いま考えていること 260(2007年03月)
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いま考えていること 261(2007年03月)
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いま考えていること 262(2007年04月)
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いま考えていること 263(2007年04月)
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いま考えていること 264(2007年04月;5月)
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いま考えていること 265(2007年04月;6月;2008年2月;2008年6月;2010年4月;2010年7月)
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◆(2008年2月20日追記)アメリカの写真家ロバート・メイプルソープの写真集「Maplethorpe」の日本語版を出版した 出版社長がアメリカに持ち出し再び国内に持ち帰ろうとしたとき、税関は男性器が写っているとの理由で「わいせつ書籍」と判断した。社長は裁判に持ち込み、敗訴したが最高裁の上告審で2008年2月19日第三小法廷は「写真集は全体として、持ち込み禁止のわいせつ書籍にはあたらない」と判決しました。理由は@本の中で男性器写真の占める割合が相当低い。Aメ氏の写真芸術の全体像を概観する本で、男性器写真も芸術的観点から主要作として収録されたB写真芸術に関心が深い人を読者に想定している。
◆(2008年6月10日追記)asahi.comの記事によると『最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は10日、山口組系・旧五菱会のヤミ金融事件の統括者に対して愛媛県内の借り手11人が損害賠償を求めた訴訟で、「著しく高い金利で違法な貸し付けをした業者からは、利子だけでなく元金も含めて借り手が支払った全額を損害として取り戻せる」との初めての判断を示した。
◆(2010年4月27日追記)NHKオンラインに次の記事が見られます。このような判決は21年ぶりといわれます 大阪の母子殺害 死刑取り消し
4月27日 19時31分
8年前、大阪のマンションで義理の娘と1歳の孫を殺害した罪に問われている被告の裁判で、最高裁判所は、「有罪とすることは著しく困難だ」と指摘し、1審の無期懲役と2審の死刑判決を取り消し、大阪地方裁判所で審理をやり直すよう命じました。これによって、被告が無罪となる可能性も出てきました。
この事件は、平成14年4月、大阪・平野区のマンションで、主婦の森まゆみさん(当時28歳)と当時1歳の長男、瞳真ちゃんが殺害され、部屋に火が付けられたもので、まゆみさんの義理の父親だった大阪刑務所の刑務官、森健充被告(52)が殺人と放火の罪に問われています。犯行を裏付ける直接的な証拠がないなかで森被告は、事件にはかかわっていないと捜査段階から一貫して無罪を主張しましたが、1審と2審は、森被告のたばこの吸い殻がマンションの階段で見つかったことなどを根拠に有罪と判断し、1審は無期懲役、2審は死刑を言い渡していました。27日の判決で最高裁判所第3小法廷の藤田宙靖裁判長は「たばこの吸い殻は、被告が犯行当日に現場に行った根拠とされたが、茶色く変色していて、事件より、かなり前に捨てられた可能性があり、審理が尽くされているとは言い難い。そのほかの証拠をあわせても、これまでに認められた証拠だけで有罪にすることは著しく困難だ」と指摘しました。そのうえで1審の無期懲役と2審の死刑を取り消し、大阪地方裁判所で審理をやり直すよう命じました。最高裁が有罪の有力な根拠とされた証拠に疑問を投げかけたことで、森被告は無罪となる可能性も出てきました。最高裁が無罪を主張する被告の死刑判決を取り消して差し戻したケースは、昭和47年に石川県で起きたタクシー運転手の殺害事件の最高裁の判決以来、21年ぶりです。こうした事件は戦後6件あり、その後、審理がやり直されて、いずれも無罪が確定しました。判決について、森被告の弁護を担当している後藤貞人弁護士は「私たちが主張してきた疑問を受け止めてくれた、すばらしい判決だ。無罪判決でないのは残念だが、1審と2審の誤った判断の核心をついていて、本人も喜んでいると思う。差し戻しの裁判では全力をあげて無罪に向けて取り組みたい」と話していました。判決について、最高検察庁は「判決の内容を十分検討したうえで、差し戻しの裁判で立証に万全を期したい」というコメントを出しました。
