『自然学と神秘学』
[底本] TLG 1306 003 Ad Leucippem (sub nomine Democriti) [Sp.] (e cod. Paris. B.N. gr. 2327, fol. 258r), ed. M. Berthelot and C.?. Ruelle, Collection des anciens alchimistes grecs, vol. 2. Paris: Steinheil, 1888 (repr. London: Holland 5 Press, 1963): 53-56. (Cod: 703: Alchem.) レウキッポスに(Ad Leucippem) (デーモクリトスの名のもとに)(sub nomine democriti) [St.](e cod. Paris. B.N. gr. 2327, fol. 258r) 2.53."16t-17t" さて、この書は次のように始まります。雄黄の欠片をとって、薄片にせよ。球形の容器に入れて、加熱せよ。輝きだしたら、あらかじめ乳漿を取り除かれてもはや流動することのない乳液を投入し、凝固したら、取り出し、泡を取り除かれた明礬といっしょに、若い雌牛の尿によって捏ねること7日間。さらに天日で乾燥させ、今度は塩水で捏ね、同じ塩の花を投入せよ、7日間静置し、〔7日〕経ったら、これをとってもう一度天日で乾燥させ、これを容器に入れ、ひまし油ないしハツカ大根の種子油で、黄色くなるまで煮染めよ、これに2.54.20銅を加えよ、そうすれば、白色になるはずです。また、鶏冠石も、まさしく同じ作用をし、緑の染料といっしょに処理されると、この銅を2つに分けた場合、半分は同様に黄変させ、他の部分は何らかの効果をあらわすのを観察することになります。 このように、硫化物の処理は、銅の白染め法にも用いられます。雄黄を手に取って、塩、あるいは、混ざり気のない尿で塩漬けにせよ、2.55.19日間、あるいは、もっと美しいのは21日間。次いで、シトロンの酢で7日間、シトロンの白さの中程になるまで捏ね、次いで、乾燥させながら静置せよ。次いで、鶏冠石の鉄のようなかたまりを手に取って突き砕き、塩水に21日間塩漬けにせよ。次いで、水と白土〔石膏〕を手に取って、溶液をつくって漉し、静置せよ。それから、鶏冠石を手に取って、1日の間、油で煮よ。〔そのあと〕おがくずの中に入れて、消火しないアスベストスで同様に煮よ、そうしてその水を1昼夜、静置せよ。次いで、2等分したもののなか〔の1つ〕を蒸溜器の受け器に入れよ。ひまし油ないしハツカ大根の種子油で、黄変するまで煮染め、そして静置せよ。それから、銅を――最もいいのは手をつけられていない〔純粋な〕サンゴ(koravllion)を――手にとって、2.55.10〔以下、数行、わたしの力では訳せない。原文を掲げておく。!Epeita labovmenoV calkovn th:V i[sou wJV tecnitw:n ballovntwn, prw:ton kavqaire u{elon` dicavsaV e[ce, wJV ei\ta ejxivou wJV u]steron uJpoqhvsomai`〕次いで、投入せよ、そうすれば〔銅は〕白くなるであろう。2つに分けて静置せよ、わたしが云ったように、あなたに必要になるから。 さて、処理された銅2個、雄黄と鶏冠石を1個ずつ、明礬1/2個、サフランの軟化薬(mavlagma)2個を取って、21日間、あるいは14日間、あるいは7日間、捏ねよ。捏ねるために水分を投入し、これを濾せ、そうすれば、捏ねているときに、地上のライオンのようなさまざまな色を眼にするでしょう。しかし、もはやいろいろな外観を呈さなくなったとき、あなたの捏ね方は美しいと考えなさい。〔この捏ね方は〕2.55.20アイギュプトスの預言者〔=大祭司〕たちによって採用されるもので、彼らはガラスの容器に入れて、少し焼いたり、投入したりするのです。 ところが、わたしたちのやり方はこういうふうではありません。なぜなら、今の世の人間たちは、2.55.23その後の術知の共通性を信じているからです。銅と油状の薬物を乳鉢に取って、木箱の中に入れ、41日間、あるいは21日間、あるいは15日間、腐敗させよ。いちばんよいのは馬糞の中であるが。次いで、引き上げて静置せよ。医師のように捏ね、その際、この調合物(suvnqema)の中に、ミシュ、たっぷりの緑礬水、サフラン、クサノオウをいっしょに、赤錆4に対してこれらが〔各々〕1となるよう加えよ。〔以下2行、わたしの力では訳せない。(!Epeita cwvneuson mosciva o{lh/ movmmi xanqou mikr;n, leivou ajpo; th:V shvyewV th:V thrhsavshV to; pra:gma ajmetavbolon.)〕医者のように捏ねるとき、植物の水分と、ニラネギ(pravson)の液汁を、塩の花といっしょに投入せよ。次いで、鉢(touvllion)の中に引き上げて、医者のようにへらでかき混ぜながら煮染めよ、擂りつぶしながら、3日間煮染めよ、3度の煮染めによって、時間にして4日間を経過せよ。この煮染めをおえて、観察してみて、調合物(suvnqema)が黄色くなるのではなく、オリーブ油の濃度をもったら、ガラスの容器にあけ、凝固するまで、牛糞で煮染めよ。取り出し、捏ね、静置せよ。そうして、銀のこの上なく柔らかくなった土――これをキオス島の土とか黄土(w\cra)と呼ぶ人たちがいる――これを2個、ポントスのシノーペー土1個、そして、油小瓶の……2個をとって、硫黄の液体といっしょに捏ね、浮きかす(ejpistavsimon)?を焼け、そうすれば、強化された物体か、辰砂色の〔物体〕か、珊瑚色の〔物体〕か、シノーペーの土色の〔物体〕を見出すでしょう。〔これは〕名状なきもの(ajdihghton)で、この最大の驚くべき物は、黄金珊瑚(crusokovrallon)とか、他にも名づけられている名称があって、それで呼ばれるのですが、彼らは〔その名称を〕知りません。これを投入し、そして銀を焼き、われわれによって白くされたものを、おお、レウキッポスよ、その全体を隠しなさい。彼らは羨ましがりました。お元気で。 //END |