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ギリシア語錬金術文献集成

TLG 4333

ニケーポロス・ブレムミデース

001
ニケーポロス・ブレムミデースの〔書〕金づくりについて




人物

NlKEPHOROS BLEMMYDES
 teacher and writer in the empire of Nicaea; born 1197, died Ephesus ca. 1269-:1269. Son of a doctor, Blemmydes (BlemmuvdhV, BlemmivdhV) moved with his parents ca.1204 from Latin-occupied Constantinople to Bithynia where he pursued studies, including seven years of medicine, until his 26th year. His subsequent career in the church was initiated by Patr. GERMANOS II, who ordained him anagnostes, deacon, and logothetes in quick succession (1224-25). Ten years later Blemmydes took monastic vows, keeping his name, and ca.1237 was appointed hegoumenos of the monastery of Gregory Thaumatourgos in Ephesus. In 1241 he founded his own monastery near Ephesus. His attempts to ensure its independence failed, however, for it became a metochion of the GALESIOS monastery ca.1273?

 Famous in his time for his learning, Blemmydes' most important role was as a teacher. His best known students were George AKROPOLITES, whom he instructed in philosophy, and THEODORE II LASKARIS. In connection with his teaching duties he traveled to Athos, Thessalonike, Larissa, and Ohrid in search of books (1239-40) and wrote epitomes of logic and physics (PG 142:685-1320). A difficult man by most accounts, Blemmydes left a remarkable two-part autobiography, the Partial Account (1264, 1265), a defense of his life that contains elements of a hagiographical work (J .A. Munitiz in Byz. Saint, 164-68). His other surviving works include the Imperial Statue, a MIRROR OF PRINCES for Theodore II (which George GALESIOTES and George OINAIOTES paraphrased in the 14th C.), occasional verses, ascetic works, and fragments of a typikon (J.A. Munitiz, REB 44 [1986] 199-207).
(The Oxford Dictionary of BYZANTIUM)


ニケーポロス・ブレムミデースの〔書〕金づくりについて
(Nikhfovrou tou: Blemmuvdou peri; th:V crusopoiivaV)

(fort. auctore Nicephoro Blemmyde alio)〔もしかすると著者は別人のニケーポロス・ブレムミデースかもしれない〕
(e cod. Paris. B.N. gr. 2509, fol. 137r)


4333 001 2 452 1t
卵-金づくり(wjocrusopoiiva)について
2t
哲学者たちの中で最知の主
3t
ニケーポロス・ブレムミデースが探究したところの。
4t
万物を非有のものらから有へと導きたもう
5t
われらの真なる神クリストスの協働によって。
6
栄光は永遠の永遠に至るまでこのかたにふさわしい。アメーン。

2 452 6
 神の助力によって石ならぬ石 — 知者たちの石と言われ、その中に、地・水・気・火の4元が、つまり、湿・温・冷・乾が含まれているもの — を取り、4元の中のひとつ、例えば地(つまり冷にして乾、これは卵の皮膜(floiovV)のことであるが)を取り、洗濯し洗浄して、冷やし、美しく潰して、窯の中に投入せよ。そうして、窯の口を耐火性の泥で塞ぎ、炉の中に<置いて>熔融せよ。白化するまで、8日間焙焼せよ。そうして保存されたものを保持せよ。これこそが周知のアスベストだからである。保存せよ。

さて、その後で、内側にある白いものを取り、これを尿瓶の中に置け。そうして尿瓶の口に乳房型の容器(ランビキと言われるもの)を 453.1 載せよ。で、美しく塞がれたものとせよ、そうして石膏といっしょに置け。そうしてこれを薔薇水(rJdovstagma)のように蒸留せよ。そうして皿の中に保存されたものを保持せよ。保存せよ。

次いで、アスベストスから1ヶ、滴下された水からも9滴を取り、均一化して、投入せよ。そうして先程のように安全に保存せよ。そうしてこれを薔薇水のように蒸留せよ。ただし、この尿瓶をして硝子製たらしめよ。というのは、陶製が第一であるべきだからである。そうして、滴下したものを再び同じ熱灰の中にもどせ。そうして引き出せ、そうして全てを硝子製の皿の中に投じよ。そうしてその口を布と石膏で美しく塞げ。そうして馬糞の中に40日間埋めよ。ただし木灰ならば、〔埋めるのは〕21日間である。保存せよ。

