き始めているのでは過去の道をふたたび繰り返しかねません。この日本人の考えの変容は小泉さんの責任で、糾弾しなければなりません。

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いま考えていること 240(2006年08月)
――格差 について ――

今朝NHKのビジネス展望は日本総合研究所の寺島実郎さんのお話でした。その中で日本の輸入品の中でブランドものが、工業原材料や食料に次いで額の上で大きいことが話されていました。私のように前の戦争のなかで、その日の一杯50銭の雑炊が当たるかどうかと思いながら長い順番の列に立っていた人間からすると、夢のような話でした。一方で最近の格差社会の話も大きくなってきました。この矛盾には困惑します。

乱暴な話かとは思いますが全般的な賃金の低下傾向は、基本的には日本の賃金レベルと低賃金をベースとして一時拡大された大陸への産業の進出とが絡んでいるように思います。すぐ隣に低賃金の国があって企業の進出も容易になっている現代では、どうしても賃金レベルを日本でだけ高く保つことはできないのではないかと思うのです。技術的にユニークで高水準を保つ企業では、またそれに貢献している人には現在も高い賃金が払われ、生産も日本国内で展開されています。どんな人でもでき、海外で容易に生産できるものはやはり低賃金の海外に、企業は生産拠点を移しています。この結果若い未熟な人たちにはフリーターとかニートと呼ばれる現象が生まれているのではないでしょうか。これは将来を展望するときその人たちにとって大変な問題ではあります。しかし相撲界や吉本の芸人さんたちで一部の人たちの高額な収入を非難する人がいるでしょうか。これらの組織には激烈な格差が存在しているのですが、それが努力することへの励みにもなり、低賃金に甘んじてがんばっておられる若い人がひしめいているのです。現代は自分の道を昔の日本とは違って自由に選ぶことができるすばらしい時代なのです。その代わり自分の希望を満たすためには並大抵の努力では不可能で厳しい道への修業・努力を覚悟し、専念しなければそれは無理です。その過程で襲ってくる格差の問題にも忍ばなければならないでしょう。夢を持って時流に流されることなく、くじけずに自分の道を拓いていきましょう。

私のほぼ80年の人生でも格差はどこでも見られました。戦争中学徒動員でろくすっぽ食べるものもない状態で働かされましたが、工場にあった海軍の監督官たちの宿舎にはいろいろの食べ物があふれていました。理想を持って見ていた社会主義の国にも党員は特権を持って君臨していました。国家社会主義のナチスドイツは言うに及ばず、ロシアの社会主義のもとでも思想の自由はなく、特殊な立場ではありましたが日本の捕虜たちは苦役を強いられました。人類の理想を生かす国ならば想像もできないものでした。格差は現在の日本だけに見られるものではないのです。格差を完全になくすることは現実には出来ないことであり、格差の根絶を政府の施策に頼ることは空想と言うべきでしょう。固定したカースト制のようなものが社会にあってはなりませんが、格差を乗り切る努力が正当に評価され、格差を乗り切ることが可能な社会であればそれでよいのではないでしょうか。ただし、現在の様に高額所得者の累進課税所得税を引き下げたり、なけなしの公共事業を元請けが丸投げして下へ行くほど経費が安くなる事例を見ると、まだまだ特権的に税金にたかって利益を貪る企業があると思われ、それが底辺労働者賃金のカットに通じているのですから許せない在り方です。高額所得者や儲けている企業には課税し、高齢者・病人や身体障害者のように努力がしたくても出来ない人に分配する。それが国のなし得る社会正義というものでしょう。派遣労働も賃金の切り下げを招いています。政治による制限枠の設定を必要とします。当分まだ企業の足腰を強くするために設備投資を増やせるような、また企業の利益を増やせるような施策も必要かもしれませんが、ある水準にまで復活した暁には、法人負担の増額を通じて弱者への分配を考えるべきですし、現在のように企業の負担を軽くするばかりが日本の政治というのでは嫌でも格差は開いていきます。やはりしかるべき負担を企業や高額所得者に担わせる施策がなければなりません。国民にだけしわ寄せするような政治を認めるわけには行きません。

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