◆(2010年7月06日追記) 2010年7月6日の日本経済新聞夕刊オンラインには次のような記事があります。
保険金が年金形式で分割払いされる生命保険を受け取った遺族に対し、相続税と所得税を課税することが認められるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は6日、二重課税に当たり違法との初判断を示した。そのうえで「課税は適法」とした二審・福岡高裁判決を破棄。所得税の課税処分を取り消し、原告側勝訴とした一審・長崎地裁判決が確定した。
国によるこうした課税は長年続いており、徴収済みの所得税の返還請求や税務実務の見直しなど、大きな影響が出る可能性がある。原告側税理士は「定期預金などにも相続税と所得税の二重課税の問題がある」と訴えており、他の金融商品の課税についても議論になりそうだ。
長崎市の主婦(49)が、夫の生命保険金を受け取ったのは2002年11月。電気工事業を営んでいた夫が「万一のとき、家族が困らないように」とかけてくれたものだった。すべて一括で受け取るか、一部を年金にするか選べる保険で、保険会社から「違いはない」と説明された。
当時、小学4年と中学3年の娘がいた。「娘たちが大きくなるとき、少しずつ使えたらいい」と年金を選択。保険会社からの通知で1回目の年金230万円から、所得税約22万円が源泉徴収されているのを知っても、「こんなにとられるんだ」ぐらいにしか思わなかった。
だが、近所の人の紹介で相続税の申告を頼んだ江崎鶴男税理士(66)は「年金分には相続税がかかっているのに、なぜ所得税まで徴収されるのか」と首をかしげた。税法の条文を調べ、江崎税理士の疑問は確信に変わった。「普通の人が読めば、誰でもおかしいと思う」
最高裁によると、税務訴訟で納税者の一審勝訴率は近年、ほぼ1割。「勝てる見込みは少ないが、おかしいことはおかしいと誰かが言わないと」。江崎税理士に説得され、主婦も「大事な人を失って受け取る生命保険金は誰でも1円も無駄にしたくない。同じ立場の人たちの役に立てるなら」と決心した。
各種の控除もあり、訴えが認められても実際に返ってくるのは2万5600円。一審は弁護士を頼まない本人訴訟だ。「国にたてつくなんて」と身内はいい顔をしなかったが、江崎税理士の助けを借りて、訴状や。準備書面を作った。法廷では、被告席に国側の代理人がずらりと並ぶ。原告席に一人でぽつんと座ると怖くなったが、「ここまで来たらやるしかない」と気持ちを奮い立たせた。
一審で勝訴したが、二審は逆転敗訴、。それでも、「まだ最高裁がある」と信じていた。年金分の所得があることで、娘たちの授業料が免除されなかったこともある。思いは、同じ境遇の人たちに及ぶ。この日、最高裁で勝訴判決を聞いた主婦は法廷を出て「裁判は本当に長かったが、同じ立場の方たちのためにもお役に立ててよかった。国が今後どのように対応するのか期待したい」と話した。
江崎税理士は判決後「百点満点の判決。要求を完全に認めてくれた。税法や民法で救済できない人は、国が立法で救済するしかない」と語った。二審から代理人を引き受けた丸山隆寛弁護士(福岡県弁護士会)は「おかしいと思う人はいても実際にここまでやる人は少ない。勝訴は2人の頑張りの結果だ」と話す。(延与光貞、浦野直樹)
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「言い方を変えれば、アメリカには「戦時の殺気」は残っていないのです。ですから、昨今の日本の「集団安全保障論議」で暗黙の前提になっている「アメリカは日本よりずっと好戦的で強大であり、その背後の危険度が低い中で一定の貢献をする機会がある」という認識はどんどん崩れていると言ってよいでしょう。日本が「ヤル気」を見せれば見せるほど「どうぞ前面に出て、どんどん危険なところへ行ってください。但しダークサイドに行くようなら潰しますよ」という姿勢になると思います。」 |
6カ国協議にしてもまだ北朝鮮が約束の核施設の廃棄に着手しないと安倍さんも麻生さんも躍起ですが、アメリカの当事者はバンコ・デルタ・アジアの北朝鮮預金解除が解決していないからこれがアメリカ側で解決すれば事は動くだろうと理の当然の考えを述べています。アメリカと北朝鮮の劇的和解がかってのニクソンショックのように日本を見舞うかもしれないといわれるほどにアメリカの空気は変わってきているようです。冷泉さんのレポートを読むとそう思います。それにしても我が国在外機関はどのような情報を本国に送ってきているのでしょうか。いずれにせよ現在の安倍さんを中心とする「戦後レジームからの脱却論議」も所詮アメリカと言うお釈迦様の手のひらの上の孫悟空のようなものでアメリカの国益を離れて真に独立した日本人の論議にはなり得ないでしょう。対米敗戦後遺症からの脱却はまだまだ時間を要するでしょう。