 次いで、糞の中から投げ出し、尿瓶に投入せよ、そうして先ほどのように蒸留せよ、そうしてもう一度全てをいっしょに取り、水と質料をガラス製の皿の中に投じよ、そうして先ほどのように馬糞の中で腐敗させよ。そうして糞から引き出し、これらをいっしょに尿瓶の中に置け、そうして先ほどのように蒸留せよ、そうして皿の中に保持せよ保存せよ。

 これが神的な水、アスベストスの水とも、海の水とも、酢とも、水銀とも、処女の乳とも、堕落しない子の尿とも、明礬の水とも、キャベツ灰の水(u{dwr spodokravmbh)とも、ニトロン水とも、第一滴下水(u{dwr prwtostavkton)とも、また太の名前でも言われるものである。これは、これによってマグネーシアの体が白化されるところの神的な水であり、454.1 これこそ焼かれた銅と言われるもの、卵の黄身から生ずるはずの熱灰にほかならない。

 そこでなすべきは、卵の焼かれていない殻を取って、美しく潰し、これを硝子製尿瓶の中に投じ、アスベストなしにひたすら蒸留せよ。で、この水から3滴だけ、しかし皮膜は1ヶあらしめよ。そうしてこれを再び3度、腐敗なしで滴下せよ。そうして滴下のたびに、皮膜を投げ捨てよ、そうして別の〔皮膜〕を同じだけ投ぜよ。しかし第3の産出によって皿の中にしまわれたものは保持せよ。

 次いで、新しいアスベストスを取って、これをその水でと美しく混和せよ。で、この水は3滴、アスベストスも1ヶあらしめよ。そうしてこれを皿の中に置け。そうして皿の口を美しく塞げ、そうして馬糞の中で40日間腐敗させよ。ただし、木灰ならば21日間である。

 次いで、同じように卵の黄身を取って、これを陶器製の尿瓶の中に置け、そうしてこれを薔薇水のように強力な火で滴下させよ。つまり、火は上述のものらより甘くあらしめよ。ただし、蓋のまわりは美しく造作されたものたらしめよ。そうして、それらの上に深紅の油を受けとれ。

 この油を取って、上述の皮膜の腐敗させられたアスベストスと均一化せよ。ただし、言われたアスベストス1ヶと、油も3滴をしてあらしめよ。そうしてこれをアスベストの水のように作れ、すなわち、滴下させ、腐敗させよ。祖鬱してもう一度滴下させ腐敗させよ。滴下させ、できあがったものを保持せよ。保存せよ。

 黄身の残留した熱灰をば、アスベストスの神的な水1ウンキアとともに白化させよ。これこそがマグネーシアだからである。

455.1
 このマグネーシア4ヶ、また尿瓶の中に保たれたアスベストスから1ヶ、あるいは5ウンキアをも取って、両方とも大理石の中で美しく磨りつぶせ、最後にはアスベストスからのわずかな水で完全に希薄化され微細になるように、ちょうど、肖像画家たちがそうするように。そうして冷やし、それから尿瓶の中に朱を投じよ、また、アスベストスの水から3滴を。じっさい、ここでは陶器製の尿瓶をしてあらしめよ。そうしてこれを薔薇水のように蒸留せよ、そうして滴下したものをすべてが硝子製容器の中に入れよ。

 次いで、そうやって尿瓶の中に残留した乾燥物を再び大理石の〔容器の〕中に投じよ。そうしてこれを、それから滴下したものといっしょに少しずつ磨りつぶせ。そうしてこれを日陰で乾燥するにまかせよ。そうしてこれを、滴下した湿すべてがなくなるまで行え。

 次いで、この乾燥物を磨りつぶして、また、これとともにアスベストスの別の水をも、尿瓶の中に置け。ただし、水は3、乾燥物は1たらしめよ。そうしてこれを蒸留せよ、そうして、述べられたとおり、5回になるまで磨りつぶせ。

 滴下した湿を全部で5回取ったら、残留している乾燥物とともに均一化せよ。そうして両方を硝子製のランビキの中に取って、糞の中に40日間、あるいは望むだけの間埋めよ。

 次いで、これをもう一度硝子製の尿瓶の中にもどせ、そうして先ほどのように蒸留せよ。そうして湿の半分が滴下したら、尿瓶を開けて、もう一度これをその中にもどせ。そうしてこれを5回まで行え。

 しかしその中で、滴下するものが先ほどのようではなく、緩やかで遅くなる徴を見出すであろう。

 5回の後は、滴下するものを全てランビキの中に受けよ。そうして尿瓶の中に残留している乾燥物を大理石〔の容器〕の中に置け。そうして、これを、これから滴下した湿といっしょに磨りつぶし、そうして日陰で冷えるに 456.1 まかせよ。そうして、湿が全て吸収するまでこれを行え。そうして、これを磨りつぶし吸収することで、白化されることを見出すであろう。この白化も、赤さの徴である。

 そこでこれは美しく白化されなければならない。次いで、そういうふうにして当の白化したものを硝子製のランビキの中に置け。そうしてこれの中に、アスベストスの水からできた当のものの中に3ヶだけを置け。ただしこれは1ヶにせよ。そうして美しく均一化したうえで、糞の中に別の日数の間埋めよ。

 次いでそういうふうにして投げ出し、蒸留せよ、そして湿を受け取れ、そうしてこれをその中にもどせ、そうして第二回目に蒸留せよ。そうして湿を全て受け取れ、そうして保存せよ。ただし、尿瓶の中に残留したこのものが、いくぶん大理石に似て白いのを見出すであろう。これを取って、同じように保存せよ。

 次いで、いくぶん大理石に似た種類から1ヶ、またそれから滴下する水からも別の1ヶを取って、そうしてこれらをいっしょに美しく均一化したうえで、硝子製の尿瓶の中に置け、含んでいるのはランビキではなく、その口を鉛の蓋で封印し美しく塞ぎ、そうして言われた硝子製の尿瓶を、耐火性の泥の細かな塗料で塗布したうえで。

 次いで、これをそういうふうに巧妙にやれ、そうして天火の中に、薔薇水のそれのように設置せよ。そうして炭火の代わりに、灯火に点火し、その下に置け。そうして、内にあるものらが1ウンキアずつ、つまり、両方で2ウンキアずつ加熱されるなら、灯火は7日間つまり7昼夜点火する必要がある。そうして形が半分だけになったら、残りは4日間、4ウンキアなら、2日間点火されるものとせよ。そうして7日間の後、容器を開け、形が凝固しているのを確認したら、保存されていた水から別に1ウンキアを先ほどのようにもう一度載せよ。次いで述べられただけの日数灯火に点火して、9回までそういうふうにするものとせよ。

457.1
 次いで開けると、初めから最後まで9回汝が処置したところの全ての付加の重さをもった凝固し乾燥物になったもの1ウンキアを汝は見出すであろう。

 これを取って、保持せよ。つまり、これから1ヶ、1ウンキアだけを取ってである。

 次いで、そういうふうに火で、つまり、灯火の加熱によってこしらえ方したうえで、これを9回、そうしてこれだけの重さによって、神的な水で汝がしたように、神的な油で加水せよ。ただし、最後の回つまり9回目には、2倍の油を汝は取るはずである。また最も強力な灯火に点火せよ。

 次いで、そういうふうにして、色は鋭い紫に仕上げられた乾燥物を汝は見出すであろう。そこでこれを磨りつぶして、美しく保存せよ。

 さて、が嘉したまい、同じ試みを汝が光の中に導き出そうとするときは、清浄な銀1ウンキアだけを取って、そうしてこれを火の中で熔融させ、言われた乾燥物から重さ1コテュレーだけのこれの中に置け、そうすれば汝は, 金が輝き、人の住まいする〔世界の〕果てまで照らすのを見出すであろう。

2014.12.10.


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